- 薬丸岳さんの小説『友罪』あらすじと感想
- 『友罪』テーマ、少年犯罪について
- もしも主人公の立場だったら
薬丸岳さんの小説『友罪』感想です。難しいテーマを取り上げたお話でした。
身近な人が過去に凶悪犯罪を犯していたら? 真実を知ったとき それでも友達でいられるのか。
『友罪』あらすじ
友だちが 過去に凶悪犯罪を犯していたら?
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
寮付きの町工場で働き始めた益田純一は、同じ日に入社した鈴木秀人という男に出会う。ある日、益田は昔の恋人から、14年前に起きた少年犯罪について話を聞かせてほしいと頼まれる。事件について調べるうちに、その犯人が同僚の鈴木ではないか?と疑念を抱きはじめ・・・。
『友罪』感想
もしも友だちが過去に凶悪犯罪を犯していたら?
主人公・益田の迷いが心にチクチク刺さりました。
- 同僚の鈴木くんに疑いを抱きながら確かめられずにいるもどかしさ。
- もしも犯人だったら今までのように友達として接することができるのか?という葛藤。
少年の孤独な人生と贖罪
『友罪』は 当時少年だった犯人の少年院を出てからの孤独な人生についても描かれています。
これからも罪を償いながら孤独な人生を歩んでいかなければならないこと。でも過去にそれだけのことをしてしまったのだから・・・という気持ち。
以前よんだ『天使のナイフ』、そして『友罪』は 少年犯罪をテーマにしています。
凶悪犯罪を犯しても少年法に護られて、いつかこの社会に出てくるかもしれません。・・・そうなると気になるのは罪の意識があり本当に更生しているのかどうかです。
薬丸さんの本は 重いテーマが多いですが心に響くものや、今の社会に通じるものがあります。人の心を描くのが上手で読みやすい。
もしも主人公の立場だったら?
『友罪』を読んでいると 私が益田純一の立場だったら・・・?と考えました。
ラストは益田純一の勇気ある行動にジーンとしました。
様々な罪
他にも様々な「罪」が描かれています。
- 益田純一の罪。
- Yさんの家族の罪。
被害者やご遺族にとって何が本当の償いになるのか。
人の命を奪った罪を償うということは、簡単に答えの出しようのない難しいものです。人の命の重さが伝わってきました。
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