ミステリー・サスペンス

『消滅』恩田陸【あらすじと感想】テロリストは誰?人工知能と人間の心理戦

キーワードは「消滅」。

恩田陸さん『消滅 VANISHING POINT』感想です。

読売新聞で連載されていたんですね。私は単行本で読みましたが、この物語は一気に読んだ方が面白いのでは? ・・・と思います。登場人物が多くて時間を置くとこの人誰だっけ?となりそうだからです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
私も少しこんがらがりました。

少しだけネタバレあります。

『消滅 VANISHING POINT』あらすじ

テロリストは、この中にいる!

『消滅』
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
とある空港の入国審査で止められた11人と1匹。彼らの中に、テロリストがいるというのだが・・・。

『消滅 VANISHING POINT』感想

恩田さんの小説の魅力の一つに、個性的な登場人物があげられます。
『MAZE』の 恵弥のキャラは独特で面白く『木曜組曲』の女たちはみんな物書きで興味深い。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
恩田さんが描く人物がとても好きです。

個性的な登場人物

テロリストは誰だ!?

登場人物
  • 小津康久・・・・・(男) 大企業のエンジニア。日焼け。
  • 伊丹十時・・・・・(男) 鳥の巣のような天然パーマ。長身。
  • 大島凪人・・・・・(男) 見るからに怪しい。サングラス。
  • 母&息子・・・・・何か秘密を抱えている?
  • 岡本嬉良・・・・・(男) 空間プロダクト・デザイナー。ヘッドフォン。
  • 三隅渓・・・・・(女) 医療従事者。ガラガラ声。
  • 成瀬幹柾・・・・・(男) ごま塩頭。
  • 中年の女性・・・・・ 主人と連絡を取りたがっている。
  • 親父・・・・・ 意外な職業が後に明らかに。
  • 泣いている女の子・・・・・彼女の正体に、みんなびっくり。
  • 犬・・・・・コーギー犬。飼い主は誰?

(ベンジャミン・リー・スコット・・・・・アメリカで指名手配中の男)

今回も個性がある人たちがたくさんいました。読んでいて感じたのですが そのキャラたちを把握できずに少し苦労したので上にまとめてみました。これから読まれる方の参考までに。

思わずクスリと笑ってしまった人物・大島凪人には個性的かつ不幸な特徴がありました。

  • 見回りの警察官に止められ職務質問されてしまう
  • ホテルでのチェックインのとき、そっとマネージャーが指名手配のリストを確認してしまう
  • どの空港に行っても必ず入管と税関で止められる

まじめで温厚な人物なのに怪しい・・・。恩田さんが描くキャラは一筋縄ではいかないですね。そんな怪しい彼が、まさかの入管にひっかかることなく通過しようという場面が好きです。

いつも止められるのに難なく通過できそうな様子に心配になる凪人。・・・でも思いもかけない理由でけっきょく止められてしまうんですけどね。わたしのお気に入りキャラです。

犯人は誰?

この物語のメインはテロリスト探しです。

入管で足止めされた11人と1匹。キーワードは「消滅」・・・その言葉に恐怖を感じました。

テロというと、どうしても爆弾などを想像してしまいます。でも情報化社会の今は、サイバーテロというのも大きな打撃をうけそうですね。想像してみると怖いです。私も普段はスマホに頼りっぱなしです。

それが使えなくなってしまうとパニックになりそう。なければないで生活はしていけますが不便ですね。・・・と、私は自分の生活範囲でのことしか思いうかびませんが、日本規模で考えると致命的なことがどんどん出てきそうです。

本書ではテロの内容を論じながら、犯人を見つけだそうとします。そこも興味深く、ゆれ動く展開に目をはなせません。

ゆれ動く心理描写

恩田さんは密室状態での心理描写が上手い作家さんです。今回も然り。空港の一室でくり広げられる展開は、舞台にしたら面白いだろうなと感じました。

普段とは違う環境で、見ず知らずの人たちが一室に閉じ込められて。疑心暗鬼に陥ったり、仲間意識がうまれたり・・・。場所も変わらず地味に展開するので好き嫌いがあるかもしれません。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
こういうのが好きな私は充分に楽しめました。

人工知能キャスリン

恩田さんが描く極限状態の心理描写がハラハラして面白い。そこには あるキャラの影響がありました。人工知能ロボットです。

11人の中に紛れ込んでいた人工知能ロボット、キャスリン。見かけは人間そのもの。他の人たちは驚愕し恐怖を感じてしまいます。

なぜここに? 彼女の目的は何なのか。

面白い展開になってきました。人工知能ロボットまで登場しちゃいます。彼女が存在することで感じる恐怖。

これからこの分野は研究が進んでいくのでしょうね。お掃除ロボット「ルンバ」などもいますし。そのうちに、キャスリンみたいのも普通にいる時代になるんでしょうか。こういう身近に感じられるSFって好きです。想像が広がりますね。

『消滅 VANISHING POINT』意外な結末

巧みな心理描写に惑わされ、結末はどうなるのだろうとワクワク感が止まりません。・・・このままいくと恐ろしいラストになるのではないかと思いました。でも意外に爽やかな結末で安心しました。そして謎が全て解けていく。

恩田さんは小さな謎を詰めるのが上手くて、そっちの謎も気になってしまいます。孤独な肺炎、母と息子の秘密、親父の正体・・・。それが見事に解決されるのが気持ち良い。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
最後は 肉ワンタン麺が食べたくなってしまいました。

こちらもオススメ

『三月は深き紅の淵を』恩田陸【あらすじと感想】「待っている人々」と読書について恩田陸さん『三月は深き紅の淵を』あらすじと感想です。第1章 「待っている人々」 がとても面白かったです。本を読むことの楽しさを実感した小説でした。...
『蜜蜂と遠雷』恩田陸【あらすじと感想】音楽に満ちているこの世界素晴らしき音楽に満ちているこの世界。 恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』 これはすごい!!「著者渾身、文句なしの最高傑作!」と言うのがわか...
『ブラック・ベルベット』恩田陸【あらすじと感想】神原恵弥シリーズ/かつての恋人すべてが、鮮やかに一転する! 恩田陸さん『ブラック・ベルベット』神原恵弥シリーズ。『MAZE』『クレオパトラの夢』に続き、本作で3...
ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA