面白くて一気読み!【2018】おすすめ小説&絵本
2018年に読んだ本の中で、特におすすめ小説を15冊、厳選しました。ミステリー、アート、ファンタジー、SF、ホラーとジャンル別に紹介。最後はホッコリ絵本も・・・。
もくじ
【ミステリー】泣ける!驚愕の5選
まずは、ひだまりさん。が大好きなジャンル、ミステリー部門から5冊です。
切なさ100%。泣けるミステリー小説
本当の罪人は誰か―。
テーマは 「いじめ」 と 「復讐」
小林由香さん『罪人が祈るとき』
重い内容ですが、切なくて涙が止まりませんでした。テーマは 「いじめ」 と 「復讐」 です。
ほんとうの罪人は誰か?
復讐を果たした彼? それとも罪に問われない彼ら? ・・・わからなくなりました。理性では割り切れない気持ちがわきあがります。
小林由香さんの本は、デビュー作もおすすめです。

感情が揺さぶられる!
少女はなぜ、死刑囚になったのか。
早見和真さん『イノセント・デイズ』
放火殺人事件で死刑が確定した雪乃。彼女は本当に犯人なのか? 彼女の人生に思いを馳せてしまいました。・・・切なすぎました。
自分のことを認めてくれること、誰かに必要とされること。それがとても幸せなことだと実感した1冊です。
ラストに驚愕!
最凶の 「どんでん返し」!
圧巻の法廷シーン!
どんでん返しの帝王・中山七里さん『悪徳の輪舞曲 (ロンド)』
悪辣弁護士・御子柴礼司 (みこしばれいじ) シリーズ4作目です。このシリーズが大好きで欠かさず読んでいます。いつも冷静な御子柴が、今回ばかりは戸惑っているのが新鮮でした。人間味を感じました。
犯罪が犯罪を呼び、連鎖していく・・・。怖いです。ほんとうに、毎回毎回、いろいろと考えてしまいます。
ドラマ化された医療サスペンス
孤高の天才外科医 VS 新任エリート医師
海堂尊さん『ブラックペアン 1988』
ドラマ化されて、二宮さんが主演で渡海さんを演じていました。ドラマも見ましたが原作と違っていて、ちょっぴり不完全燃焼。原作本はとても面白いです。
高階さん (小泉孝太郎さんが演じていた) 、悪役みたいな感じになってましたが、全然違います!←ここ、強調。
『ブラックペアン』は、『チーム・バチスタ』の前日譚 (20年前) のお話。高階さんは、高階ゴンタ (後の院長) です。バチスタの登場人物とリンクしていてテンション上がりました!
過酷な将棋界 × ミステリー
情熱と狂気は紙一重
ある種の狂気を感じました。
柚月裕子さん『盤上の向日葵』
これは面白かったです。過酷な将棋界にスポットをあてたミステリー小説。将棋わからなくても楽しめます。登場人物がみんなステキでした。・・・特に真剣師の東明のキャラが凄まじかったです。
人は 情熱をかけるほどのものがあれば強くなれる。・・・時としてそれは狂気にもなり得るのかもしれません。フィンセント・ファン・ゴッホが絵にかける情熱のように・・・。
向日葵の絵が印象的なゴッホを描いた小説。こちらもおすすめです。

【アート】もはや芸術な小説2選
アート小説・・・と言えば、原田マハさんです。
アンリ・ルソーを描いた『楽園のカンヴァス』、パブロ・ピカソを描いた『暗幕のゲルニカ』、フィンセント・ファン・ゴッホを描いた『たゆたえども沈まず』。どれも素晴らしかったです。
アート小説からは、ひだまりさん。が今年読んだ4つの短編集『ジヴェルニーの食卓』、そして森見登美彦さんの怪作をチョイスしました。
あの巨匠たちが蘇る、原田マハさんのアート小説
4つの短編集
「瞬間」 を描きとった画家たちの物語。
原田マハさん『ジヴェルニーの食卓』
マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ・・・。実話にもとづいたアート小説です。
原田マハさんが描くことばが好きです。美しく、言葉だけで絵画を鑑賞した気になる。そして画家さんが身近に感じられます。
彼らの鋭い視線にドキドキしました。空や水や光といった風景は一瞬限りのもので、ほんの少し目をそらせただけでも変わってしまう。その一瞬の景色を逃さずカンヴァスに描きとる画家たち。
知らずのうちに小説の世界へ!?森見登美彦さんの怪作
続きまして、最近よんだ森見登美彦さんの『熱帯』。アートのジャンルに入れちゃいましたが、これはもはや芸術でした。
本好きにおすすめ!
最後まで読んだ人がいない、幻の本をめぐる物語。
森見登美彦さん『熱帯』
夢中でよみました。幻の本を求めているうちに、知らず知らずに物語に足を踏み入れている不思議な感覚。それがとても心地よかったです。
1度よんだだけでは、物語を理解するのは難しい。でも、物語の世界にひたる幸せなひとときを存分に味わえた1冊です。
1冊の本をめぐるお話と言えば、こちらも大好きです。

【ファンタジー】&【SF】どこか懐かしの世界観3選
ファンタジーの中でも、ちょっぴりホラーなものが好きです。恒川光太郎さんの世界観はドンピシャでした。美しく哀しいホラーなファンタジーを2つ、SFからは乾くるみさんの本をご紹介します。
恒川光太郎さんのちょっぴりホラーな異世界
妖怪たちのフリマ!?
美しく哀しい余韻が後をひく。
恒川光太郎さん『夜市』
ピリッとした怖さと美しさを感じました。妖怪たちのフリマ 「夜市」 に迷い込んだら何かを買うまで出られない。再び訪れた裕司が買ったものとは・・・。
宮崎駿さんのアニメ映画を想像できるような、どこか懐かしい世界に憧れます。怖さと懐かしさと切なさを感じる物語。
同じく『夜市』に収められている 「風の古道」 も素敵でした。・・・むしろ、こっちの方が私好みです。

地球に現れた〈未知なるもの〉
もしも、理想の世界が人々の犠牲の上に成り立っていたら―。
恒川光太郎さん『滅びの園』
面白かったです。想念の世界で暮らしてみたい。犯罪もなければお金の価値観もない夢のようなところでした。恒川さんの世界観に圧倒されます。
でも、もしも、それが人々の犠牲の上に成り立っているとしたら・・・。後半にいくにつれて感じる恐怖。なんとも言えない気持ちになります。
世の中は常に誰かの犠牲があって成り立っている。ファンタジーだけど、どこかリアルな感じがするお話でした。
もしも過去に戻れたら?
SFから1つ。ちょっぴり怖いSF小説です。
運命を変えた10ヶ月
もしも10ヶ月前にもどれたら、あなたは何をする?
乾くるみさん『リピート』
ドラマ化もされました。でも原作の方がミステリー感が強く面白かったです。過去へ戻って人生をやり直す。・・・なんとも魅力的なお話です。10ヶ月で何ができるかな。
ラストは衝撃的な展開を迎えます。・・・結局、運命には逆らえないものなのかもしれません。
【ホラー】怖いけどクセになる小説3選
学生のときに読んだ新井素子さんの本を再読しました。1度読むと忘れられなくなる2作品。そして、村田沙耶香さんの本より1作品のご紹介です。
どハマりするかも?新井素子さんのホラー作品
最後に世界が一転する!?
本当に壊れていたのは誰か (何か) ?
新井素子さん『おしまいの日』
夫に依存する妻・三津子。精神が病んでいく彼女が可哀想にもなり、怖くもありました。
でも最後までよむと、壊れていたのは彼女だけではないのかもしれない・・・ということに気付くんです。頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。何とも煮え切らない読後感。
地球最後の1週間!? どう過ごす?
テーマは、”生きる意味” を様々な人たちを通して見つめ直すこと。
新井素子さん『ひとめあなたに・・・』
新井さんの小説の中でも、ダントツ群れを抜いて怖いと思う1冊です。1度よんだら忘れられません。怖いですがとても面白いです。
地球に隕石がぶつかる・・・というSF的な要素がありますが、これは紛れもなくホラーです。「あなたの為にチャイニーズスープ」 の章が衝撃的な怖さ。でも最後まで読むと、これは恋愛小説なのかも・・・とも思えました。
衝撃作!!あなたは地球星人?それとも・・・
常識を破壊する衝撃のラスト!
地球星人 VS ポハピピンポボピア星人
村田沙耶香さん『地球星人』
読み終わったあとに、すごい本を読んでしまった!と衝撃を受けました。SFだと思いきや、これはホラーです。特にラスト・・・。
『地球星人』は、自分を宇宙人だと思っている登場人物が描かれています。愛がなくてもうまくいっていた結婚生活が破綻するとき、哀しくなりました。・・・世の中や常識は、彼女たちを放っておいてくれない。常識って何なんだろうと思いました。
怖いけど、止められなくなるくらいハマった3冊でした。
【絵本】ほっこりする2選
最後にほっこりする絵本を2冊ご紹介します。
読書好きにおすすめ!憧れの本屋さん
本好きにおすすめの絵本
『あるかしら書店』
おすすめ
かんどう
ほっこり
せつなさ
Amazonで探す
こんな本屋さんに行ってみたい!
ヨシタケ シンスケさん『あるかしら書店』
楽しい絵本でした。本にまつわることがたくさん書いてあって、想像がふくらみます。
読書が好きな人、本が好きな人、そして想像することが好きな人におすすめの一冊。
シルヴァスタイン 学びの絵本
無償の愛に心が奪われる
『おおきな木』
おすすめ
かんどう
ほっこり
せつなさ
Amazonで探す
テーマは無償の愛です。
シルヴァスタイン『おおきな木』
とてもおすすめな絵本です。いつまでも変わらぬ愛をそそぎ続ける木と、身勝手な少年。男の子に変わらぬ愛を与え続ける木は、母のようでした。
少しのことばと、ほっこりするイラストが可愛いです。感じ方は人それぞれですが、きっと心に響くものがあるはず。学べる絵本です。
シルヴァスタインの絵本は、こちらも心に響くのでおすすめです。

まとめ
15冊ほど紹介しましたが、どれも甲乙つけがたいほど面白かった本です。ぜひ読んでみてください。