- 恒川光太郎さんの小説『雷の季節の終わりに』あらすじと感想文
- 雷の季節がある「穏」
- 風わいわい
- 墓町の闇番
少しだけネタバレあります。
少年は、世界を渡る旅に出た。
恒川光太郎さんの小説『雷の季節の終わりに』感想です。恒川さんのホラー・ファンタジー、長編小説。この世界のどこかに存在する閉ざされた異世界が魅力でした。
『雷の季節の終わりに』あらすじ・評価
恒川光太郎の傑作異世界ファンタジー
ひっそりと存在する町・穏。そこで暮らす賢也は、あるとき「風わいわい」に取り憑かれてしまう。やがて彼は穏にいられなくなり・・・。
『雷の季節の終わりに』ネタバレ感想文
懐かしい気配がただよう異世界。物語だけど、本当にどこかに存在しているのではないかと思えてしまう。
「穏」に行ってみたくなりました。
雷の季節がある「穏」

『雷の季節の終わりに』は、ひっそりと存在する町がでてきます。
神の季節がある「穏」
誰でも行けるところではなくて、限られた人々にだけ見える町です。そこには春夏秋冬の他にもう1つ、雷の季節がありました。
これまで4つの物語を読みました。『滅びの園』『夜市』『風の古道』そして『雷の季節の終わりに』。どれもこの世ならぬ異世界が描かれていて憧れを抱いてしまう。
恒川さんの描く異世界は共通の匂いがします。怖いけど懐かしい匂い。
ジブリ作品が大好きですが、見ていない人が読んだらどんな感想を抱くのかな。
風わいわい
賢也の元に”風わいわい”が降りてきます。・・・降りてくるというか、取り憑かれるのですが。ホラー感がありますね。
“風わいわい”が可愛い。
彼を励まして助けてくれるのに「穏」では忌み嫌われていました。いろんな人に取り憑きながら余生を楽しんでいるこの世ならぬもの。
墓町の闇番

「穏」の中にある「墓町」は、ちょっぴり不気味な感じの魅力的なところでした。「穏」は長閑な田舎町といった感じです。
門を守る闇番、友だちの穂高、そして”風わいわい”。
登場人物が魅力的。「穏」を守っている闇番に好感が持てました。死者は入れず、賢也が追われたときも力になってくれるのです。
すべて繋がるラスト
『雷の季節の終わりに』はさまざまな登場人物たちの視点で描かれています。
賢也、ナギヒサ、茜、トバムネキ。
茜の視点で語られる章は別モノ?と思っていると、最後には繋がりました。個別の物語のようで、みんな繋がっているのですね。
ラストのトバムネキには気が抜けたけど、いなくなった賢也の姉の想いを読んでジーンとしました。
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