【短編小説】おすすめ|ミステリーからファンタジー・童話まで面白かった本を厳選
サクッと読める短編集
短編小説のなかから面白くてハマったものを集めました。短時間でよめるので、通勤などのスキマ時間にもおすすめです。
- ミステリー&ホラーファンタジー
- 切なくてほっこり&ショートショート
- 大人にもおすすめ児童文学&童話
すぐ読めて、心に残る物語を集めたよ。
ミステリーやファンタジー、大人にもおすすめ童話の中から面白かった本を厳選しました。
ミステリー&ホラーファンタジー|サクッと読める短編集
まずは、ミステリー&ホラーファンタジーでおすすめをピックアップ。好きすぎて何度もよんでいる小説です。
ぜひ読んでみて。
『三月は深き紅の淵を』恩田陸|「待っている人々」
4つの短編集
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話・・・。
恩田陸さんの『三月は深き紅の淵を』は幻の本をめぐるミステリー。どのお話も 「三月は深き紅の淵を」 という幻の本が出てくるんです。一番初めの「待っている人々」がとても好き。
本を読むことが肯定されている雰囲気が良いよ。
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本・・・っていうのも謎めいていて惹きつけられました。
『怪笑小説』東野圭吾|「超たぬき理論」
ちょっとブラックな短編集
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!
東野圭吾さんの短編集『怪笑小説』より、「超たぬき理論」がすごい。めちゃめちゃな展開になるんだけど、辻褄があっていて面白いんです。タヌキに情熱を捧げた1人の男の物語。
東野さんは天才だ。
くだらないけど笑えるストーリーは面白すぎました。
『夜市』恒川光太郎|「夜市」と「風の古道」
哀愁ある中編2つ
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。
恒川光太郎さんの短編集『夜市』は、表題作「夜市」と「風の古道」中編2つです。どちらもホラーよりのファンタジーで、世界観が美しく魅了されました。哀愁あるラストの余韻が半端なく良いんですよね。
ジブリアニメの世界観に通じるものがあるよ。
好きすぎて、紙の本、Kindle版、Audible版と3つ持っています。これは絶対に読んだほうが良い小説。
『夢みる葦笛』上田早夕里|「プテロス」
10つの短編集
しくも宝石のごとく魅力を放つ珠玉の傑作短編集。人工知性、地下都市、パラレルワールド、人の夢―。想像を超える全10編を収録。
上田早夕里さん『夢みる葦笛』は、10編すべてが素晴らしかったです。SF、ホラー、ファンタジー、パラレルワールド・・・など、すべてが味わえるのも魅力。
中でも「プテロス」がめちゃめちゃ良かったです。地球ではない宇宙のどこか。異星生物・飛翔体 (プテロス) と、それを研究する人間の物語。
表紙のイラストは「プテロス」の世界観を描いているみたいだね。
切なくてほっこり&ショートショート|スキマ時間におすすめ短編集
続きまして、切なくてほっこりする短編と星新一さんのショートショートをご紹介。スキマ時間におすすめです。
どれも読みやすい本だよ。
『つめたいよるに』江國香織|「デューク」と「ねぎを刻む」
珠玉の21編
デュークが死んだ。わたしのデュークが死んでしまった―。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬のデュークが死んだ翌日乗った電車で、わたしはハンサムな男の子に巡り合った…。出会いと分れの不思議な一日を綴った「デューク」。コンビニでバイトする大学生のクリスマスイブを描いた「とくべつな早朝」。デビュー作「桃子」を含む21の短編集。
江國香織さん『つめたいよるに』の中の「デューク」と「ねぎを刻む」が印象に残る物語でした。
「デューク」はペットロスに陥った女性の物語で、何度よんでも泣かずにはいられません。「ねぎを刻む」は孤独に陥った女性の物語で、共感せずにはいられませんでした。
2つとも心に響くよ。
『100万分の1回のねこ』|「幕間」川上弘美
13つの短編集
1977年に刊行された佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集。人気作家13人による短編小説や詩のアンソロジー。江國香織、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎。
『100万分の1回のねこ』は、絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集です。13人の作家さんが描いた物語はどれも絶品でした。なかでも川上弘美さん「幕間」が面白い。
国民的人気ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエストⅤ」の世界が描かれてるよ。
ドラクエⅤの世界で目覚めたのは、佐野洋子さんの絵本「100万回生きたねこ」のトラ猫でした。ドラクエのシーンが頭の中を駆けめぐってテンションあがります。
『きまぐれロボット』星新一
傑作ショートショート集
裕福なエヌ氏は 便利なロボットを連れて別荘にでかけた。でもそのうちロボットは おかしな行動をし始めて・・・。
星新一さん『きまぐれロボット』は、夢と優しさを感じるショートショート集です。31の物語が描かれていました。ほんの数分で読めて、しっかりオチもついているのが素晴らしい。
サクッと読めて楽しいお話ばかりだよ。
通勤や通学などのスキマ時間に読むのも良いですね。年齢を問わず楽しめるショートショートです。
心に響く児童文学&童話|大人にもおすすめ
最後は大人にもおすすめ童話を集めました。童話というと子どもが読むものと思いがちだけど、歳を重ねたからこそ心に響く作品です。
想像が広がるよ。
『星の王子さま』サン=テグジュペリ
一度は読んでおきたい本
砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった・・・。
サン=テグジュペリ『星の王子さま』は、老若男女すべての人におすすめの一冊。一輪の薔薇を育てる王子さまを通して、「ほんとうに大切なもの」が何なのかを考えたくなる本です。
ほんとうに大切なものって、目に見えないんだ。
一度よんで、また年齢を重ねたときにもう一度よみたい物語。王子さまが可愛らしくて微笑ましくなりました。
『風と木の歌』安房直子|「きつねの窓」と「夕日の国」
8つの童話集
ききょう畑のそめもの屋で、指をそめてもらったぼく。こぎつねのいうとおりに、指で窓をつくるともう二度とあえないと思っていた女の子の姿が見えたのです。「きつねの窓」「さんしょっ子」「鳥」「空色のゆりいす」「夕日の国」など珠玉の短編8編。
安房直子さん『風と木の歌』は、不思議な世界が楽しめる短編集。小学校の教科書に掲載された「きつねの窓」や「鳥」もおさめられています。
「きつねの窓」と「夕日の国」が好き。
2つとも、ちょっぴり切なくてほっこりと癒やされる物語。教科書で初めて安房さんの物語にふれて、歳を重ねた今も彼女が描く異世界に憧れます。
「きつねの窓」は絵本も出版されていて、そちらもおすすめ。
『夢の果て』安房直子
17の短編集
あるところに、とても美しい目をした娘がいました。彼女はやっと13歳でしたが、大人に褒められるたびに、誰が見ても自分は美しいんだと思うようになりました。ところが、ある日のこと。彼女は電車の中で これまで見たことがないほど素敵な目の人に出会ったのです。
安房直子さん『夢の果て』は17の短編集。表題作「夢の果て」は不思議で少し残酷な物語です。子どもの頃にはじめて読んだとき印象強く心にのこりました。
青いアイシャドウがとても魅力的なアイテムに思えたよ。
比喩とともに描かれた色彩「青」が魅力的に感じた1話。・・・安房さんの物語をよむと、青色が好きになるんですよね。
【サクッと読める短編小説】まとめ
ミステリーからファンタジー、童話まで面白かった短編小説を紹介しました。紹介した本はこちらです。
- 『三月は深き紅の淵を』
- 『怪笑小説』
- 『夜市』
- 『夢みる葦笛』
- 『つめたいよるに』
- 『100万分の1回のねこ』
- 『きまぐれロボット』
- 『星の王子さま』
- 『風と木の歌』
- 『夢の果て』
ぜひスキマ時間に・・・。