- 恩田陸さんの小説『ブラック・ベルベット』あらすじと感想
- 噂のクスリ
- 謎多き登場人物たち
- たくさんの謎
- ユウニ塩湖に負けない絶景・トゥズ湖
- すべてが一転する結末
少しだけネタバレあります
すべてが 鮮やかに一転する!
恩田陸さんの小説『ブラック・ベルベット』感想文です。神原恵弥シリーズ『MAZE』『クレオパトラの夢』に続き、本作で3冊目。
1冊ずつ完結しているけど、順番どおりに読むのがオススメ。
過去に登場した人物が勢揃いするからです。時枝満に、妹の和美、そして今回は恵弥 (メグミ) のかつての恋人・橘が出てきます。
もくじ
『ブラック・ベルベット』あらすじ・評価
神原恵弥シリーズ3
製薬会社で働くメグミは 友人から失踪した女性・アキコ・スタンバーグ博士の捜索を依頼される。T共和国を訪れたメグミだったが、もう1つ別の目的があるようで・・・。
『ブラック・ベルベット』ネタバレ感想文
神原恵弥シリーズは恩田ファンの中でもわりと人気があるのではないかな。やっぱり好きだなぁと再認識しちゃいました。
噂のクスリ

舞台はT共和国。・・・恩田さん、これはトルコですね。トルコ空港、イスタンブールなどの記述はあるのにT共和国って。
製薬会社に務めているメグミは友達の多田からあることを依頼されます。
T共和国で失踪した女性・アキコ・スタンバーグ博士を探すこと。
恵弥にはもう1つ別の目的がありました。D・Fと呼ばれる「最高にハイになれるのに、全くダメージがない」というクスリを探すことです。
正式名称を読んだ時に少しゾッとしました。死の工場、・・・ゾワゾワっとしてきます。それは本当に存在するのでしょうか?
謎多き登場人物たち
シリーズの読みどころは恵弥の面白いキャラにあります。1度読めばその強烈なキャラが大好きになること間違いなし。
平然と「夢とロマンよ」などと言ってのけるバイセクシャルのメグミ。彼は男です、女言葉を話す。頭が良く、しなやかで鋭い彼が大好きです。
かつての恋人・橘浩文が登場するのだけど、彼は謎だら。恩田さんのキャラはやっぱり深みがあって良いですね。
- 謎が多い橘
- 1作目の『MAZE』で大活躍した満
- 面白くて愛着のある恵弥
良い味だしてます、今回も。
ひきこまれる謎
たくさんの謎が描かれていて、興味をひかれました。恩田さんが描く小さな謎が面白いんですよね。
- 恵弥が探し求めているクスリ
- 全身に黒い苔の生えた死体の話
- 不可解なかつての恋人
- アンタレスという謎の日本人の正体
まるっきり見えてこない道筋に、珍しく主人公が混乱してました。これらが最後にどう繋がっていくのかワクワクします。
ユウニ塩湖に負けない絶景・トゥズ湖

『ブラック・ベルベット』を読んでいて、行ってみたくなった場所がありました。トゥズ湖です。
トゥズ湖
トゥズ湖は 水面は空を映し出す鏡のようで、ユウニ塩潮に負けないくらいの絶景。夏になると水が干上がって、一面真っ白になるといいます。
恩田さんの風景描写が素敵。塩の湖というと、ボリビアにあるユウニ塩潮が思い浮かびました。でもそれに負けないくらいの湖がトルコにはあるようです。
ずうーっと続く白い世界も素敵でしょうね。・・・行ってみたい。
『ブラック・ベルベット』すべてが一転する結末
すべてが、鮮やかに一転する瞬間!この恩田マジックを見逃すな
本の帯に書かれていた言葉です。まさに鮮やかに一転。・・・拍子抜けしました。
この結末、嫌いじゃないです。むしろ恩田さんらしいと思ったりもして、ニヤリとしてしまいました。
まさかの・・・でした。いやぁ~、面白かった。ますますキャラに磨きがかかって何よりです。
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