- 絵本『ちいさいおうち』あらすじと感想
- 変わりゆく風景
- 大切な思い出
絵本『ちいさいおうち』
バージニア・リー・バートン (文・絵)
石井桃子 (訳)
ここはもう、まちになってしまった・・・
ちょっぴり切なく、心がホカホカになりました。絵本『ちいさいおうち』の感想です。
『ちいさいおうち』あらすじ
時とともに変化する風景。

長閑な田舎町にたつ 「ちいさいおうち」。やがてお家の周りは賑やかになりました。でも 「ちいさいおうち」 は、静かな頃を懐かしく思うのでした。
『ちいさいおうち』感想
主人公は 人でも動物でもなく 「おうち」 でした。のどかな田舎にたっている1軒の小さな家。イラストが可愛いです。
周りが都会に・・・
周りが変わっていく・・・。
最初の数ページはのどかな風景が描かれていて心温まるのですが、そのうちに 「ちいさいおうち」 の周りが都会になっていく・・・。
ぽつんと一つ残された主人公が可哀想になってきます。・・・ちょっと切ない。
変わりゆくものと変わらぬもの
この絵本は 変わりゆくものと変わらぬものが描かれています。
変わるものは 「ちいさいおうち」 の周り。変わらないものは 「ちいさいおうち」 です。
これも全て時代の流れ。どうしようもないものがあります。
新しいものが出来ることで便利になったりワクワクしたり。でもそのせいで なくなるものも確実にある。どちらが良いかは人それぞれです。
小学生だった頃はファミコンが大流行で、あれから30年ほど (?) たちました。昔懐かしドット絵から、今はリアル映像。
大きなテレビでプレステをやるのも楽しいけど、ドット絵のゲームを見ると懐かしくて良いよなぁ・・・と思う。
大切な思い出

なくなったものを懐かしむとき、モノと一緒に思い出の情景も浮かびます。
「ちいさいおうち」 の周りは変わってしまって、ひなぎくの花や、りんごの木もなくなってしまいました。
懐かしい昔の風景。今は影も形もなくなってしまいました。主人公は 街になってしまったこの場所に住みにくさを感じているようです。
住みなれた場所
絵本では 街は嫌いなところとして描かれているけれど、田舎の良さ、街の良さはどちらも同じくらいあります。
「ちいさいおうち」 も最初から街に建っていたら、そんなに嫌いにはならなかったのでしょうね。




