経済・警察小説

『マインド』今野敏【あらすじと感想】碓氷弘一シリーズ6 / 白熱の心理戦

浮かび上がる共通点とは

今野 敏さん『マインド』
私の大好きな碓氷弘一シリーズ。『触発』『アキハバラ』『パラレル』『エチュード』『ペトロ』に続く6冊目になります。

少しだけネタバレあります。

『マインド』あらすじ

碓氷弘一シリーズ6

『マインド』
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
同時刻に複数の事件がおこる。関連性を疑う碓氷警部補。やがて意外な共通点が浮かび上がってきて・・・。

『マインド』感想

今野さんの警察小説は「隠蔽捜査」や「安積班シリーズ」など人気のものが多く、一度読むと続きを読まずにはいられませんよね。「ハマる」要素の一つに登場人物の魅力があります。

「カッコよさ」の秘密

主人公・碓氷弘一は冴えない中年の刑事さん。

どこにでもいそうなオジサンなのですが、その推理は鋭く一気に引き込まれます。人は見た目で判断するなとよく言いますが、長く付き合うとその人の良いところが見えてきますよね。

今野さんが描くキャラクターたちは、初めて読んだとしても、もう長く付き合っているかのような愛着が持てる。自分に正直なキャラクターが多いように思います。

かっこ悪くても、そこに「カッコよさ」を感じてしまうんです。

今回、碓氷刑事の相棒としてもう1人登場します。警察庁の心理捜査官、藤森紗英さんです。

実はこの藤森さん、シリーズ4冊目『エチュード』で登場しているんです。今回もその二人のやり取りが鋭くワクワクしちゃいました。白熱の心理戦です。2人の会話から信頼感が伝わってきて、いいコンビだなと思いました。

マインドコントロールの恐怖

事件の発端は2人の人間の自殺でした。

同時刻に起きた2件の自殺。

碓氷刑事は疑問に思います。田端捜査一課長の命令を受けて調べ始るのですが、他にも5件の事件が同時刻に発生していました。奇妙なことに、いずれの犯人も犯行を覚えていない・・・。記憶障害が起きていたのです。キーワードはマインドコントロールと催眠術。

マインドコントロールの恐怖を実感しました。

自分でも気づかない奥底にある感情。理性が働くから人を憎んでいてもストッパーが掛かり一線を超えずにいます。でもひとたび催眠術でその理性を取り払われたら、感情のままに行動してしまうかもしれない。恐ろしいです。

・・・マイナスのことばかり頭をよぎりましたが、自己暗示っていうのもありますね。自分に暗示をかけて良い方に思い込む。無理なことでも「出来る」と言い聞かせれば出来てしまう。人の心って不思議なものですね。

『マインド』白熱のラスト

今野さんの警察小説の結末はいつも一気読みです。ラストが熱い。

私も一緒に感じる高揚感。一気に畳み掛けます。毎回思うのですがその感じが好きです。今回も読むのをやめられず夜更かしです。面白かったです。

ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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