『鳥』安房直子【教科書掲載】あらすじと感想文|一途な恋と素敵な秘密
- 安房直子さん『鳥』あらすじと感想
- 耳の中のひみつ
- 心に浸透する恋心
けっして聞いてはいけないひみつ。
安房直子さん『鳥』感想です。『鳥』は『きつねの窓』と同じく小学校の国語の教科書にのっていたお話。あらためて読んでみると授業で習ったときよりも一層好きになりました。
恋のお話だよ。
『鳥』簡単なあらすじ
彼のひみつ
ある日、耳のお医者さんの元に駆け込んできた一人の少女。少女の耳の中には、ある 「ひみつ」 が入ってしまったようなのです。
『鳥』感想文
懐かしい。安房さんの『鳥』をあらためて読みました。学生のころ読んで好きになった物語です。
これは恋のお話なんだね。
耳の中のひみつ
少女の耳にはいってしまった「ひみつ」。少女は聞いてはいけない話を聞いてしまいます。・・・それは好きになった男の子の「ひみつ」。
好きになった男の子は、鳥だったのです。
その「ひみつ」を日が沈むまでに忘れないと、人間の姿をした男の子は鳥に戻ってしまう。少女は恋をしていました。
恋は切ないものだね。胸がキュンとする。
心に浸透する恋心|『鳥』のイメージカラーは青
安房直子さんの童話には、よく恋のお話がでてきます。
甘く切ない恋や、美しく残酷な恋、一途な恋。それは色で例えるなら淡く甘いピンクや、夕日が沈む瞬間のオレンジ、澄み渡る青と言ったところでしょうか。
安房さんの物語は、いつも「色」を感じるんですよね。『鳥』は「青」を感じました。
空の澄み渡る青だよ。
果てがない空のように、好きな気持ちにも果てがない。少女の一途な想いに胸をうたれました。まだ幼かった頃の人を好きになった気持ちを思い出します。
お医者さんの診察
耳の中に広がった安房直子さんの不思議な世界。目を閉じると私にも海と砂浜が見えてくるようでした。そしてそこには1羽の鳥がいる。
お医者さんは少女の耳に入った「ひみつ」を取り逃すのだけど、もう一つの素敵な「ひみつ」に気づくのです。
少女もカモメなんだということ。
嬉しくなりました。物語は少女に素敵な「ひみつ」を伝える前に終わってしまうんです。でも目を閉じると、青い空に仲良く飛んでいる2羽のカモメが思い浮かびました。
素敵な物語だったよ。