- 佐々木譲さんの小説『真夏の雷管』道警・大通警察署、あらすじと感想
- 道警シリーズの魅力
- 繋がっていく事件
- JR北海道 データ改ざん事件
- 迫り来るカウントダウン
少しだけネタバレあります
道警シリーズ第8弾
佐々木譲さんの小説『真夏の雷管』道警・大通警察署、感想です。楽しみにしていました、道警シリーズ。
『笑う警官』『警視庁から来た男』『警官の紋章』『巡査の休日』『密売人』『人質』『憂いなき街』に続き8冊目です。
『真夏の雷管』あらすじ
刻限に向けてチーム佐伯が走る!
札幌では様々な事件がおこる。それらが一本の線で繋がったとき、爆破計画が明らかになり・・・。道警シリーズ第8弾。
『真夏の雷管』感想
道警シリーズはキャラに味があるのが魅力。2時間枠のドラマにもなっています。でもドラマは全くキャラが生かされていないんです。それがとても残念。
道警シリーズの魅力

キャラが大好き。
佐伯さんをはじめ、生活安全課の小島百合、機動捜査隊の津久井卓、佐伯さんの相棒である新宮昌樹・・・。
シリーズを読むたびに 彼らに会えるのが楽しくてしょうがありません。地元の札幌が舞台になっているから 身近な地名がでてくるとニヤリとしてしまいます。
いつも気になるんですよね。
今回は2階の影の捜査会議室 (?) は使わなかったけど、「ブラック バード」 に集まるメンバーたちのシーンが何度かでてきました。恒例の場所です。
繋がっていく事件
真夏の札幌で 3つの事件が起こります。
園芸店での爆薬材料の窃盗、狸小路やホームセンターでの工具の万引き、消えた電気雷管。
窃盗は佐伯&新宮が、少年の万引きは小島百合が担当し捜査にのりだす。別々の事件のようで、最後には全てが繋がっていきました。推理の過程が面白いです。
展開はだいたい読めてしまうのですが、全てが一本の線で繋がったときは嬉しくなりました。
・・・それにしても、大輝くんの母親ありえない。こんな母はイヤだ。
JR北海道 データ改ざん事件

過去に起こった事件がでてきました。JR北海道によるデータ改ざん事件です。
2013年9月 北海道JR函館線で起きた脱線事故直後、レール幅の検査データを改ざんした疑い。それによって トカゲの尻尾切りが行われました。そして社長の自殺・・・。
当時は大きく報道されメディアにも叩かれましたね。どんな会社なんだ・・・、と恐ろしくなります。
慢性的な人手不足、予算不足・・・など同情する部分もありますが、安全を第一に考えてほしいし改ざんしちゃダメですよね。
ニュースを見ながら愕然とした記憶があります。実際にあった事件が描かれているからリアル感がありました。
なぜ線路? と、ひそかに気になっていたんですよね。
迫り来るカウントダウン、爆弾はどこに!?
タイトル『真夏の雷管』からも想像できるとおり、爆弾が仕掛けられます。
犯人は誰で、目的は何か? 爆弾はどこに仕掛けられているのか?
半分くらい読むと犯人は分かるのですが、結末がハラハラドキドキで面白かったです。
迫り来るカウントダウン。
ドキドキしました。ラストは佐伯さんや津久井、機動捜査隊の長正寺の覚悟が伝わってきました。
1冊ずつ完結しているので どれから読んでも楽しめますが、やはり順番通りに読むのがオススメです。登場人物の関係や立場が少しずつ変化していくのも楽しめます。
今後も目が離せません。


