- 星新一さんのショートショート『きまぐれロボット』あらすじと感想
- 『ネコ』あらすじと感想
- 『きまぐれロボット』のオチ
思いっきりネタバレ (オチ) あります。
シャープでスリリング、優しさに満ちたショートショート。
星新一さんのショートショート『きまぐれロボット』感想です。久しぶりに読みました。学校の教科書などにも掲載されていて 大人が読んでも面白く楽しめますよね!
もくじ
『きまぐれロボット』 あらすじ
驚きとユーモア溢れるショートショート。
裕福なエヌ氏は 便利なロボットを連れて別荘にでかけた。でもそのうちロボットは おかしな行動をし始めて・・・。
夢と優しさがつまったショートショート
『きまぐれロボット』は ほんの数分で読めてしっかりオチもついている。夢と優しさがつまっていました。
私が手に取ったのは 表題作「きまぐれロボット」を含めた31話からなるものです。
ロボットはもちろんのこと、フロル星人、キル星人、ミーラ星人、カード星人などの宇宙人まで登場しちゃいます。そして素晴らしい発明品の数々。宇宙と未来を想像できる楽しいお話がたくさん詰まっていました。
その中から2つ 「きまぐれロボット」 と 「ネコ」 のレビューを書いています。
表題作 「きまぐれロボット」 感想
まずはコチラ、表題作 「きまぐれロボット」 のレビューです。
優秀なロボット

1つ目は、表題作「きまぐれロボット」
お金持ちのエヌ氏がロボットを連れて別荘に行くお話です。
小さい頃に読んだのですがうろ覚えだったので、こんなお話だったのかとびっくりしました。エヌ氏が連れていったのは、何でもできる優秀なロボットです。
一家に一台ほしいかも。人工知能が進んでいるというニュースを見ますが、星さんが描く未来の物語もそう遠くはないのかな。今読むと 少しだけ身近に感じることができます。
このお話もそうですが「あったら良いな」「楽しいな」という発明が描かれていてワクワクします。
なんかおかしいぞ?
充実した毎日を送っていたエヌ氏でしたが、2日ほどするとロボットが動かなくなってしまいました。
あれれ? 故障かな? 首をかしげるエヌ氏。そのうちにロボットは突然あばれだしたり、追いかけてきたり・・・。
ある意味、このロボットはとても優秀だったんです。どうしてかというと・・・、オチはまた後で。
「ネコ」 感想
2つ目のレビューは「ネコ」です。
幸せな猫とカード星人

「ネコ」 にはカード星人がでてきます。
郊外の林の奥の家に 猫と暮らすエス氏。とても可愛がり大切に育てていました。どんな食べ物が好きなのかを研究して、毎日それをつくって食べさせたり、ちょっとでも元気をなくすとあわてて医者を呼びよせる。
私はペットを飼ったことはありませんが、もし一緒に暮らしていたらエス氏のように可愛がるかもしれません。
そこへカード星人がやってきます。
前から見るとトランプのクラブに見える。横から見るとスペードに似ている。上から見るとハートに見える。足あとは・・・ダイヤの形?
面白いです。ついどんな形なのか想像してしまいました。クラブにスペードにハートにダイヤ。・・・だから「カード星人」なんですね。
様々な星を調査している宇宙人。エス氏は彼を見て気を失ってしまいますが、猫は平然として宇宙人に言い放つんです。
驚いてばかりだと、支配者の地位はたもてないと。
地球を支配しているのは・・・!?
このお話が好きな理由
驚きとユーモアが感じられるからです。ネコは自分こそが支配者だと思っているんです!!人間ではなくて。
ペットを可愛がるエス氏。でも視点を少し変えてみると 猫が人間を支配しているように見えてしまうから面白い。案外これがペットの本音だったりして・・・。
パンチの効いた「きまぐれロボット」のオチ
「きまぐれロボット」のオチ
ロボットは壊れていたわけではなく、何でもやってあげるとエヌ氏がダメになるから適度に彼を鍛えてくれていたようです。
思わずなるほどと唸ってしまいました。ある意味、優秀すぎるくらい優秀。・・・エヌ氏にしてみれば煮えきらないけど、パンチの効いたオチでした。
怠けグセがある私には耳が痛いです。人工知能の研究が進んでいる今だからこそ警告のように感じてしまいました。
便利になるのは大歓迎だけど、それによって人はもしかしたら何も出来なくなっていくのかもしれませんね。



他にもあります
