- 長野まゆみさんの小説『月の船でゆく』あらすじと感想
- 猫と人間が共存する不思議なファンタジー
- ティコの願い
- ココレット
パパを探しに月から来たティコ。
長野まゆみさん『月の船でゆく』感想です。父の日が近づくと思い出す物語。
『月の船でゆく』あらすじ
月からきたティコ。
ジャスが出会った不思議な少年・ティコ。彼は父親を探しに月から来たという。切なくも美しいファンタジー小説。
『月の船でゆく』感想
初めて読んだのは学生の頃でした。不思議な少年・ティコが家を出てしまった父親にプレゼントを渡そうとするお話。心温まるファンタジーです。
猫と人間が共存する不思議なファンタジー
主人公・ジャスは カフェ「夜猫」(イット) でティコに出会います。
父親を探しに月から来た少年・ティコ。
ジャスの彼女・パロマが貰い受ける猫の特徴と一致する少年でした。長野まゆみさんが描く言葉の表現はキレイで不思議な感じがします。この雰囲気が好きなんですよね。
『月の船でゆく』は 人間と猫が出てきます。
人間であるかのように描かれている猫たち。所々に描かれている挿絵も素敵でした。共存している感じが良いんです。この物語の重要なポイントは不思議な少年・ティコです。
答えが書いていないのが また想像をかき立てられる。・・・こういう雰囲気が好きです。
ティコの願い

冒頭に書かれている下りが素敵でした。
最後まで読むとちょっぴり切ないんですよね。子供が父親に感じる愛情が切なくまっすぐに描かれていて。
ティコはジャスに、昔パパがしてくれたように回転木馬に乗って手をふって欲しいと頼むんです。・・・キュンとしてしまいました。
ココレット
「ココレット」という飲みものがあります。
ショコラと珈琲と牛乳を三等分にして温めた飲みもの。
牛乳をショコラと珈琲の上へうまく浮かせれば、深緋と乳白のまじりあわない二層になるようです。
作ろうとためしてみたことがあるんです。・・・でも上手くいかず、二層にはならなかったです。また作ってみようかな。
最後にシルビィという女性によって、ある程度ティコの正体に行き着きます。ちょっぴり切ない。
正体なんてどうでも良くなってしまうほど心が温まりました。やっぱり不思議な少年でした。


