隠された真実とは―。
東野圭吾さん『悪意』感想です。加賀恭一郎シリーズ。楽しいお話ではないけど好きな1冊です。
『悪意』は、フー&ホワイダニットに重点を置いたミステリー小説。
東野さんの描き方がまた逸品なんですよね。犯人がわかっても、その後の展開がすごくて目が離せませんでした。
『悪意』あらすじ
加賀恭一郎シリーズ
作家・日高邦彦の家は高級住宅地にある。もうすぐバンクーバーに行く彼は家の借り手を探していたが、ところかまわず糞をする隣の猫を殺してしまう…。翻弄され尽くす快感と、くらくらするような結末へ誘う上質のミステリー。
『悪意』ネタバレ感想文|加賀恭一郎シリーズ
『悪意』は加賀恭一郎シリーズです。
加賀さんのシリーズでは、一番印象に残っている作品がこの『悪意』でした。
犯人が割と早めに判明するんです。だから初めて読んだ時は、「えっ、もう逮捕?」・・・という感じになるんですよね。
フー&ホワイダニット
フー&ホワイダニットに重点をおいた『悪意』。
フー&ホワイダニットとは、「誰が、何故?」という意味です。・・・犯人よりも、動機が重要な要素として取り上げられていました。
野々口修の手記と加賀恭一郎の主観が交互に描かれながら、犯人の動機を解明していくお話です。
加賀恭一郎、教師時代のエピソード
シリーズものって、登場人物のことがわかっていくのが嬉しいですよね。加賀恭一郎ファンには嬉しいエピソードが描かれていました。
彼の教師時代のエピソードです。
こういうのを織り交ぜてくれると、読むのが楽しい。加賀刑事に人間味が増して愛着がわきました。
『悪意』結末|犯人の動機にヒヤリ
最後明かされた本当の動機は、ヒヤリとするものでした。
ちなみに犯人は野々口修です(←これはわりと早めにわかるのだけど)。その動機が二転三転して、最後の最後に真実に到達するんですよね。
恐るべき計画的な犯行でした。
まさにタイトル通り「悪意」に満ちています。全く思いも寄らないものでびっくり。加賀刑事、やっぱり鋭いですね。



