『宇宙百貨活劇 (ペンシルロケット・オペラ)』あらすじと感想文|長野まゆみ
- 『宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ』あらすじと感想文
- ワクワクする幻想世界
- 仲良しライバルな双子
- ムーンドロップとマシュマロ入りショコラ
- 漢字とカタカナの日本語の美しさ
少しだけネタバレあります。
ファンタジックな短編集。
長野まゆみさんの小説『宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ』感想です。
双子 (ツイン) を主人公とした短編集+長野まゆみさんの言葉辞典も掲載されていました。
幻想的なファンタジー。
『宇宙百貨活劇 』あらすじ
不思議で幻想的な世界
双子のミケシュとロビンが織り成す、愛おしく美しい物語。ファンタジックな短編集。
『宇宙百貨活劇』ネタバレ感想文
とても私好みでした。ジャンルはファンタジーなのかな。
とにかく不思議で幻想的だったよ。
ワクワクする幻想世界
『宇宙百貨活劇 (ペンシルロケット・オペラ)』は一話ずつ完結しているから、目次のどこから読んでも楽しめる物語です。
宮沢賢治さん『銀河鉄道の夜』(アニメ映画版) を連想しました。
あの幻想的な雰囲気に似ているんですよね。リアルにありそうな “不思議” を感じてワクワクしてしまう。本の中ではそれが現実で・・・。
ふしぎな事が起きているのに、登場人物たちが平然としているから自然と受け入れられるんだ。
15話の短編 +「ことばのブリキ罐」が掲載されていました。特に好きなのは、「バターカップ教授」 と 「パペットの謝肉祭」、「サン・スゥシ通り」 です。
仲良しライバルな双子
主人公は双子の男の子、ミケシュとロビンです。主にミケシュの視点で進んでいきました。
彼らはどちらが兄でどちらが弟かということでもめるんです。・・・可愛くて微笑ましいですね。
どちらが兄で、どちらが弟か?
どっちでもいいじゃん・・・と思うけど、2人にとっては大問題。この話の結末が可愛くて好きです。
自分と同じ顔がもうひとりいるのだから、双子って特別な感じがする。
ミケシュもロビンもお互いをライバル視しているけど、本当は仲良しでかけがえのない存在。2人は強い絆で結ばれているんです。
ムーンドロップとマシュマロ入りショコラ
美味しそうな食べ物がでてきました。
“卵色のシフォン”、”蜂蜜を溶かしたムーンケーキ”、”ムーンドロップ”、”マシュマロ入りショコラ” など。
ムーンドロップが飲みたい。
子供のころ買ってもらったラムネを思い出しました。ガラス壜の中にビー玉が入っていて、飲むたびにカランと音がして。
ビー玉、どうやって入れたんだろうと不思議だったな。
マシュマロ入りショコラも美味しそうなんですよね。
前に読んだ『月の船でゆく』にも、ココレットというショコラと珈琲と牛乳を三等分にして温めた飲みものが描かれていていました。・・・こういうのに、ときめいてしまいます。
漢字とカタカナの日本語の美しさ
長野まゆみさんの本を読むと感じるのが日本語の美しさです。
ふだん見ない漢字や、カタカナ使いが素敵。それが不思議な世界観を生み出しているのかもしれません。
最後の方に掲載されている「ことばのブリキ罐」も読むのが楽しかったです。
長野さん自家製のことば辞典。数々の素敵なことばが並んでいて真似したくなります。
こういう、なんか気になる単語を集めたノートというのも面白そう。