『デス・ストランディング』小説ネタバレ感想文・あらすじ|ゲームクリア後におすすめ
- 『デス・ストランディング』あらすじと感想文
- ゲームの魅力と世界観の簡単な解説
- ヴィクトールとイゴール兄弟
- ハートマンの少しだけ不便な生き方
- 人々に希望をもたらすサム
ネタバレあります。ゲームの内容にも触れますのでご注意ください
待つということは未来を生きることだ。
小島秀夫監督のゲーム『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』小説版を読みました。野島一人さん著のノベライズ上下巻、読書感想です。
ゲームのストーリーをもう一度味わえる!
ゲームをプレイして、その世界観に圧倒されました。小説版はゲームのストーリーを追っていて世界観を追体験できるのだけど、それだけじゃないんです。
サムの心情や、配送先のNPCのストーリーが深掘りされてるのが良かったよ。
映像化の話もでているので、今から楽しみです。・・・その前に発売が決定している『DEATH STRANDING2』ゲームかな。
『デス・ストランディング』あらすじ
ゲームノベライズ版
「デス・ストランディング」という現象によって繋がりが分断され崩壊した世界。サム・ポーター・ブリッジズは人々のために、アメリカを再建するため、そして“未来”を運ぶ任務に赴く。
『デス・ストランディング』とは?ゲームの魅力と世界観を簡単に解説
ゲーム『デス・ストランディング』を初めてプレイしたとき、美麗でリアルなグラフィックとダークな世界に魅了されました。
元々はPS4ゲーム(PS5にも対応)なんだけど、最近ではiOS/mac版も配信されているようです。今後は続編(?)の『DEATH STRANDING2』も発売予定。映像化の話も出ています。
究極のお使いゲーとも言われていて、再建ついでに孤立した人々の荷物も運ぶ(むしろ、こっちが本命)という、時間が溶けるゲーム。
私は国道をつくるのにハマった。
徒歩やバイク、トラックなどで都市と都市の間を行き来するのだけど、整備されていない道だからガタガタで・・・。道路を整備して繋ぎたくなるんですよね、これが。
「デス・ストランディング」という謎の怪現象が起きている世界観もダークで魅力にあふれていました。
BT(死者)がビーチを通ってあの世(海)からこの世(陸)へやって来る(座礁してくる)現象。(←ここで言うビーチとは、あの世とこの世の境目で三途の川のような感じ)
BTと人が接触するとヴォイドアウト(対消滅)が起こり、街が消滅して大きなクレーターができたり・・・。けっこうシビアでダークな世界です。
- なぜ「デス・ストランディング」が起きるのか
- 今後、世界はどうなっていくのか
・・・など、ストーリーも気になる&お使いも楽しくてやめ時がわからなくなるゲームでした。
人を選ぶけど、ハマる人はハマるんだ。
『デス・ストランディング』小説版ネタバレ感想文|サムが繋げる未来
小説版『デス・ストランディング』を読んで良かったのは、大きくわけると2つありました。
- 主人公以外の登場人物も深掘りできる
- サムの心情が読める
心情が読めるのは本ならではだよね。
サムはどんなことを思いアメリカ再建を手助けしていたのかや、NPCの気持ちなど・・・。
NPCは小説版で好感が持てたヴィクトールとイゴール兄弟、ゲームをプレイしたときから好きなハートマンに注目してみました。
ヴィクトールとイゴール兄弟|サムに託された思い
ゲームでサムを操作しながら、初めてヴォイドアウト(対消滅)を体験することになったシーンが、小説版ではイゴール視点で描かれています。
死体処理班のイゴールとともに遺体を焼却炉に運ぶシーン。間に合わず遺体がネクローシス(BT)化して対消滅が起こり、街が大きなクレーターになり消滅
ゲームで体験したときの衝撃は凄まじいものがありました。恐ろしい世界だと。小説でも背筋がヒヤリとします。イゴールは帰らぬ人に・・・。
逃げろ。そいつと一緒に逃げてくれ
そのときにイゴールからサムへ託されたものがありました。BBポッドと、ポッドにくっついていた宇宙飛行士ルーデンスのフィギュアです。
ここからBBがサムの相棒になるんだね。
サムとBBが歩む道は険しいけど、カイラル通信で街と街が繋がった瞬間の人々の感動は大きなものがあります。
イゴールの兄・ヴィクトールもそのうちのひとり。
この瞬間を何度、夢に見ただろう。 管制塔までこの声が聞こえるだろうか。虚空を漂っていたこの場所が、故郷とつながるのだ
カイラル通信は街と街を繋ぐものだけど、そこには人々の営みがあり、孤立している人々を繋ぐものでもあって。サムに感謝するNPCたちの心情がより伝わってきました。
小説を読んで、サムって偉大だ・・・と思った。
ハートマンの少しだけ不便な生き方
ゲームをやってたときから気になっていたのがハートマンです。中盤から後半にかけて彼の生き方が目を引きました。
「一日に六〇回死んで、六〇回生き返る。そのたびに死んだ家族を探して、ビーチを放浪する。それがわたしの一日であり、生き方なんだ」
21分ごとに心停止して、3分間ビーチ(この世とあの世の狭間)を彷徨い、また蘇生する。喪った家族を探すためです。そんなことができてしまうハートマンがすごい。
21分ごとに心停止って、なんだか慌ただしいな。
不便な生き方をしているハートマンですが、彼には切実な思いがありました。なんのために家族を探しているのかというと、
家族をビーチでみつけて、一緒にあの世に行くため
ちょっぴり切なくもあるのだけど、こんな世界でひとりで生きていくのは耐えられないのかな。
改めて凄まじい世界だと思った。
サムの姿が胸アツ!人々に希望を与える主人公
小説ではサムの心情が読めて、より主人公が身近に感じられました。
ハートマンやヴィクトール、ロックネ、フラジャイル、デッドマン・・・。その他の多くの人々と関わることでサムの気持ちに変化があらわれます。
おれが荷物を届けた人たちは、おれが到着する未来をいつまでも待ってくれていた。荷物が届く明日を信じてくれたんだ。待つということは未来を生きることだ。それがわかるようになった気がする。だからおれも、未来を壊したくない
自ら進んで人々の未来を守ろうとする姿は胸が熱くなったよ。
はじめはアメリカ再建なんてどうでも良かったんですよね。それが後半では、世界と周りの人々の未来までをも考えるようになる。絶望的な世界でも希望を絶やさない人々は強いです。
カイラル通信を繋げ、ついでに荷物を運ぶだけなのに、それがいかに重要なことだったのか。
小説を読んだら、また荷物運びたくなっちゃった。
『デス・ストランディング』小説版、こんな人におすすめ!
小説版『デス・ストランディング』は、読むと物語に深みが増す一冊(上下巻で二冊)でした。
『デス・ストランディング』って、世界観や用語など小難しい設定が多いんですよね。・・・なので、小説から入るよりもゲームで世界観などを理解してないとついていけなくなるかもしれません。
時間があるときに、ゆっくりやると良いゲームだよ。
お使いゲームだけど、魅力的なキャラと気になるストーリー展開に目が離せなくなります。ゲーム含めておすすめです。