『ぼくを探しに』絵本あらすじと感想文|欠けたカケラ|シルヴァスタイン
- 『ぼくを探しに』あらすじと感想文
- 欠けているもの
- 楽しい旅路
- 理想と現実
- もし丸かったら?
- 完璧じゃないからこそ見えるもの
少しだけネタバレあります。
絵本『ぼくを探しに』―the missing piece―
シルヴァスタイン(作)倉橋由美子(訳)
自分には何かが足りない。
絵本『ぼくを探しに』は 自分に欠けたものを探しに旅に出るお話です。
完璧じゃないからこそ分かる喜びがあることに気づきました。
なかなか深い絵本だよ。
『ぼくを探しに』あらすじ
完璧じゃないからこそ幸せ!
主人公「ぼく」は、自分の欠けたカケラを探しに旅に出る。道中さまざまなものに出会う。やがて 「ぼく」 は、欠片を見つけるが・・・。
『ぼくを探しに』感想文
欠けたままでも良いんだ!ということ。そして、欠けているからこそ楽しいこともあるということ。
自分の欠点が欠点ではなくなるかもしれません。『ぼくを探しに』は、ほっこりすると同時に学べる絵本でした。
そういえば以前よんだ絵本、とねさんの『なんにもできなかったとり』でも似たようなことを思ったっけ。
何をやっても完璧にできない鳥のお話。私も不器用なのでとても共感したよ。
欠けているもの
単純でシンプルな絵にほっこりします。
イラストを見た時に、ゲームの「パックマン」を思い出しました。あの黄色いやつ。迷路の中でお化けに追いかけられながらドットを食べるゲームです。
昔よくやっていたので懐かしい。
ゲームの話をしましたが、この絵本にはまったく関係がありません (笑) 。主人公の「ぼく」は欠けたカケラを探しにいきます。
本当はまんまるのはずの僕。だからパックマンのように欠けているんだね。
もしどこも欠けていなくて丸かったらスムーズにコロコロ転がっていけるのに・・・。僕は立ち止まりながらゆっくり転がっていきます。
楽しい旅路
旅の途中で様々なものと出会いました。
みみず、お花、カブト虫、蝶々・・・。楽しそうな様子に私もほっこり。
絵本の割にけっこうな厚さです。でも書いてある文字数が少ないから、すぐ読めちゃうんですよね。
イラストから楽しさが伝わってきて、この旅路の部分が一番好きだよ。
カブトムシを追い越したり追い越されたり。お花の甘い香りを嗅いだり。思わず微笑んでしまいました。丸くないから坂道とかを登ったり下ったりが大変そうです。
丸かったらこんなに苦労することなかったのかな?
理想と現実
不器用な私はつい夢をみてしまします。もし○○が完璧にできていたら・・・。
完璧な人ってそんなにいない。みんな理想と現実のギャップに悩みながら生きているんだよね。
欠けている何かを求めている。器用に理想どおりに何でもできたら素敵な毎日になるかも・・・。
少しでもそれに近づけるように努力することは、もちろん大切なことです。でも読み終わったときに気づいたことがありました。
欠けているからこそ楽しいこともあるということです。
もし丸かったら・・・?
「ぼく」は旅の終わりにカケラを見つけて、まん丸になります。でも完璧になって初めて気づくことがありました。
理想を求めて、でも失ってしまったものは大きかったのです。
もし自分がこの本の主人公だったら、丸い僕と欠けている僕、どちらを選ぶ?
私だったら欠けたままでいる方を選ぶかも。
この本の主人公がどうするのか、それは書きません。ぜひ手に取ってみてください。
『ぼくを探しに』完璧じゃないからこそ見えるもの
「きっと私は今幸せである」ということに気づいた。
理想とはぜんぜん違うけど、不器用な私だから感じることができる幸せってあると思うんです。それはほんの小さな小さな幸せなのかもしれません。
- 人から言われる「ありがとう」のひとこと
- 平和な仕事場
- 健康でいられること
- のんびりとした休日を送れること
何でもつつがなくこなせるようになれば良いなとも思うけど、もしかしたらそれによって自分の時間や余裕がなくなってしまうかもしれません。
頑張ることは大切。でも完璧でない自分も認めてあげよう。