『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』ネタバレ感想文・小説あらすじ|人類に栄光あれ!
- 『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』あらすじと感想文
- 「ヨルハ─Ver.1.05」
- 「静カスギル海」
ネタバレあります。ゲームの内容にもふれますので、ご注意ください。
もしも記憶が全部消えたら、違う自分になるのかな?
映島巡(監修・ヨコオタロウ)さんの小説『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』読書感想です。ゲームのノベライズ版、中・短編集を読みました。
すっかりニーアオートマタにハマった。
本編のスピンオフ・ストーリーや、サブクエストなどが描かれていて面白かったです。ニーアオートマタは奥が深いですね。
先日よんだゲーム本編を描いた「長イ話」もめちゃめちゃ良くて。ゲームが逸品なんです。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』あらすじ
「NieR:Automata」中・短編集
アンドロイドが人類の栄光を夢見る遙か昔から、魔法実験兵器は転がり続ける。著者:映島巡&監修:ヨコオタロウで再び贈る「プレイステーション4」ゲーム「NieR:Automata(ニアオートマタ)」中・短編小説集。新規書き下ろし中編2編を含む“短イ話”の結晶体!
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』ゲーム&好きなストーリー
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』は、ゲームノベライズ中・短編小説集です。
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ゲームをやらないと楽しめないかも・・・だけど、ハマる人はドハマりしますね(←私のように)。ゲームについては『NieR:Automata 長イ話』レビューにて、魅力を少しだけ語っています。
中・短編集の中で特に好きなストーリーは4つありました。
- 「ヨルハ─Ver.1.05」・・・真珠湾降下作戦ストーリー
- 「記憶ノ檻」と「記憶ノ棘」・・・2Bと9Sの悲しき宿命
- 「静カスギル海」・・・バックアップサーバーを管理する10H
その中から「ヨルハ─Ver.1.05」「静カスギル海」2つのレビューです。「記憶ノ檻」と「記憶ノ棘」も入れるはずだったのだけど、長くなったので分けました。
「記憶ノ檻」と「記憶ノ棘」のレビューも書いたよ。
「ヨルハ─Ver.1.05」ネタバレ感想文|A2とアネモネの過去、真珠湾降下作戦
「ヨルハ─Ver.1.05」は2号(A2)とアネモネの過去、真珠湾降下作戦ストーリーです。
2号とアネモネの心情が描かれていたのが目を引きました。・・・実はこの一話を読む前に舞台『音楽劇ヨルハ』を見て、コミック『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』を読んでいるんですよね。
同じストーリーだけど、ちょっとずつ違うところがあって楽しめた。
人間のような感情を持つアンドロイド|弱気な隊長アタッカー2号(A2)
地球を侵略しているエイリアンと機械生命体を殲滅する使命を持ったヨルハ部隊。黒ずくめで黒いゴーグルをした彼女たちは新型アンドロイドです。
アンドロイドといっても、人間のような容姿で感情もあるんだ。
2号のことばが心に残りました。
「どうして、私達には悲しいなんて気持ちがあるんでしょう?アンドロイドなのに」
感情がなければ、2号もゲーム本編のキャラ・2Bや9Sも、こんなに苦しむことはなかったかもしれませんね。
でもアンドロイドたちに感情があるからこそ、この物語は面白いんです。アンドロイドたちの気持ちが想像できるから。
主人公の2号は後のA2です。
弱気な2号が変わったのは、真珠湾降下作戦がきっかけですね。仲間が機械生命体に殺され、ヨルハ部隊の真実を知った彼女の絶望感は半端ない・・・。
機械生命体を殲滅する。すべてを破壊する。誰にも邪魔はさせない。邪魔する者は殺す。それが誰であっても
痛々しいけど、これはA2っぽい。
ヨルハ部隊は始めっから廃棄すること前提だった・・・。予めストーリーを知っていても闇すぎます。それを機械生命体の赤い少女から知らされるのだから切なくなりました。
過去と記憶|もしも、記憶が全部消えたら?
人間のように作られたアンドロイドは感情もあるし、死ぬのが怖いという思いも抱いています。でも彼女たちは人類のために戦うことを目的とした存在。
「生きることとはどういうことか」を問うているのが印象に残りました。
「もしも記憶が全部消えたら、違う自分になるのかな?記憶を失って違う自分になったら、それって、生き続けてるって言えるのかな?」
アンドロイドたちは、死んでも(壊れても)違う義体で復活できたりするんです。ただし、コアが破壊されてない&バンカー(本部)にデータがあれば(もしくは転送できれば)だけど。
記憶が全部消えたら、違う自分になるのか。それは、生き続けてるって言えるのか。
自分をカタチ作っているのは、過去に経験したことや記憶だったりしますね。それが全て無くなってしまうと、たとえ姿形は同じでも違う自分という気がします。
生き続けているというより、生かされている・・・というような感覚になるかも。
「静カスギル海」ネタバレ感想文|10Hの日常と宿命
「静カスギル海」は施設を管理する10Hが描かれている一話でした。
ダークだけど、このストーリーも好きなんだ。
深海層にあるとされている施設。万が一の事態に備えたバックアップサーバーです。それの管理を任されているのが10Hとポッドたちでした。
「暇ですなぁ」チェスの駒を動かしながら、10Hはあくびをした
あまりにも暇すぎてチェスをする10Hとポッドの描写にほっこりします。『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』短編だから、やはり闇の部分があるんですけどね。
深海にあるとされていた施設は、実は月にあったのです。しかも人類はもういない―。
ゲームを3周していると、人類がとうの昔に滅びていることは明かされていますね。でも10Hには知らされていなかった・・・。
人類会議なんて、もう存在してなかったんだ。それって、つまり……人類は、もういない? そういうこと?
ダークなのは、そのことに気づいても、また記憶を消されて任務に戻ること。
10Hもまた9Sと同じく輪廻の宿命から逃れられないのですね。のんびりとした日常と、どこか哀愁を感じる一話でした。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』は、哀愁を感じる物語集
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)短イ話』は、感情がゆれうごく一冊でした。
「人類に、栄光あれ!」とは、人類を尊重するアンドロイドたちの合言葉のようなものです。人類はもう、いないにもかかわらず・・・。
それなのに、ただひたすら人類に尽くすアンドロイドたちをみていると、哀愁を感じずにはいられません。
どこまでも闇を感じる。そこにハマっちゃうんだけどね。
BGMは、ぜひこちらで!
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