『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』小説ネタバレ感想文・あらすじ|2Bと9Sの運命&ヨルハ計画の真実
- 『NieR:Automata 長イ話』あらすじと感想文
- 『NieR:Automata』ゲーム魅力
- 2Bの気持ち
- 壊れていく9S
- A2の過去「真珠湾降下作戦」
- ヨルハ計画の真実
- Eエンド、希望の結末
ネタバレあります。ゲーム本編の内容にもふれますので未プレイの方はご注意ください。
どうして……いつも、こんな
映島巡(監修・ヨコオタロウ)さんの小説『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』読書感想です。ゲームにハマり、ノベライズ版を読みました。
ゲーム『NieR:Automata』が頭の中をかけめぐり、映像がよみがえってくる小説。
もう一度、あの世界を追体験できた。
これは良いですね。キャラの心情を理解できる。2Bや9Sに感情移入しました。ただゲームをプレイしてから読んだほうがよいかも。
小説版はA→Eエンドまでが描かれているよ。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』あらすじ
ゲーム・ノベライズ版
アンドロイドが人類の栄光を夢見るとき、機械生命体はヒトのユメを見るか?映島巡、ヨコオタロウで贈るPS4ゲーム『NieR: Automata(ニーア オートマタ)』長編ノベライズ。ゲーム本編裏側のエピソードを語りながら、各キャラクターの知られざる心情を浮きぼりにする!
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』魅力|どんなゲーム?
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』はPlayStation4で発売されたRPG(ロールプレイング・ゲーム)。発売元はスクウェア・エニックスです。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』の前に『NieR Replicant(ニーアレプリカント)』などがあるのだけど、オートマタだけでも楽しめます!(←私はオートマタだけプレイ)
これがめちゃめちゃ良くてハマりました。小説の感想の前に、ゲーム本編の魅力を少しだけ・・・。
- 廃墟好きにはたまらない崩壊した未来都市
- サウンドが素晴らしい
- 絶望感はんぱない周回ストーリー
- スタイリッシュでストレスを感じないバトル
世界観&音楽がとても良いんです。崩壊した建物や砂漠化した土地、水没した都市など、寂しさと美しさを感じました。少し切ない感じの音楽が世界観にピッタリで◎
私は音楽から入ったんだよね。バトルもスタイリッシュ!
ストレスを感じないバトルや哀愁感じる音楽に輪をかけて素晴らしいのは、絶望感はんぱないストーリー展開。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』にはエンディングがいくつも用意されています(A〜Zエンド)。3周してようやく真実が理解できるというミステリー仕立て。
正直、3周なんてかったるい・・・と思ったけど、ドハマりしてあっという間の3周クリアでした。しかもゲームで号泣です。
小説を読むとキャラの心情がわかるよ。
真実を知った時点で心情はだいたい想像できたのだけど、文字にされたものを読むのは感慨深いものがありました。
2Bや9Sが、あのとき、あのシーンで何を思っていたのか。
前置きが長くなりました。ここから本題、小説の感想です。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』ネタバレ感想文|2Bと9Sの悲しい運命
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』は、ゲーム本編をなぞったストーリー。A→Eエンドまでが描かれています。
ゲームをやっていれば目新しさはないけど、映像が浮かんできました。ふたたび、あのストーリーを追体験できる。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』主要人物は3人。2B(トゥービー)、9S(ナインエス)、A2(エイトゥー)です。
彼女たちは人型アンドロイド。崩壊した地球で機械生命体と熾烈なバトルをくり広げるんだ。
2Bと9S、ふたりの悲しい運命に思いを馳せました。彼女と彼、いちばん気になる登場人物です。
ヨルハ部隊2Bと9S、2人の関係に思いを馳せる
ゲーム本編を3周クリアした人は知っていることだけど、3周しないと見えてこない真実がありました。2Bと9Sの真の関係です。
2Bと9Sは機械生命体と戦う相棒。9Sの方が彼女に懐いていて、冷静な2Bはお姉さんのような印象でした。仲が良くてお互いを信頼しているようにみえる2人。でも・・・、
9Sがヨルハ計画の真実に気づいたとき、2Bは速やかに処刑を行うE型モデル。正式名称は2E。
実は2Bは9Sの監視役だったんだ。
これまで何度となく処刑をくり返してきた2B。そして何度も処刑と記憶を消されていた9S。
この真実を知ったとき、ふたりの気持ちを想像せずにはいられませんでした。・・・というのは、2Bは苦しんでいた様子が見受けられて、9Sは彼女に異様な執着をみせるからです。
- 2Bはどんな気持ちで処刑を行っていたのか
- 9Sはなぜこんなにも2Bに執着するのか
ゲームだけでも想像はできるのだけど、小説を読むとより理解が深まりました。
ちなみに、『NieR:Automata 短イ話』(中・短編小説)にも2Bと9Sの宿命を描いたストーリーが展開されています。
その中の2つ「記憶ノ檻」「記憶ノ棘」を読むと、より切なさが増しました。
冷静な2B|どんな気持ちで処刑を行っていたのか
ゲームAエンドで、2Bがウィルスに感染した9Sを殺さなければならないとき、「いつも、こんな・・・」と泣きながら首をしめるシーンがあります。
このシーン、ほんとに切なくて泣きながらみていたのだけど。小説では2Bの言葉の続きが描かれていました。
「どうして……いつも、こんな……」
どうして、いつも、こんな終わり方になってしまうのか。何をどうやっても、9Sを殺すという運命から逃れられないのは、なぜなのか。これで何度目になるだろう。9Sを殺したのは
ほんとうは処刑などしたくないのです。本を読みながら泣いていました。
いつも冷静な2B。彼女は9Sに、アンドロイドが感情を持つのは禁止されている・・・ということをよく言っていました。
でも、これは2Bが自分自身に言い聞かせていた言葉なんだね。
9Sに情がうつらないように。処刑命令があってもなくても、最後は9Sを殺さなければならない結末が悲しさをさそいます。
あと何回、この悲しみに耐えなければならないのだろう? あと何回、9Sに「初めまして」と言われなければならないのだろう? あと何回、自分の心を偽り続けなければならないのだろう?
2Bは自分の心を偽りながら任務(9Sの処刑)を遂行していたのです。
9Sの愛称「ナインズ」とは呼ばない2B。かつては呼んでいたときもあったのかもしれませんね。
3周目の2Bの最期。彼をナインズと言って微笑んだ彼女の姿が、小説を読みながら映像でよみがえりました。
彼女の微笑みは、9Sを処刑する運命から開放された安堵感だったのか。ゲームでも小説でも印象強いシーンです。
このシーン、小説ではA2視点で描かれているよ。
その場でA2が髪を切ったのは、2Bへの手向けと、彼女の記憶を受けついだ証、そして2Bと同じ姿で生きていこうというA2の決意によるものでした。
壊れていく9S|なぜこんなにも2Bに執着するのか
2BがA2に殺されるところを目撃した9Sの心は壊れていきます。なぜこんなにも2Bに執着するのか。
9Sは2Bのことが好きだったのです。それも狂しいほどに。
家族に向けるようなものではなくて、ひとりの女性として2Bに愛情を抱いていました。独占欲や執着心といった、一歩間違えればストーカーのような感情を伴って・・・。
彼の憎しみは2Bを殺したA2に向けられます。2Bはウィルスに侵されていたから、A2がしたことは仕方ないことだったのだけど。
それでも私は9Sが嫌いになれない。
9Sは単独で行動することが多いモデルだから、2Bと一緒にいれて嬉しかったのですね。たとえ彼女が処刑を行うモデルで、そのことに9Sが薄々気づいていたとしても。
はじめは2Bに対して穏やかな愛情を抱いていたのかもしれません。でもいつしか、それが独占欲に変わっていく・・・。
A2に彼女が殺されてからの9Sは見ていて辛かったです。
自分の知らない2Bの記憶をA2は持っている。それが妬ましい。自分以外に2Bを知る者など消えてなくなればいい
A2に嫉妬しているかのような描写が描かれてた。
9SがA2に憎しみを抱いたのは2Bを殺したからだけど、A2に嫉妬する気持ちもあったのですね。
ラストの「塔」でたくさん現れた2Bの義体と戦うシーン。狂った9Sが描かれていてシュールです。
そう、2Bを壊していいのは僕だけだ。「一体残らず、粉々に、壊すッ!」全部、僕のモノだから。誰にも渡さない
ゲームをプレイしているときも、ゾワゾワっとしながら9Sを操作していました。
A2の辛い過去「真珠湾降下作戦」
ゲーム3周目ではA2を操作できるようになります。小説でも「Another Side A2」として、彼女視点での描写がありました。
後半は9Sから目の敵とされるA2。ヨルハ機体試作型、アタッカー2号です。
A2と2Bの素体は同じだから、顔がそっくりなんだ。
A2も好きなキャラのひとりです。彼女は2Bや9Sとは違って旧型アンドロイド。小説にチラッとA2の過去「真珠湾降下作戦」の下りがでてきました。
司令部は、最初から私達を見殺しにするつもりだったのだ。私達は「最後の一人が死ぬまで戦わせて、戦闘データを取る」のを目的とした実験部隊だったから
戦闘データを取るだけの実験部隊なんて酷すぎる。
「真珠湾降下作戦」については、過去のA2を主人公とした舞台『音楽劇ヨルハ Ver1.2』、コミック、小説『NieR:Automata 短イ話』でも描かれています。
2Bや9Sと出会ったときのA2は冷たい印象でした。でもほんとうの彼女は、とても優しい人物。2Bの思いを汲んで、9Sを救おうとするのだから。
ヨルハ計画の真実
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』はキャラが背負うものが過酷でダーク感はんぱないけど、その元になっているものが更に残酷なんです。
真実が徐々に明かされるから面白い。残酷ストーリーの一つに「ヨルハ計画」があります。
2Bや9Sなどのヨルハ部隊は、その計画を他のアンドロイドたちに信じ込ませるための存在です。ヨルハ計画でもっとも残酷なのは、
ヨルハ部隊は廃棄前提だったこと。
ヨルハ部隊はもちろん真実を知らないんだ。9Sは最後に気づくんだけどね。
機械生命体のウィルスがバンカーにまん延したのも計画どおりだったわけで。9Sの監視役だった2Bも廃棄前提だったなんて。まじか・・・w(°o°)w
ちなみに「ヨルハ計画」の立案者はジニアというアンドロイドです。こちらは小説『NieR:Automata 少年ヨルハ』の中の一話「少年ヨルハ Ver.1.05 プロローグ」に描かれているので、ぜひ。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』Eエンド|希望の結末
A→Eエンドまでが描かれた小説版『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』。
一番最後のEエンドだけは、ゲームでも希望を感じる結末となっていました。小説はというと・・・、
最後の一行に救われた!
これはゲームにはなかったものです。2B、9S好きは読んだほうがよいですね。救われます。
音楽を好きになり、ゲームをプレイし、舞台『音楽劇ヨルハ Ver1.2』『舞台少年ヨルハVer1.0』を見て、小説を読みました。
ちなみに『舞台少年ヨルハVer1.0』をみると2号と9号(オートマタでいうと2B、9S)の関係が宿命なのでは・・・と悲しさが増しました。2人を連想できる内容になっています。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』世界に浸れば浸るほどハマるね。
BGMは、ぜひこちらで!
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