『虚夢』あらすじとネタバレ感想文|刑法39条、有罪と無罪の境目とは?|薬丸岳
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- 『虚夢』あらすじと感想文
- テーマ、刑法39条について
- 統合失調症とされた犯人について
少しだけネタバレあります。
有罪と無罪の境目とは。
薬丸岳さん『虚夢』感想です。やり切れない思いがあとを引くお話でした。
『虚夢』は刑法39条が描かれています。
![ひだまりさん。](https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2020/08/hidamari_s.jpg)
薬丸さんは、こういう法律をテーマにしたお話が上手いよね。
『虚夢』あらすじ
刑法三十九条をテーマにした物語
通り魔事件によって、三上孝一の娘の命が奪われた。だが、犯人は心神喪失状態であったとされ、罪には問われることはなかった。その後、心に大きな傷を負い、三上は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻・佐和子から、あの男を街で見たと告げられ・・・。
『虚夢』ネタバレ感想文
『虚夢』は、被害者家族が抱えた複雑な心が描かれています。
通り魔事件をおこした犯人が精神鑑定の結果、無罪になってしまう・・・。
最初から最後まで、いたたまれない感情と共に読んでいました。法律について考えずにはいられなくなりますね。
![ひだまりさん。](https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2020/08/hidamari_s.jpg)
けっこう深い小説だった。
テーマは刑法39条
『虚夢』は刑法三十九条をテーマにしています。
問われるのは責任能力の有無。
精神鑑定にかけられるのだけど、犯人は統合失調症と診断され無罪に・・・。犯行時は責任能力が無かったと判断されたのです。
![ひつじ。](https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2020/08/hituzi.jpg)
被害者家族にとっては、やりきれないね。
統合失調症と診断された犯人
娘を殺された三上の言葉が胸に刺さりました。
もし私が同じ立場になってしまったら・・・ということを考えずにはいられません。
『虚夢』では、統合失調症と診断された犯人も描かれています。犯人の立場になって考えてみると、やはり刑法三十九条は必要かなと思えたり。
![ひだまりさん。](https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2020/08/hidamari_n.jpg)
責任能力が欠如している犯人を罰しても、なぜ罰せられないといけないのかもわかっていなければ意味がないよね。
犯罪を未然に防ぐには、周りの人がいかに早く気づいてあげられるかにかかっているような気がします。
三上の元妻・佐和子も陥ってしまう統合失調症という病がキーワードになっていました。
幻覚や妄想、ひどくまとまりのない行動が見られ、 およそ100人に1人がかかると言われている病です。
三上が佐和子のことを想い、懸命に救おうとする姿に胸を打たれました。深くて重いながらも読みやすい物語です。
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