『超たぬき理論』怪笑小説あらすじ・ネタバレ感想文|タヌキに情熱を捧げた男|東野圭吾
- 『超たぬき理論』(怪笑小説より) あらすじと感想文
- くだらないけど笑える
- 超能力説と文福茶釜
- UFO説
- 常識が覆される瞬間
- バカに出来ない理論
少しだけネタバレあります。
UFOは文福茶釜!?
東野圭吾さんの短編『超たぬき理論』(怪笑小説より) 感想です。怪笑小説の中で大好きな一話。面白くてクスッと笑えるんですよね。
タヌキに情熱を捧げた1人の男の物語です。
面白すぎる。
『超たぬき理論』あらすじ
東野圭吾さん、短編集!
「タヌキには超能力がある!UFOの正体は文福茶釜である!」という説に命をかける男の話。
『超たぬき理論』ネタバレ感想文
『超たぬき理論』は、東野さん天才!と思わずにはいられない物語でした。
辻褄が合うのがすごいんだ。
くだらないけど笑える『超たぬき理論』
くだらないけど笑えるんですよね。タヌキが空を飛んだり最後にはUFO=タヌキになったりします。
・・・えっ!? たぬきが空を飛ぶわけがないでしょ。何でUFOがタヌキなの!?
常識的に考えれば、そんなことはありえないよね。
でもこの物語を読んでいると、超能力説やユーフォー説はナシではないかも・・・と思ってしまう。バカバカしいけど、その一言で終われない面白さがありました。
超能力説と文福茶釜
田舎で動物と出会った主人公・空山一平。冷蔵庫の陰に隠れていて姿は見えないけど、彼はタヌキに違いないと思い込みます。その動物は空を飛んで逃げてしまいました。
たぬきは何にでも化ける→きっと空を飛ぶ何かに化けたに違いない!
あくまでタヌキだと思い込んでいる一平の中では、「たぬき=空を飛ぶ」成り立ってしまうのです。
ずいぶん都合の良い仮説だけど、思い込みって恐ろしい。
そして、一平の心を捉えたのは文福茶釜の物語でした。文福茶釜の綱渡りです。
空を飛ぶたぬきとイメージが近いと思った一平は、ある結論に達します。
タヌキには超能力がある!
ええっ!?・・・笑ってしまいました。なぜ、そうなる?彼の暴走はまだ始まったばかりなんですよね。ここからすごい展開になっていきます。
UFO説
空を飛ぶ説を考えた一平は、ふと思います。空を飛ぶタヌキを目撃した人、もっといてもいいのに・・・と。そしてある事に思い至るのです。
目撃はされていたけど、それが狸だとは分からなかっただけ。
出ました、UFO説です!アダムスキー型UFOは、文福茶釜にそっくりではないか。
間違いない。UFOは文福茶釜だ!
すごいこじつけのような気もするけど(笑)彼は至って自信満々なんだ。
常識が覆される瞬間
一平のこじつけは、まだまだ止まりません。思わず、ぷっと笑ってしまったものがありました。常識が覆される瞬間です。
「TURNING COON」(旋回するアライグマ) を早口で発音すると・・・、「タヌキ」に限りなく近い!!
UFOは「旋回」や「回転」をする。英語で「TURN」。狸は英語で「RACOON DOG」。「RACOON」とはアライグマの意味で、単に「COON」ともいう。
バカバカしいけど妙に説得力があるんですよね。そんなバズはないのに、あながち間違っていないかも・・・と思ってしまう。
UFOって文福茶釜なの?東野圭吾さんって、すごいなぁ。
まだまだ超理論は続きます。全部書くと長くなってしまうので、この辺で止めておきますね。
バカに出来ない『超たぬき理論』
『超たぬき理論』は、東野圭吾さんの手腕と発想力を存分に感じた作品でした。
この理論は一見くだらないのです。でもちゃんと筋が通っている。・・・ここまでこじつけた(?)東野圭吾さんに頭が下がりました。
最後は、主人公が田舎で出会った動物が明らかになるかもしれません。
この短編すごい。