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『黒ねこ』綿矢りさ【あらすじと感想】100万回生きたねこ版、ポーの「黒猫」

第10話、綿矢りささん『黒ねこ』

「100万分の1回のねこ」10話目のレビューは、綿矢さんの『黒ねこ』です。綿矢さんが描く猫は少し生意気。でも可愛さがありました。怖いお話なのにサラっと読めてしまう。とても読みやすかったです。

ネタバレあります。

『黒ねこ』あらすじ

あの海外作家の作品をイメージして書かれた短編

『黒ねこ』
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
僕の名前はプルート。人間の心の機微がよく分かる、頭の良い猫だと思う。ある日、飼い主の夫婦喧嘩の末、動かなくなったお母さんをお父さんは僕と一緒に壁に埋めて・・・。

『黒ねこ』感想

このお話は、ある有名な海外作家さんの作品をイメージして書かれたそうです。綿矢さんが描くとそこまで怖くなく、猫の可愛さが際立っていました。

エドガー・アラン・ポーの「黒猫」

イメージ元は、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」という短編です。

ポーの「黒猫」も気になって読んでみましたが、やはり恐怖小説だけあって怖かったです。綿矢さんの描いたものとは、また別物という感じがしました。妻を殺してしまった夫が壁の中に彼女を埋めようとして知らずに猫も一緒に埋めてしまい、猫の鳴き声でバレてしまう・・・というストーリーは同じですが。

綿矢さんの短編は ねこ目線で描かれていて、それが可愛いんですよね。

生意気で可愛いプルート

主人公の名前は プルート。

飼い主である両親はケンカの絶えない夫婦でした。その仲裁役をしていた彼。

(ΦωΦ)フフフ…。ちょっぴり生意気だけど、飼い主想いの可愛い黒猫。だからか全然 怖さを感じません。逆に微笑んでしまいます。殺されてしまったお母さんを壁に埋めるシーンも、プルートの優しさが伝わってきました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
でも思わず穴に飛び込んだ彼は、一緒に埋められてしまうんですよね。・・・残酷。

油断した父さん

やがて警察が調べに来た時、油断した父さんは「ここの壁はがんじょうに作ってありますよ」と、壁をたたいてしまう。それで猫が鳴き、犯行がバレるというちょっとおバカな成行きです。

やっちゃダメだとわかっているのに、そういうのって、やってみたくなるもの。

そんな人間の心理が上手く書かれています。・・・でも結局、自分で墓穴をほったんですね。悪い事はできないものです。

そしてプルート! 無事だった!良かったぁ・・・と安堵のため息がでました。

もしかすると、あのネコも・・・

綿矢さんは佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』を読んで、100万回のなかには有名猫の一生も含まれているのでは?と思ったようです。

ポーの「黒猫」もそうかもしれないと思い、書いたのが今回のトリビュート作品。・・・面白い発想ですよね。

もし佐野さんの絵本の、あのトラ猫がエドガー・アラン・ポーの短編「黒猫」のプルートとして生まれ変わっていたなら・・・。綿矢さんが描く少し生意気で可愛い主人公のような感じなのかもしれません。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
ポーの「黒猫」があり得るのなら、小さいころ読んだ絵本「11ぴきのねこ」のだれかの時もあったのかもしれませんね。

・・・とらねこ大将かな。楽しい想像が膨らみました。

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佐野洋子さんの絵本のレビューです。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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