面白くて一気読み!【2018】徹夜本・おすすめ小説&絵本
2018年に読んだ本の中で、特におすすめ小説を15冊、厳選しました。ミステリー、アート、ファンタジー、SF、ホラーとジャンル別に紹介。最後はホッコリ絵本も・・・。
もくじ
【ミステリー小説】泣ける!驚愕の5選
まずは 大好きなジャンル、ミステリー部門から5冊です。
切なさ100%。泣けるミステリー小説
本当の罪人は誰か―。
子どもを亡くした父親と自殺を決意した少年―。同じ空を見上げたとき 2人はなにを祈るのか。涙なくしては読めない感動のラスト! 衝撃のデビュー作『ジャッジメント』に続く長編ミステリー。
テーマは 「いじめ」 と 「復讐」
小林由香さん『罪人が祈るとき』
重い内容ですが、切なくて涙が止まりませんでした。テーマは 「いじめ」 と 「復讐」 です。
ほんとうの罪人は誰か?
復讐を果たした彼? それとも罪に問われない彼ら? ・・・わからなくなりました。理性では割り切れない気持ちがわきあがります。
小林由香さんの本は デビュー作もおすすめです。

感情が揺さぶられる!
元恋人の家に火をつけ、妻と子供を殺めた罪で田中幸乃は死刑判決を受ける。なぜ彼女はそんな犯行に及んだのか? 辛い過去、彼女を慕う人々、切なさと優しさが交差する・・・。
少女はなぜ、死刑囚になったのか。
早見和真さん『イノセント・デイズ』
放火殺人事件で死刑が確定した雪乃。彼女は本当に犯人なのか? 彼女の人生に思いを馳せてしまいました。・・・切なすぎました。
自分のことを認めてくれること、誰かに必要とされること。それがとても幸せなことだと実感した1冊です。
ラストに驚愕!
最凶の 「どんでん返し」!
14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は 肉親とどう向き合うのか。そして母も殺人者なのか?
圧巻の法廷シーン!
どんでん返しの帝王・中山七里さん『悪徳の輪舞曲 (ロンド)』
悪辣弁護士・御子柴礼司 (みこしばれいじ) シリーズ4作目です。このシリーズが大好きで欠かさず読んでいます。いつも冷静な御子柴が、今回ばかりは戸惑っているのが新鮮でした。人間味を感じました。
犯罪が犯罪を呼び、連鎖していく・・・。怖いです。ほんとうに、毎回毎回 いろいろと考えてしまいます。
ドラマ化された医療サスペンス
1988年、東城大学外科教室の佐伯教授の元に送り込まれた帝華大の高階講師。彼が持ち込んだのは食道癌の手術を簡単に行える「スナイプ」 だった。
孤高の天才外科医 VS 新任エリート医師
海堂尊さん『ブラックペアン 1988』
ドラマ化されて、二宮さんが主演で渡海さんを演じていました。ドラマも見ましたが原作と違っていて、ちょっぴり不完全燃焼。原作本はとても面白いです。
高階さん (小泉孝太郎さんが演じていた) 、悪役みたいな感じになってましたが、全然違います!←ここ、強調。
『ブラックペアン』は、『チーム・バチスタ』の前日譚 (20年前) のお話。高階さんは、高階ゴンタ (後の院長) です。バチスタの登場人物とリンクしていてテンション上がりました!
過酷な将棋界 × ミステリー
情熱と狂気は紙一重
埼玉県の山の中で白骨死体が見つかった。傍らには将棋の駒。石破と佐野は捜査に乗り出す。やがて浮かぶ1人の男。彼は天才棋士だった・・・。
ある種の狂気を感じました。
柚月裕子さん『盤上の向日葵』
これは面白かったです。過酷な将棋界にスポットをあてたミステリー小説。将棋わからなくても楽しめます。登場人物がみんなステキでした。・・・特に真剣師の東明のキャラが凄まじかったです。
人は 情熱をかけるほどのものがあれば強くなれる。・・・時としてそれは狂気にもなり得るのかもしれません。フィンセント・ファン・ゴッホが絵にかける情熱のように・・・。
向日葵の絵が印象的なゴッホを描いた小説。こちらもおすすめです。

【アート小説】もはや芸術2選
アート小説と言えば、原田マハさんです。
アンリ・ルソーを描いた『楽園のカンヴァス』、パブロ・ピカソを描いた『暗幕のゲルニカ』、フィンセント・ファン・ゴッホを描いた『たゆたえども沈まず』。どれも素晴らしかったです。
アート小説からは 4つの短編集『ジヴェルニーの食卓』、森見登美彦さんの怪作をチョイスしました。
あの巨匠たちが蘇る、原田マハさんのアート小説
4つの短編集
マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ。新しい美を求め、時代を切り拓いた巨匠たちの人生が色鮮やかに蘇る。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、“読む美術館”。
「瞬間」 を描きとった画家たちの物語。
原田マハさん『ジヴェルニーの食卓』
マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ・・・。実話にもとづいたアート小説です。
原田マハさんが描くことばが好きです。美しく、言葉だけで絵画を鑑賞した気になる。そして画家さんが身近に感じられます。
彼らの鋭い視線にドキドキしました。空や水や光といった風景は一瞬限りのもので、ほんの少し目をそらせただけでも変わってしまう。その一瞬の景色を逃さずカンヴァスに描きとる画家たち。
知らずのうちに小説の世界へ!?森見登美彦さんの怪作
続きまして、最近よんだ森見登美彦さんの『熱帯』。アートのジャンルに入れちゃいましたが、これはもはや芸術でした。
本好きにおすすめ!
沈黙読書会で見かけた幻の本『熱帯』。誰も最後まで読んだことがないという、ふしぎな小説だった。謎を解き明かそうとする「学団」。森見登美彦さん、渾身の1冊!!
最後まで読んだ人がいない、幻の本をめぐる物語。
森見登美彦さん『熱帯』
夢中でよみました。幻の本を求めているうちに、知らず知らずに物語に足を踏み入れている不思議な感覚。それがとても心地よかったです。
1度よんだだけでは、物語を理解するのは難しい。でも、物語の世界にひたる幸せなひとときを存分に味わえた1冊です。
1冊の本をめぐるお話と言えば、こちらも大好きです。

【ファンタジー小説】&【SF小説】懐かしの世界観3選
ファンタジーの中でも ホラーなものが好きです。恒川光太郎さんの世界観はドンピシャでした。美しく哀しいホラーなファンタジーを2つ、SFからは乾くるみさんの本をご紹介します。
恒川光太郎さんのちょっぴりホラーな異世界
妖怪たちのフリマ!?
裕司から「夜市にいかないか」と誘われた大学生のいずみ。小学生のころに夜市を訪れた裕司は、弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。そのことをずっと後悔していた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたのだった―。
美しく哀しい余韻が後をひく。
恒川光太郎さん『夜市』
ピリッとした怖さと美しさを感じました。妖怪たちのフリマ 「夜市」 に迷い込んだら何かを買うまで出られない。再び訪れた裕司が買ったものとは・・・。
宮崎駿さんのアニメ映画を想像できるような、どこか懐かしい世界に憧れます。怖さと懐かしさと切なさを感じる物語。
同じく『夜市』に収められている 「風の古道」 も素敵でした。・・・むしろ、こっちの方が私好みです。

地球に現れた〈未知なるもの〉
ある日、とつぜん天空に現れた<未知なるもの>。世界で増殖する不定形生物プーニー。 抵抗値の低い者はプーニーを見るだけで倒れた。世界を救う作戦は、ただ一つ―。
もしも 理想の世界が人々の犠牲の上に成り立っていたら―。
恒川光太郎さん『滅びの園』
面白かったです。想念の世界で暮らしてみたい。犯罪もなければお金の価値観もない夢のようなところでした。恒川さんの世界観に圧倒されます。
でも それが人々の犠牲の上に成り立っているとしたら・・・。後半にいくにつれて感じる恐怖。なんとも言えない気持ちになります。
世の中は常に誰かの犠牲があって成り立っている。ファンタジーだけどリアルな感じがするお話でした。
もしも過去に戻れたら?
SFから1つ。ちょっぴり怖いSF小説です。
運命を変えた10ヶ月
始まりは 地震を予知した1本の電話だった。風間が指定した日時に、きっちり地震がおきたのだ。彼は 未来を知っていると言うが・・・。
もしも 10ヶ月前にもどれたら何をする?
乾くるみさん『リピート』
ドラマ化もされました。でも原作の方がミステリー感が強く面白かったです。過去へ戻って人生をやり直す。・・・なんとも魅力的なお話です。10ヶ月で何ができるかな。
ラストは衝撃的な展開を迎えます。・・・結局、運命には逆らえないものなのかもしれません。
【ホラー小説】怖いけどクセになる小説3選
学生のときに読んだ新井素子さんの本を再読しました。1度読むと忘れられなくなる2作品。そして、村田沙耶香さんの本より1作品のご紹介です。
どハマりするかも?新井素子さんのホラー作品
最後に世界が一転する!?
結婚7年目を迎えた三津子と忠春。幸せな日々を過ごしていた。仕事で忙しい忠春を心配する三津子だったが、少しずつ日常が狂い始めるのだった・・・。
本当に壊れていたのは誰か (何か) ?
新井素子さん『おしまいの日』
夫に依存する妻・三津子。精神が病んでいく彼女が可哀想にもなり、怖くもありました。
でも最後までよむと、壊れていたのは彼女だけではないのかもしれない・・・ということに気付くんです。頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。何とも煮え切らない読後感。
地球最後の1週間!? どう過ごす?
ある日、突然、恋人から別れを告げられた圭子。そして 「地球に隕石が衝突する」 という報道が流れた。圭子は彼に会いに 徒歩で練馬から鎌倉へ。道中、狂った様々な人たちと出会うのだった・・・。
テーマは、”生きる意味” を様々な人たちを通して見つめ直すこと。
新井素子さん『ひとめあなたに・・・』
新井さんの小説の中でも、ダントツ群れを抜いて怖いと思う1冊です。1度よんだら忘れられません。面白いです。
地球に隕石がぶつかる・・・というSF的な要素がありますが、紛れもなくホラーです。「あなたの為にチャイニーズスープ」 の章が衝撃的な怖さ。でも最後まで読むと、これは恋愛小説なのかも・・・とも思えました。
衝撃作!!あなたは地球星人?それとも・・・
常識を破壊する衝撃のラスト!
奈月は 地球星人が作りあげた世界に馴染めずにいた。ここでは 若い女は恋愛をするのが当たり前。それができない人は 恋に近い行為をやらされる。やがて彼女は結婚をするのだが・・・。
地球星人 VS ポハピピンポボピア星人
村田沙耶香さん『地球星人』
読み終わったあとに、すごい本を読んでしまった!と衝撃を受けました。SFだと思いきや、これはホラーです。特にラスト・・・。
『地球星人』は 自分を宇宙人だと思っている登場人物が描かれています。愛がなくてもうまくいっていた結婚生活が破綻するとき哀しくなりました。・・・世の中や常識は彼女たちを放っておいてくれない。常識って何なんだろうと思いました。
怖いけど止められなくなるくらいハマった3冊でした。
【絵本】ほっこりする2選
最後にほっこりする絵本を2冊ご紹介します。
読書好きにおすすめ!憧れの本屋さん
本好きにおすすめの絵本
お客さんの様々な要望に答える本屋さん。こんな本屋さんに行ってみたい! 絵本作家・ヨシタケシンスケが送るステキな書店。
こんな本屋さんに行ってみたい!
ヨシタケ シンスケさん『あるかしら書店』
楽しい絵本でした。本にまつわることがたくさん書いてあって、想像がふくらみます。
読書が好きな人、本が好きな人、そして想像することが好きな人におすすめの1冊。
シルヴァスタイン 学びの絵本
無償の愛に心が奪われる
少年の成長を健気に見守るおおきな木。子どものことを無条件で愛することのできる強さと優しさ。無償の愛を描いた絵本。
テーマは無償の愛です。
シルヴァスタイン『おおきな木』
とてもおすすめな絵本です。いつまでも変わらぬ愛をそそぎ続ける木と、身勝手な少年。男の子に変わらぬ愛を与え続ける木は 母のようでした。
少しのことばと、ほっこりするイラストが可愛いです。感じ方は人それぞれですが、きっと心に響くものがあるはず。学べる絵本です。
シルヴァスタインの絵本は、こちらも心に響くのでおすすめです。

徹夜本・おすすめ小説まとめ
15冊ほど紹介しましたが、どれも甲乙つけがたいほど面白かった本です。ぜひ読んでみてください。
- 『罪人が祈るとき』
- 『イノセント・デイズ』
- 『悪徳の輪舞曲 (ロンド)』
- 『ブラックペアン 1988』
- 『盤上の向日葵』
- 『ジヴェルニーの食卓』
- 『熱帯』
- 『夜市』
- 『滅びの園』
- 『リピート』
- 『おしまいの日』
- 『ひとめあなたに・・・』
- 『地球星人』
- 『あるかしら書店』
- 『おおきな木』
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