1年間に読んだ小説の面白かったランキング
おすすめ小説
面白かった本を10冊ほどピックアップしました。ランキング形式で紹介します。
もくじ
面白かった小説ベスト10|第10位~7位
それでは、まず7位までをピックアップ!まずは第10位~7位です。
第10位『恩讐の鎮魂曲』中山七里
御子柴礼司シリーズ3
韓国船の沈没事故で女性から救命胴衣を奪った日本人男性は 刑法「緊急避難」が適用され無罪となった。そして医療少年院時代の恩師・稲見が殺人容疑で逮捕された。御子柴は弁護人に名乗り出るのたが・・・。稲見は本当に殺人を犯したのか?
悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズの3作目です。テーマは「裁かれない罪」と「贖罪」。刑法第37条 緊急避難があつかわれていました。
御子柴が熱かったです。やはりこのシリーズが好きなんですよね。どんでん返しあり!で 最後まで結末がわからない。

第9位『十字架』重松清
いじめの代償は、あまりにも重い!
クラスメイトがいじめを原因にこの世を去った。彼の遺書に書かれていたのは、僕の名前だった・・・。
学校での「いじめ」を扱っている『十字架』。自殺にまで発展してしまいます。その代償はあまりにも重かったです。生きている限り背負っていかなければならない十字架の言葉は過酷。学校の教科書に載せてほしい作品です。

第8位『悲素』帚木蓬生
帚木蓬生、渾身の力作!!
悲劇は、夏祭りから始まった―。多くの犠牲者を出した砒素中毒事件。地元刑事の要請を受け、ひとりの医師が、九州から和歌山へと向かった。医師と刑事たちは地を這うように、真実へと近づいていくが―。
和歌山カレー毒物事件を扱った小説です。ドキュメンタリーのように裏舞台が描かれていました。知らないこともたくさんあって心の震えが止まらない。過去にあったことですが 今更ながらに恐ろしいです。これは力作。

第7位『沈まぬ太陽』山崎豊子
人間の真実を問う壮大なドラマ!!
海外に飛ばされた国民航空の社員・恩地元。そこでの日々は、もう10年になろうとしていた。企業の不条理に耐える彼の運命は・・・。
御巣鷹山の飛行機事故を扱った巨編です。この小説は涙なくして読めません。3冊すべて読み終わったときに感じたのは、やりきれないくらいの無情。恩地と宿命のライバル・行天からも目が離せません。

面白かった小説ベスト10|第6位~4位
続きまして4位までです。
第6位『夜行』森見登美彦
連続する夜の世界
鞍馬のお祭りの夜、長谷川さんが姿を消してから10年、僕たちは久しぶりに集まった。誰も彼女のことを忘れていなかった・・・。
森見さんが描く もう一つの奇妙な世界。夜は何が起こっても不思議じゃない気がします。怖かったけど想像が膨らむ物語でした。
私がいる世界は夜があって朝がくる。その事実にホッとしました。不思議な世界観に引き込まれます。

第5位『折れた竜骨』米澤穂信
謎解き、ミステリーありのファンタジー
魔法や呪いが存在する世界、ソロン諸島。そこで暮らすアミーナの父が何者かによって殺された。いったい犯人はだれなのか?
米澤さんのファンタジーです。しっかり謎解きがあって、ミステリー感があるところが米澤さんって感じがしました。呪われたデーン人などおもしろ要素が満載です。
映画を見ているような戦いのシーンは圧巻。これは文句なしに面白かったです。

第4位『星を継ぐもの』J・P・ホーガン
意外な事実に驚愕!!
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された・・・。
こんなに面白い本格SF小説は読んだことがありません。ミネルヴァが滅びた理由や、地球の月はどうやってできたのか納得の結末でした。キレイに辻褄があっているのがすごい!!ロマンが広がります。

面白かった小説ベスト3
面白かった小説ベスト3冊は、面白すぎて順位をつけれませんでした。甲乙つけられないほど最高に面白かった小説ベスト3です。
第1位『新世界より』貴志祐介
世界観がすごすぎる!!
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとは―。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。
貴志祐介さんの小説は 世界観がすごすぎます。これはSF・ホラーの括りでしょうか。呪力は神の力か、悪魔の力か。ここで描かれている「新世界」はユートピアじゃなかった・・・。
ゾッとしつつも面白くて止まらなくなりました。アニメ化もされていて、そちらも良かったです。

第1位『図書館の魔女』高田大介
言葉のファンタジー
ある日キリヒトは 図書館の魔女・マツリカに仕えることになった。「ことば」 を操る彼女は 自分の声を持たない少女だった―。
上下巻で¥5000を越えるという分厚さ。読むのを怯んでしまいますが、読み始めると止まらない。ファンタジーの括りだけど、魔法などは出てきません。そこにあるのは濃密な「ことば」です。
言葉って何だろう?と深く考えてしまいました。言語学者の高田さんならではの物語です。

第1位『蜜蜂と遠雷』恩田陸
興奮が止まらない!!
私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
面白いという言葉では足りないくらい面白かったです。ピアノコンクールのお話で、恩田さんが描く「音」が素晴らしい! 圧倒的な文章力を感じました。
『チョコレートコスモス』を読んだ時に近い興奮を味わえます。ジン少年のピアノ、聴いてみたい。間違いなく恩田さんの最高傑作です。

面白かった小説ベスト10|まとめ
ランキング形式で10冊紹介しました。
特におすすめなのは、同時1位の長編小説3冊。(『蜜蜂と遠雷』は1冊なのですが、文章が2段組!) 面白すぎて本の長さは気になりません。
むしろ最後の方になると読み終わるのがもったいない気さえもしました。おすすめです。



