- 浜口倫太郎さんの小説『22年目の告白―私が殺人犯です―』あらすじと感想
- 世間を惑わす殺人犯の告白本
- 美しく理知的な殺人犯・曾根崎雅人
- 刑事の思い
- ニュースキャスター仙堂 VS 曾根崎
少しだけネタバレあります。
世界を驚愕させた1冊の本―
浜口倫太郎さんの小説『22年目の告白―私が殺人犯です―』感想です。藤原竜也さんが魅惑的に微笑む表紙が目を引く。映画化されました『22年目の告白』の小説版を読みました。
もくじ
『22年目の告白―私が殺人犯です―』あらすじ
美しく紳士的で理知的な彼―。
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
美しい青年・曾根崎雅人が書いた原稿。それは 時効が成立した事件の犯行を告白したものだった・・・。
『22年目の告白―私が殺人犯です―』感想
面白いです。止まらず一気に読んでしまいました。
世間を惑わす殺人犯の告白本

殺人犯の告白本!?
時効を迎えた殺人犯自らが告白本を出すという設定にひかれます。彼の目的はいったい何なのか・・・。しかもその告白本は、たちまちベストセラーになります。
過去に出版された少年Aの本が頭に浮かびました。腹が立って読もうとも思わなかったですが。だから、そんなに売れるか?・・・という疑問はのこりました。
美しく理知的な殺人犯・曾根崎雅人
この小説の面白さは、美しく理知的な殺人犯・曾根崎にあります。
主人公の編集者・川北未南子は 信じられない思いで行動を共にします。編集者、兼マネージャーとして。小説を読むかぎりでも、曾根崎はかなりの美形です。
美形ってだけではなくて振る舞いも紳士的で、曾根崎=殺人犯・・・というのが成立しないような人物でした。でもその瞳の奥には確かに闇がある。ヒヤリとしてしまいます。
告白本を出版する時に、大々的に記者会見をやった彼が言ったことばが印象的でした。
「はじめまして、私が殺人犯です」
魅惑的に微笑む藤原竜也さんを想像できてしまいました。・・・この役柄、ぴったり。
刑事の思い

殺人犯の存在が世間に知るところとなり、苦しむのは遺族や刑事たちです。思わぬところで色々と繋がっていました。
牧村刑事の無念に心が揺さぶられます。
時効の壁。
それが廃止される法律ができた1日前に時効が成立しちゃってたんですよね。かなり悔しいだろうな・・・。
牧村刑事は 事件の被害者遺族でもありました。でも彼は決して諦めていたわけではなかったんです。執念を感じました。
ニュースキャスター仙堂 VS 曾根崎
後半も盛り上がりをみせます。
曾根崎が人気番組『NEWS EYES』でメインキャスターの仙堂とやり合う。これがまた面白かったです。
告白本に殺人動機が書かれていなかったことについて 仙堂は、犯人は別にいるのではないかと推理を披露します。
こうなると予想がつくのですが、真犯人を名乗る人物まで出てくる。ここの部分を読んでいて、前に読んだ雫井脩介さんの『犯人に告ぐ』を連想しました。劇場型捜査のようなかんじ?(捜査じゃないけど・・・)
曾根崎は本当に犯人なのか? 彼はなぜ告白本を出版したのか?
すべて最後に明かされます。「執念だなあ・・・」と思いました。
衝撃の結末
最後は衝撃です。想像がつかなかった結末。でも優しい終わり方なんです。・・・あの人が作家さんになるなんて涙ぐんでしまい、心が温まりました。
映画を元に書いたのだから当たり前か・・・。妖しく微笑む藤原竜也さんが最後まで頭から離れませんでした。
こちらもオススメ



