【薬丸岳】おすすめミステリー小説|迷ったらコレを読もう!
- 薬丸岳さんのおすすめミステリー小説を厳選
- 薬丸岳さんの小説の魅力
司法制度を扱った小説といえば薬丸岳さん。少年法、刑法39条などのテーマを深く掘り下げた小説が逸品です。
重めテーマだけどサクサクと読めて止まらなくなるんですよね。オススメを厳選しました。
間違いなく面白い薬丸さんのミステリー小説を集めたよ。
まずはコレ!薬丸岳おすすめ小説
薬丸さんの小説の中で面白かったものを紹介。何を読むか迷ったら、まずはこちらを読みましょう。
- 『天使のナイフ』
- 『Aではない君と』
こちらの2作品は絶品です。少年法を扱っていて読み応えたっぷりでした。
法律の前では人は無力・・・。最後まで感情移入しっぱなしだったよ。
『天使のナイフ』
少年法に鋭く切りこんだ小説
生後5ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。犯行に及んだ3人は 13歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。4年後、犯人の1人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる・・・。
薬丸岳を語るなら、こちらは外せません。『天使のナイフ』です。少年法に鋭く切りこんだ本作は絶品でした。
少年法により守られて更生していなくても社会に出てくる彼ら。被害者のことを思うと理不尽な気持ちになりました。
映像化もされているよ。そちらも良かった。
『Aではない君と』
自分の子供が“少年A”になった
翼が逮捕された。吉永は息子の逮捕に衝撃を受ける。真相を探ろうとする父と何も語ろうとしない息子。やがて彼は、付添人制度というものがあると知り・・・。
もしも自分の子どもが「少年A」になってしまったら・・・。こちらも少年法が描かれています。
『天使のナイフ』と違うのは、『Aではない君と』は加害者側の親族をメインに描いている点です。
真実を知りたくても知ることが叶わない加害者の父親。その憔悴ぶりに胸を痛めずにはいられませんでした。
なんだか切なくなってくる。
犯罪は周りの人の心も殺してしまうんですよね。悩む父親の描写が痛々しかったです。
こちらも読もう!薬丸岳おすすめ小説
『天使のナイフ』と『Aではない君と』を読んだら、次はこちらもおすすめです。
『悪党』『友罪』『神の子』『虚夢』『告解』
『告解』は加害者本人が主人公のお話で、読み応えがあった。
『悪党』
心の叫びが止まらない!
探偵事務所で働いている佐伯修一は、ある老夫婦の依頼を受けることになる。息子を殺して社会に出てきた男の追跡調査だった。調査を進める佐伯だが、実は彼もまた姉を殺された犯罪被害者遺族だったのだ・・・。
様々な悪党がでてくる連作短編です。胸が苦しくなりました。犯罪者は何をもって罪を償ったと言えるのか。刑期を終えれば償ったことになるのか。
やり切れない思いでいっぱいになりました。重いけど、読みやすいのが薬丸さんの小説の良いところです。
誰かの大切なものを奪えば、いずれ自分も大切なものを失うことになる。
一生消えることのない重い十字架を背負って生きていくことになる・・・ということを実感した小説です。
『友罪』
友だちが凶悪犯罪者だったら?
寮付きの町工場で働き始めた益田純一は、同じ日に入社した鈴木秀人という男に出会う。ある日、益田は昔の恋人から14年前に起きた少年犯罪について話を聞かせてほしいと頼まれる。事件について調べるうちに、その犯人が同僚の鈴木ではないか?と疑念を抱きはじめ・・・。
もしも友だちが過去に凶悪犯罪を犯していたら?『友罪』はそれをテーマにしたお話です。
自分が主人公・益田の立場だったらどうだろうと想像しました。贖罪について考えたくなる小説ですね。
映画化もされているよ。
『神の子』
孤独な少年は救われるのか
逮捕されたIQ161の少年には戸籍がなかった―。自分の頭脳だけを頼りに生きてきた町田。収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、予想だにしなかったものとなった。彼に救いはあるのか。
『神の子』はミステリーであり、ヒューマンドラマのようでした。上下巻とボリューミーだけど面白かったです。
登場人物に味があるんですよね。特に主人公・町田のキャラが抜群です。18年間、戸籍もなく、ただひたすら本の知識を頼りにして生きてきたIQ161の少年。
本当は優しい心の持ち主なんだ。
多くの感情が描かれていて、感情移入しながら読んでいました。
『虚夢』
テーマは刑法第39条
通り魔事件によって三上孝一の娘の命が奪われた。だが犯人は心神喪失状態であったとされ、罪には問われることはなかった。その後 心に大きな傷を負い、三上は妻とも別れてしまう。事件から4年、元妻・佐和子からあの男を街で見たと告げられ・・・。
通り魔事件をおこした犯人が精神鑑定の結果、無罪になってしまう・・・。『虚夢』は刑法39条をテーマにしています。
被害者のことを思うとやり切れない。
『虚夢』では、統合失調症と診断された犯人も描かれていました。犯人の立場になって考えてみると、やはり刑法39条は必要かなとも感じます。・・・なかなか深みにハマる小説でした。
『告解』
自分が加害者になったら?
飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔―。失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役4年を超える実刑だった。一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い” を胸に翔太の出所を待ち続けていた。
加害者の翔太と被害者の夫・二三久を通して、罪と罰について考えたくなる小説です。もしも自分が加害者になってしまったら・・・と怖くなりました。
翔太を通して身近に起こり得る恐怖を感じたよ。
刑期を終えれば罪を償ったことになるのか。でも自分の罪が消えるわけではないし、やっぱり苦しみは続くのでしょうね。
ここが好き!薬丸小説の魅力
最後に薬丸さんの小説の魅力を簡単に・・・。
まずは少年法を扱った『天使のナイフ』や『Aではない君と』がおすすめです。読んでなければ読みましょう。
読み応えたっぷり。読むとハマるよ。