- 阿部海太さんの絵本『みち』あらすじと感想
- 暗闇の中の光
- 広がる想像の世界
- どこまでも続く「みち」
「みち」は続く、どこまでも。
阿部海太さんの絵本『みち』感想です。素敵な絵本に出会いました。幻想的でキレイな絵。
『みち』あらすじ
ともに歩んでいくあなたと。
本の評価
おすすめ
かんどう
ほっこり
せつなさ
【あらすじ】
書かれているのは「あるく」と「はしる」の2語。そして幻想的な絵が織りなす物語。ともに歩んでいく誰かと読みたくなる絵本。
『みち』感想
どこまでも果てしなく続く「みち」を行く2人。人生を歩んでいく私たちを示しているかのようです。
時には、ゆっくりと。時には、かけあしで。
人生に疲れて立ち止まることもあるかもしれません。そんなとき、どこまでも続く「みち」と歩く男の子と女の子を見ていると、前に進むしかないと思わせてくれます。
暗闇の中の光

幻想的な世界
まず目を引いたのは、絵の具で描かれた幻想的な世界です。
まるで絵の具のチューブをグニュっと押し付けたかのような力強さを感じました。それでいて繊細。ザツな感じは全くしません。
私のブログだとちょっと写真が粗いのでこの絵の良さが半減していますが、実物はかなり凄いです。
絵に暗闇の中の光を感じました。暗闇の中に描かれた輝くものが好きです。だからなおさら惹かれるのかもしれません。
男の子と女の子が一緒に道を歩いていく。絵本を最後まで見ていくと、心が静まり前向きな気持ちになりました。
広がる想像の世界
実は絵本には文章がないんです。・・・正確に言うと、たった2つの言葉しか書かれていません。想像が広がりますね。
言葉は2つ
「あるく」と「はしる」です。
どのページにも登場するのは男の子と女の子。そして、たった1本の道。ただひたすら歩いたり走ったりして旅路を行く2人が描かれています。
ストーリーに大きな展開はありませんが、つまらなくはないんですよね。むしろ続きが気になるんです。そして安らぐ。
どこまでも続く1本の「みち」は、人が歩む人生のように思えました。
どこまでも続く「みち」

時には険しい道だったり、緩やかな道だったり。
人生、山あり谷あり・・・という言葉があるように、生きていると楽しいことも辛いこともあります。
この絵に添えられている言葉も「とまる」とかじゃなくて「あるく」と「はしる」。立ち止まったりする時もあるけれど、やっぱり最後には前に進むしかない。
それにしても阿部さんが描く絵は美しいです。
私も周りの人も、みんなここで描かれているような旅路を歩んでいるのかもしれません。ため息がでるくらい美しい旅路。
文章がなくとも・・・
この本に文章はいりません。心が共鳴する絵本とでも言いましょうか。文章などなくても心に深く響く。
「あるく」と「はしる」の限定されたことばが、より絵に深みを与えています。・・・映像にしたら綺麗だろうな。
果てしない「みち」でも、2人だったらなんとかなる。
前に進むのを躊躇ったとき、この本を読むと道しるべになりそうです。阿部海太さん『みち』。時間を忘れて、阿部さんの世界に浸ってしまうこと間違いなしです。
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