学園・ライトノベル

『寮生』一九七一年、函館。今野敏【あらすじと感想】謎と恋と青春

謎と恋と青春と。

今野敏さん『寮生』
今野さん、こんな小説も書くんだー。『隠蔽捜査』や安積さんシリーズ、碓氷弘一シリーズなど、バリバリの警察小説しか読んだことありませんでした。だからとても以外でした。

少しだけネタバレあります。

『寮生』あらすじ

今野さんが描く青春ミステリー。

『寮生』
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
1971年。函館、進学高の寮で事件はおきた。主人公「僕」は真相を探るが・・・。

『寮生』感想

ひとことで言うと

青春ミステリーです。それも青春の方がメインな物語。

サクサクと読めましたが、ミステリー好きの私には少し物足りなさを感じました。・・・でもキライじゃない。

舞台は、函館ラ・サール高校

物語の舞台は、函館ラ・サール高校の寮です。

今野さんは北海道の出身なんですね。母校を舞台に描いた小説でした。読んだ後に知ったのですが、当時つけていた日記を元にして書かれているようです。親しい仲間と楽しい高校生活を送っていたんですね。微笑ましくなりました。

ここで描かれているのは寮生活をする高校生たち。

1971年というと、その前には学生運動が盛んになっていた時期です。私の高校時代とは背景が少し違うのですが、読みやすかったです。親元をでて寮生活をする学生さんたち。その中で事件は起こります。寮生がひとり、屋上から飛び降りたのです。

事故か自殺か、それとも・・・

主人公「僕」は、入寮したばかりの一年生。函館ラ・サール高校は進学校ですが、受験が終わり少し浮かれていました。 高校1年の頃って、でもそんな感じだったなぁ・・・と懐かしくなりました。

そんな時、事件はおこります。寮の恒例行事である入魂会の中心人物、アサイさんが屋上から飛び降りました。

自殺か事故か、それとも他殺なのか?

毎年、入魂会の中心人物 (2年生) が春になると死んでしまう・・・。主人公と仲間たちは、それを探っていくんです。ここで描かれている友達の古葉。彼は頭の回転が早く、堂々としていて高校生とは思えないほどでした。彼にはモデルがいるようです。

最初はイヤイヤながらも真相を探っていた僕ですが、途中から妙にやる気をだしてきます。私は心境の変化に至った理由が気になりました。本書には、ある言葉が何回か出てくるんです。・・・それは寮生だからこそ思うものかもしれません。

寮は僕たちの家

今でこそ私は親元を離れていますが、高校、短大は実家から通っていました。だから寮というものに入ったことがありません。・・・当時は憧れました。

「寮は僕たちの家」

本書にはこの言葉が数回でてきます。その家で誰かが死んだら理由が知りたくなる。当然と言えば当然か。一緒に暮らす人たちの絆を感じました。

家族のような仲間意識が生まれるのかもしれませんね。こういうのって、いいなと思います。

手紙から芽生える淡い恋心

1番 微笑ましかったのは、主人公が抱く淡い恋心です。

僕は、ひょんなことから幼なじみのユキちゃんと手紙のやりとりを始めます。そしていつしか恋に変わっていく。結局、その手紙の中でユキちゃんには他校に彼氏がいることがわかってしまうんですけどね。その時の僕の落ちこむ様子がなんだか微笑ましい。

この手紙のやりとりは実際にあったことのようです。

忘れられない素敵な思い出ですね。

今までとはひと味違う今野さんの小説

この小説は、作者の思い出がつまった作品ともいえるかもしれません。

青春時代。苦いことも楽しいこともたくさんありました。それを思い出し懐かしくなります。今までとは、ひと味違う今野さんが垣間見えた気がして面白かったです。

ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA