- 高畑京一郎さんの小説『クリス・クロス 混沌の魔王』あらすじと感想
- 仮想現実型RPG「ダンジョントライアル」の世界
- パーティ編成
- ゲーム・オーバー
- 魔王ギガント
少しだけネタバレあります
バーチャルリアリティの恐怖。
高畑京一郎さんの小説『クリス・クロス 混沌の魔王』感想です。ドラクエのようなRPGゲームをしているような感覚になれる本でした。
VR (バーチャルリアリティ) の世界。
もくじ
『クリス・クロス 混沌の魔王』あらすじ
驚愕の仮想現実世界―
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
仮想現実型RPGの世界で奮闘する未来小説。日本が作り上げたバーチャルリアリティ・ゲーム 「ギガント」 。その世界に入った主人公は リアルなゲームの世界を堪能する。でも彼らを待っていたのは恐ろしい恐怖の世界だった・・・。
『クリス・クロス 混沌の魔王』感想
ここまでゲームの世界観を味わえる小説・・・というのを初めてよみました。面白いものですね。
仮想現実型RPG「ダンジョントライアル」の世界

小説なのに、まるでゲームをやっている感覚。最初から最後まで、ほとんどゲームの世界でした。
モンスターを倒しながらダンジョンを歩きまわる。経験値をためたり、宝箱を開けたり、治癒薬を集めたり、最強の武器・防具を装備したり・・・。
日本が総力を結集して造り上げたスーパーコンピュータ 「ギガント」 。256人の同時プレイが可能な仮想現実型RPG「ダンジョントライアル」の世界です。
ゲームのストーリーは至ってシンプルです。迷宮の奥にひそむ魔王・ギガントを倒す。経験値を積んで、パーティ編成をして、武器も手に入れて、迷宮の奥までたどり着かねばなりません。
ドラクエやファイナルファンタジーの迷宮シーンを彷彿させますね。
重要なパーティ編成
ゲームを始める前に プレイヤーは職業を選ばねばなりません。
本書の主人公・ゲイルも盗賊でした。でも1人ではクリアできません。重要なのは仲間を見つけてパーティを組むこと。
途中で、リリス (女戦士)、シェイン (男戦士)、ユート (男魔法使い)、ケイン (男戦士)、ミナ (女魔法使い) が仲間になります。
戦士3人、魔法使い2人、盗賊1人。
偏ってる気が・・・。回復役の僧侶がほしいところです。
確かドラクエ3でも1番最初に職業を選びます。私は 魔法使いと僧侶を必ず入れていました。後にダーマ神殿で転職ができるんですけどね。
この小説でも転職ができるんです!上級職に。
仮想世界のはずが・・・

バーチャル、それともリアル?
仮想世界を描いているものって、バーチャルかリアルか混乱したり、リアルに戻れなくなったり・・・という展開がつきもの。
『クリス・クロス』でも、そんな展開になっていきます。
バーチャルリアリティゲームで死んだらゲーム・オーバー。
リアル世界に戻るはずが、そのまま倒れているプレイヤーが何人かいました。ゲームの世界から脱出できなくなってしまう。これはかなり怖いことです。
魔王ギガントを倒せ!!
仮想世界のはずが現実に戻れない。魔王ギガントを倒すまでは・・・。
突然ふってきた声は、このゲームを開発した江崎新一のものでした。
- 彼がプレイヤーに望んだものとは?
- ゲイルたちは魔王を倒せるのか?
ドキドキしながら一気に読んでしまいました。
リアルか、バーチャルか。
『クラインの壺』を思い出しました。

どちらが仮想か現実か、区別がつかなくなってしまうラストにゾッとしたものです。この小説も少し似通ったものがあります。
最後の病室 (?) のシーン。現実だと思っていたら、仮想で・・・。
『クラインの壺』や本書で描かれているように、どっちがどっちだか区別がつかなくなってしまうかもしれません。
退院してすぐに柑橘系の香水を買ったゲイル。彼のきもちが少し理解できる。ラストの終わり方が余韻をのこし、良かったです。
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