『リピート』あらすじ・ネタバレ感想文&結末|乾くるみ
- 『リピート』あらすじと感想文
- 『リピート』登場人物&キャスト
- もしも過去に戻れたら?
- カオス理論と「リピート」のリスク
- 悲劇と変わらぬ運命
- 『リピート』の魅力
少しだけネタバレあります。
もしも、過去に戻れるとしたら?
乾くるみさんの小説『リピート』感想文です。
『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』の要素を取り入れたSF・ミステリー。
ドラマ化もされましたね。映像も良かったけど、原作小説の方がミステリー感が強くて好きです。
面白くてドキドキだった。
『リピート』あらすじ
人生をやり直せるとしたら?
始まりは地震を予知した1本の電話だった。風間が指定した日時に、きっちり地震がおきたのだ。彼は未来を知っていると言うが・・・。
『リピート』登場人物&キャスト
主な登場人物(ドラマのキャスト)は以下のとおりです。
小説では篠崎さん以外は全員男だったけど、ドラマでは男女逆転してた。
地震を言い当てた風間により「リピート」の恩恵を受けることになる・・・。言いかえれば運命を狂わされる人たちです。
『リピート』ネタバレ感想文・魅力
面白さと意外な展開をみせる『リピート』。
読み出したら止まりません。過去に戻ることができる夢のような設定に、SF好きな私はひかれました。
過去に戻れるなんて、魅力だよね。
もしも、過去に戻れたら?
もしも10ヶ月前にもどれたら何をする?
仮に3年とか5年だったら人生の方向転換ができそうですね。10ヶ月前だと今とあまり変わらないような気がしました。戻れた分、得をするくらいかな。
10ヶ月っていうのが悩ましいところだけど、リピートできちゃうんだよね、この小説は。
過去に戻って優越感に浸っていたら、次々と仲間が死んでいく・・・。
彼らの悲劇が描かれています。初めて読んだときも、今回読んだときもミステリー展開にドキドキしました。
突然かかってきた、未来を予知する謎の男・風間からの電話。これが彼らの運命の分かれ道になるとは・・・。
次々と仲間が死んでいく恐怖
小説の面白さは、リピート後の衝撃的などんでん返しにあります。
もちろん「リピート」というSF要素も魅力的。ミステリーが加わり、ひと味違った物語になっていました。
リピート直後にトラックを運転していた高橋が亡くなります。突然意識が入れ替わるから、戻るときにどこで何をしていたのかが重要になってくるのかも・・・。
「リピート」というのは、言いかえれば「タイムリープ」です。
その後も次々と仲間が死んでいく。放火、自殺、殺人・・・。まさに『そして誰もいなくなった』ですね。
いったい何が起こっているの?
「時間」を扱った小説では、最近よんだ『タイムリープ』(高畑京一郎 著)も面白かったです。
他には筒井さん『時をかける少女』、北村さん『スキップ』なども。
『リピート』はこれらと違い、ミステリー感が存分に味わえるものになっていました。展開が気になり止まらなくなります。
カオス理論と「リピート」のリスク
人生をもう一度やり直すことは魅力的。でもひとたび違った行動をしてしまうと、未来が変わっていくリスクも描かれていました。
「リピート」の特権は、人生をやり直すことや未来を知っていることなんだけど。
その未来が自分の知っているものと変わってしまったら・・・?
例えば、事故にあう人を助けた場合。自分の身近な人であればあるほど未来は変わります。未来で起こる出来事も、その通りに行動しなければ自分の経験した未来とは全く別のものになる。
そういうのを「カオス理論」と言うのですね。
未来と同じ行動をするのなら「リピート」した意味がないような・・・。
悲劇と変わらぬ運命
リピートしたがために人生が狂った。
最初はそんな恐怖がありました。でも本当にそうなのでしょうか?後半、雲行きがあやしくなってきます。
先ほど「カオス理論」、予測が不可能ということに触れました。それでも大まかな歴史は変わらないというのが本書のキモです。
運命は運命のまま。
歴史は思った以上に頑丈にできていました。彼らが「リピート」しなかったとしても結果は同じだったのかもしれません。
頑固な歴史。運命には逆らえないものなのかな。
『リピート』衝撃的な結末|バッドエンド?
後半どんでん返しあり、しかもバッドエンドでした。
R9からR10の世界へリピートした彼らは、無事にR11の世界に行って人生をもう一度やり直せるのか?
このラスト、あと味悪いけど私は好きかも。・・・人生、ズルして生きてはダメ!!と言うことですね。
スリリングな結末だった。