この記事に書かれていること
- 佐々木譲さんの小説『砂の街路図』あらすじと感想
- 父の過去を探しに
- 不思議な運河町
哀しい過去が眠る運河町
佐々木譲さんの小説『砂の街路図』感想です。久々に佐々木譲さんの本を読みました。私の好きな道警シリーズを書いている作家さんです。
ひだまりさん。
私の地元、北海道を舞台にしているので愛着があるんですよね。
『砂の街路図』あらすじ
父の過去を探しに・・・。
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
岩崎俊也は、母の四十九日を終えたあと、両親がかつて住んでいた北海道の運河町を訪れる。幼い自分を捨てて失踪し、死んだ父のことを調べるために・・・。
『砂の街路図』感想
『砂の街路図』は ミステリー感が弱いかなと感じましたが、充分 面白かったです。
父の過去を探しに
主人公・岩崎俊也は 突然失踪した末に事故死した父がかつて住んでいた運河町を訪れます。ずっと不思議だった思いを胸に・・・。
なぜ父はその街に行ったのか。
過去を探り始めます。父の過ちやその街を訪れた理由が明らかにされたとき、父親を想う岩崎の気持ちに愛情を感じました。
キーワードは「漕艇部」。
悲しく辛い出来事でした。砂の中から少しずつ掘り出すように、徐々に明らかになっていきます。
ひだまりさん。
これは家族の物語ですね。
不思議な運河町
80年前で時間が止まった街
『砂の街路図』で描かれているところ。舞台は 北海道です。本を開いてまず目にするのは「運河町の街路図」でした。

「音楽堂通り」などの地名が所々に登場して、地図を確認しながら 一緒にその街を歩いているかのようでした。小樽かな?と思いましたが架空の町のようですね。
ひだまりさん。
佐々木さんの北海道を愛する気持ちがとても伝わってきました。
何故か居着いてしまった人たちや 不思議な幽霊船・・・。登場人物である岩崎も最後にはこの町の魅力にとりつかれたようです。
砂に埋れたように時間が止まった場所。
昔ながらの建物は懐かしく温かい感じがします。「運河町」っていうのも良いですね。私が通っていた短大も運河に近いところにあったので、懐かしくなってしまいました。
こちらもオススメ

『沈黙法廷』佐々木譲【あらすじと感想】彼女は淑女か悪女か―。真実と裁判の結末は・・・佐々木譲さんの小説『沈黙法廷』あらすじと感想です。少しだけネタバレあります。被告の人生、迷走する警察捜査、首都圏連続不審死事件、沈黙する被告と真意、彼女は有罪か無罪かについて書いています。...

『真夏の雷管』佐々木譲【あらすじと感想】道警シリーズ8 真夏の爆破計画佐々木譲さんの小説『真夏の雷管』道警・大通警察署、あらすじと感想です。少しだけネタバレあります。道警シリーズの魅力、JR北海道 データ改ざん事件、迫り来るカウントダウンについて書いています。...

『犬の掟』佐々木譲【あらすじと感想】撃つか、撃たれるか佐々木譲さんの警察小説『犬の掟』あらすじと感想です。少しだけネタバレあります。魅力的な相棒、緊迫の40時間、刑事はいつも危険と隣り合わせということについて書いています。悲しい結末でした。...