- 『鏡の花』あらすじと感想文
- 『もしも』の世界
- 後悔と深い哀しみ
- 今ある 「繋がり」
- 『シュタインズ・ゲート』について
少しだけネタバレあります。『シュタインズ・ゲート』にも触れますのでご注意ください。
呼応しあう6つの世界。
道尾秀介さんの小説『鏡の花』感想文です。道尾さんの本、久々に読みました。パラレルワールドを描いた美しく不思議なお話。
実はアニメ『シュタインズ・ゲート』にハマっています。それでこちらの本にも興味がわきました。
もくじ
『鏡の花』あらすじ・評価
美しく切ない6つの世界
ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。眩しく美しい光を放つ6つの世界。「もしも」 を描いた連作短編集。
『鏡の花』感想
「もしも」 の世界を描いた連作短編集。・・・これ、予備知識なく読んでいたら頭がこんがらがって、えっ!?となりそうですね。
こっちの物語では生きていて、別の物語では死んでいたり・・・。
パラレルワールドというとSF?と思いがちだけど、ファンタジーのような小説でした。SFとして読むと物足りない感はあります。最終章ではほっこり。
『もしも』の世界

ひとことで言うと
平行世界、パラレルワールドを描いた物語です。
1話では死んでる人が別の1話では生きている。悲しみの余韻が残りました。
特徴的なのは必ず誰かの死が描かれていることです。
もしも・・・だったなら
考えてもしょうがないことだけど、考えずにはいられない時ってありますね。きっと、今とは違う選択をした自分がいる世界が存在するんです。
後悔と深い哀しみ
6つの物語には5組の家族が登場しました。瀬下の息子が亡くなった世界線での彼の叫びが辛かったです。
いったいどうすればよかったのだろう。どこから間違えていたのだろう。自分たちはいつ、何に失敗したのだろう。
深い哀しみに包まれました。こっちの世界では息子が亡くなり、また別の世界では妻が亡くなる・・・。
全ての物語に共通して感じるのは、「死」 と 「後悔」。
今ある 「繋がり」 を大切に

これだけ 「死」 が描かれていると 「生」 がとても尊く感じます。
「生きていること」、「人との繋がり」。当たり前のように日常にあって、時には疎ましく感じることもある。でも、かけがえのないものです。
『鏡の花』の6つの物語はどれも喪失感があります。誰かが生きていれば、誰かが生きていない・・・というような。
タイムリープ、世界線移動を描いた『シュタインズ・ゲート』
道尾さんの『鏡の花』と『シュタインズ・ゲート』はまったく違うものです。でも『鏡の花』を読みながら『シュタインズ・ゲート』の世界が頭をよぎりました。
誰かを助ければ誰かが助からない。過去を変えても望み通りの未来になるとは限らない。
『シュタインズ・ゲート』はタイムリープものです。元はゲームソフト。ゲームはやらずにアニメを見ました。
こちらも様々な世界線 (パラレルワールド) が描かれています。・・・もっとも、ここで描かれている世界線はパラレルワールドとは別もの。世界は再構築されます。
- マユリがいないα世界線
- クリスがいないβ世界線
- マユリとクリスがいるシュタインズゲート世界線
過去を変えるとバタフライ効果により、その影響はとても大きなものになる。大切な人の 「死」 を通して悩む岡部倫太郎を見ていると切なくて涙が出てきました。
中二病のオカリンのキャラには面食らったけど、見ているうちに愛着がわくんですよね(笑)またあの彼に戻って欲しいと願ってしまう。
『鏡の花』を読んで『シュタインズゲート』を見て思うこと|まとめ
2つを見て感じたこと
「死」 を通して 「生」 の大切さを実感できること。
「もしも大切な人が生きていたら」 とは考えるけど、逆パターンはどうだろう。「もしも大切な人が死んでしまったら」 とは考えたくないものですよね。
『鏡の花』も『シュタゲ』も大切な人がいない世界が描かれています。登場人物の喪失感や後悔が直に伝わってきました。
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