【安房直子】絵本・童話おすすめ|教科書掲載&切なくてほっこりする作品
安房直子おすすめ絵本&童話
安房直子(あわなおこ)さんの童話が好きです。ほっこりするものや、切なくて物悲しさがのこるもの、ちょっぴり怖いもの・・・。
私がよんだ童話の中から、とても好き&印象強く残った物語をピックアップしました。
- 教科書の名作
- ほっこりと癒やされる幻想的な異世界
- ちょっぴり怖い異世界
- 切なくて物悲しさが残る作品
安房さんが描く異世界に憧れる。
【心にのこる教科書の名作】安房直子の絵本&童話
まずは、学校の教科書に掲載されていた物語を3つ紹介します。今現在は掲載されていないかもしれないけど、間違いなく心にのこる名作。
教科書で安房さんの物語に初めてふれた人、多いんじゃないかな。
『きつねの窓』
指で窓を作ると?
山で道に迷った男は、キツネの「そめもの ききょうや」にたどり着く。指をききょうの花で青色にそめてもらい、その指で窓をつくってみたら・・・。
『きつねの窓』は、私が初めてよんだ安房さんの作品です。だから思い入れが強いんですよね。ききょうの花で染めた指で窓をつくってみたら・・・。
不思議なことがおこるんだ。
安房さんが描く不思議は、どこか懐かしく心がほんのりと温かくなります。私も指を青くそめてもらいたくなりました。
『鳥』
不思議な恋の物語
ある日、耳のお医者さんの元に駆け込んできた一人の少女。少女の耳の中には、ある「ひみつ」が入ってしまったようで・・・。
耳の中に広がった不思議な世界。『鳥』は、ひとりの少女が恋をするお話です。一途な想いに胸を打たれ、幼かった頃に人を好きになった気持ちを思い出しました。
心が温まったよ。
『鳥』からは、果てしない「空の青」を感じました。目を閉じると私にも海と砂浜が見えてくる。安房さんの世界に引き込まれます。
『初雪のふる日』
ちょっぴり怖い異世界
少女が石けりをして遊んでいた秋の終わりの日。雪が降り始めたと思ったら、後ろから不思議な声が聞こえてきました。
『初雪のふる日』は、小さな女の子が異世界に連れて行かれそうになる物語。ちょっぴり怖さもあってインパクトが強いお話です。
うさぎの白は、雪の白。片足、両足、とんとんとん。
うさぎの言葉は、楽しさとともにヒヤリともしました。異世界へ行ってみたいような、でも戻って来れなかったらと思うと・・・。
【ほっこりと癒やされる】安房直子の絵本&童話|幻想的な異世界
続きまして、安房直子さんの絵本&童話より、ほっこりと癒やされる物語です。思わず行ってみたい(体験したい)憧れの異世界が描かれた作品をご紹介。
幻想的な世界に行ってみたくなった。
『空にうかんだエレベーター』
8つの短編集
子ども服のショーウィンドウに飾られた可愛いうさぎ。ともちゃんは、このうさぎが大好きでした。ある日、ショーウィンドウを見ていると、うさぎの声が聞こえてきたのです。
『空にうかんだエレベーター』は、ほっこりと癒やされるお話。文庫本『夢の果て』に収められている1話です。エレベーターという身近にあるものを幻想的なものに変えてしまう。安房さんの世界観が素敵なんですよね。
きっとそこから見える景色は素晴らしいんだろうな。
私も空にうかぶエレベーターに乗りたくなりました。ウサギさんと一緒に・・・。
『夕日の国』
なわとび飛んだら夕日の国へ
なわとび50回とんだら、夕日の国が見えてきて、70回で夕日の国に行ける。そして100回で、こっちの世界に戻って来れる。咲子が言っていた通りに、なわとびを飛んでみたら・・・。
短編集『風と木の歌』に収められている『夕日の国』は、ちょっぴり哀愁を感じる物語です。縄跳びをすると夕日の国が見えてくる。50回で夕日の国が見えて、70回で夕日の国に行けて、100回飛んだら戻ってこれる。
夕日の国にはラクダがいるんだよね。
でもラクダはいつもひとりぼっち。オレンジ色に染まった砂漠の世界が、幻想的で美しく感じます。
【ちょっぴり怖い】安房直子の絵本&童話|ヒヤリとする異世界
安房直子さんの絵本や童話の中には、ちょっぴり怖くてヒヤリとする物語もあります。憧れるんだけど、異世界に行ったままになるとか・・・。
ヒヤリとするけど、怖さが魅力でもある作品をピックアップしたよ。
『ハンカチの上の花畑』
不思議な小人の世界
良夫さんが、おばあさんから預かった古い壺。その中には小人の家族が住んでいました。1枚のハンカチの上にくりひろげられる小人の世界。
安房さんの作品の中では1番ゾッとした『ハンカチの上の花畑』は、小人の世界が描かれています。1枚の魔法のハンカチの上でくり広げられる幻想世界。憧れるけど、ちょっぴり怖いんですよね。
私が今いる世界は、誰かが見おろしている世界かもしれない・・・。
怖くて不思議で憧れを抱いてしまう魅力がある世界でした。
『夢の果て』
夢の果てにいるのは・・・?
あるところに、とても美しい目をした娘がいました。彼女はやっと13歳でしたが、大人に褒められるたびに、誰が見ても自分は美しいんだと思うようになりました。ところが、ある日のこと。彼女は電車の中で これまで見たことがないほど素敵な目の人に出会ったのです。
表題作『夢の果て』は、異世界に飲まれてしまう少女を描いた物語です。安房さんの作品では、ちょっぴり怖い方のストーリー。
でもとても好きな1話なんだ。
はじめて読んだとき、「青いアイシャドウ」 がとても魅力的なアイテムに感じたのを覚えています。今でも青いアイシャドウをつけると『夢の果て』を思い出すくらいに・・・。インパクトある物語でした
ちなみに『夢の果て』はこちらにも収められています。
【切なさがあとをひく】安房直子の絵本&童話
最後は、切なさがあとをひく安房直子さんの絵本と童話です。読後に物悲しさがただようけど、それが美しく感じるのも魅力なんですよね。
安房さんの物語、ほんと好きだなと思う。
『ひめねずみとガラスのストーブ』
大人には行けない世界
暖かいガラスのストーブを手にいれた風の子・フー。やがて、そこに ひめねずみがやってきて・・・。
大人には行けない世界、というものがあります。行けないからこそ憧れる世界が『ひめねずみとガラスのストーブ』に描かれていました。
切なくなったけど、温かな気持ちにもなるよ。
安房直子さんが描く世界は、子どもが見ることの出来るネバーランドやドラクエの妖精たちに似通ったところがありますね。・・・憧れます。
『みどりのスキップ』
みみずくの恋物語
だれかすきな子はいますか?あこがれの子はいますか?みみずくは、であってしまいました。あの子に。つたわらなくたって、いいのです。わらわれたって、いいのです。みみずくはきめたのです。あの子をまもるって。トット、トット、トット、トット。そんなとき、きこえてきたのは不思議な音でした。
『みどりのスキップ』は、みみずくの恋を描いた物語です。出会ってしまったんですよね、あの子に。切なさと淋しさ、儚さを感じたストーリーです。
一途なミミズクが愛おしくなった。
未来がすぐそこにあるのに、心をどこかに置き忘れてきたような寂しさが心に染みました。
『だれも知らない時間』
だれも知らない秘密の時間
ある時、漁師の良太は 200年も生きている大きなカメに時間をわけてもらいます。1日に1時間ずつ。その時間で彼がやったのは・・・。
『だれも知らない時間』はちょっぴり切ない物語。自己犠牲の愛が描かれています。しんみりと心に響きました。
秘密の時間はとても魅力的だけどね。
みんなの本当の幸いのために自分を犠牲にして、他人の幸せをねがう精神は真似ができません。切なくて美しい余韻がのこるお話でした。
【安房直子】おすすめ絵本&童話まとめ
安房直子さんのおすすめ絵本&童話でした。切なくてほっこりするもの、憧れの異世界・・・。安房さんが描く物語は美しくて哀愁がありますね。
- 『きつねの窓』
- 『鳥』
- 『初雪のふる日』
- 『空にうかんだエレベーター』
- 『夕日の国』
- 『ハンカチの上の花畑』
- 『夢の果て』
- 『ひめねずみとガラスのストーブ』
- 『みどりのスキップ』
- 『だれも知らない時間』
ぜひ読んでみて。