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『東京すみっこごはん レシピノートは永遠に』ネタバレ感想文・あらすじ|シリーズ5、最終巻|成田名璃子

東京すみっこごはん レシピノートは永遠に
この記事に書かれていること
  • 『東京すみっこごはん レシピノートは永遠に』あらすじと感想文
  • 楓の心残りと瑛太のその後
  • 祖父の生き様
  • 別れと旅立ち
  • 思い出のおいなりさん

ネタバレあります。ご注意ください。

渋柿のおいなりさんは、愛そのものだったんだよ

成田名璃子さんの小説『東京すみっこごはん レシピノートは永遠に』読書感想です。シリーズ5巻目で最終巻。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
前巻で苦い別れをした瑛太のその後がわかって良かった。

最終巻は、別れと旅立ちの物語でした。主人公の楓にとっては辛い別れの連続で、読んでいる私も苦しかったです。

何もここまでしなくても・・・と思っちゃったほど。楓には試練の連続ですね。

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『東京すみっこごはん レシピノートは永遠に』あらすじ・評価

シリーズ最終巻

あらすじ

高校三年の春、楓は悩み続けていた。あの時、一人の少年の希望を守れなかったことを…。失意に暮れ、卒業後の進路も定まらぬ中、ずっと二人で暮らしてきたおじいちゃんの身に異変が!? そして、すみっこごはんの常連たちにも決意の時が近付く。年齢も職業も異なる人々が集う“共同台所”が舞台の大人気シリーズ。それぞれの旅立ちがやさしく胸を打つ最終巻!

『東京すみっこごはん レシピノートは永遠に』ネタバレ感想文|別れと旅立ちの物語

「東京すみっこごはん」シリーズは、だいたい1話ずつの連作短編になっているけど、最終巻は1冊の長編小説のようでした。

1冊を通して描かれていたのは、楓と彼女の祖父の葛藤です。加えて、すみっこごはん常連さんの旅立ちと別れの物語でもありました。

本の目次
  • 勝負にカツ丼
  • 決断のピリ辛麻婆豆腐
  • カレー・リレー
  • 思い出のおいなりさん
  • レシピノートは永遠に
ひつじくん。
ひつじくん。
1話ずつ愛情が込められたご飯が出てくるのは、今までと同じだよ。

カツ丼、ピリ辛麻婆豆腐、カレー、おいなりさん。・・・どれもたっぷり愛情が込められていて美味しそう。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
「カレー・リレー」の章を読んで、カレーを作っちゃった。

でもストーリーはほろ苦・・・。前巻も苦味があとを引いたけど、最終巻はそれ以上でした。

楓の心残りと瑛太のその後

1番印象に残ったのは、瑛太のその後が描かれていたこと。

瑛太は『東京すみっこごはん4 楓の味噌汁』の「SUKIYAKI」に登場しました。お金がなくて高校進学を諦めた少年です。

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ひつじくん。
ひつじくん。
最終巻では一生懸命生きている彼の姿が眩しかった。

瑛太は昼間に働き、夜間の高校に通っていました。彼の姿を見た楓は救われたに違いありません。私も温かな気持ちになりました。

楓はずっと瑛太に囚われていたのですよね。

あの時、本当に進学を諦めるしかなかったのだろうか。私の力が足りないばかりに、掴みかけた手を再び離すことになってしまったんじゃないだろうか

自分の進路も決めかねていた楓。進学するべきか、それとも進学せずに「すみっこごはん」の運営に専念するか。

困っている人に手を差し伸べるだけではなく、最後まで支えられる人間でありたいという思いがあふれていました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
彼女の気持ちは尊重してあげたい。

でもまだ高校生だから・・・。瑛太の姿をみて、すみっこごはんの常連さんと接するうちに彼女は進学する道を選びます。

常連さんたちはみんな温かで。他人なのに、家族のように真剣に向き合ってくれる姿に、ほっこりしました。

祖父の生き様|最後まで自分の人生を生きる!

最終巻は楓と祖父の物語です。章の合間に祖父の視点での切ない思いが描かれていました。

すみっこごはんでカツ丼を作っているときに倒れた楓のおじいちゃんは半年の命・・・。でも楓に伝えないんですよね。

悔しいなあ。悔しくて、悔しくて、仕方がねえ

悔しい気持ちを抱えながら、明るく振る舞う姿が切なかったです。後半は楓も知ることになるけど、知ってからの祖父の生き様が輝いていました。

楓と会えるときにはたくさん笑って、たくさん話して、それから美しい家具をつくる。

ひつじくん。
ひつじくん。
おじいちゃんは家具職人だからね。

自分の人生を精いっぱい生きている姿が眩しくて、家具をつくっているときは生き生きしていました。

別れと旅立ち

別れと旅立ちが描かれた最終巻。楓の祖父は他界し、常連の柿本さん、丸山さん、田上さんまでも遠くへ行ってしまいます。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
楓には試練の連続だったね。

あまりにも突然に人が離れていくので、ちょっとやりすぎ感は否めないものの、ラストは良かったです。

お母さん、私も楽しむよ。おじいちゃんが椅子をつくっていた時みたいに、これからもずっと楽しんで生きていくよ

永久予約席の前に立って母に語りかける楓は、しっかりと祖父の生き様を見て学んでいました。

別れは辛いけど、すみっこ常連さんたちは明日への一歩を踏み出すための旅立ちだから・・・。出会いと別れを繰り返して人は成長していくのですよね。

愛情が込められたご飯は最強|思い出のおいなりさん

カツ丼、ピリ辛麻婆豆腐、カレー、おいなりさん。

最終巻もたくさんの料理が登場しました。その中で、柿本さんがかつて作った「おいなりさん」が印象に残っています。

渋柿のおいなりさんは、愛そのものだったんだよ

渋柿(柿本さん)の「おいなりさん」は愛そのもの? それを超えられない金子さんが語ったストーリーです。

柿本さんは、帰省した息子をまた送り出す母親みたいな気持ちで「おいなりさん」を作っていました。それが美味しいいなり寿司の秘密。

ひつじくん。
ひつじくん。
食べる人を思いながら作るご飯は最強!・・・おふくろの味だ。
ひだまりさん。
ひだまりさん。
食べる方も作り手の愛情を感じるから美味しくいただけるんだね。

「すみっこごはん」シリーズで登場するご飯は、どれも家庭料理に近い雰囲気です。レストランのような完璧なものではないけど、愛情がつまったおふくろの味。

今回もたっぷり愛を感じた物語でした。

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