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『世界から猫が消えたなら』読書感想文とあらすじ|失ってから気づく大切なこと|川村元気

この記事に書かれていること
  • 『世界から猫が消えたなら』あらすじと読書感想文
  • 消えていく思い出
  • 大切な物たち
  • 制限された時間
  • 父へ宛てた1冊の遺書

少しだけネタバレあります。

世界からモノが消えていく―

川村元気さんの小説『世界から猫が消えたなら』感想です。自分が生きるためにモノを消していく・・・。たぶん私も主人公と同じ決断をするのだろうと思います。

『世界から猫が消えたなら』は、自分のまわりにあるモノの大切さを実感できる物語でした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
なくなって初めて大切さに気づくのかもしれないね。

『世界から猫が消えたなら』あらすじ・評価

世界からモノが消えていく―

あらすじ

ある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告された僕。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた・・・。

『世界から猫が消えたなら』感想文 (ネタバレあり)

もしも私の周りから物が消えていったら・・・。

それは私の思い出をひとつずつ消していくことに他ならないのだと気づきました。

消えていく思い出

主人公の「僕」は脳腫瘍にかかり余命わずかという宣告を受けます。そして彼の前に現れたのは悪魔でした。

派手な服を着て、まるで僕のドッペルゲンガーのようにそっくりな悪魔。彼はアロハと名乗り、とても陽気でクスクス笑ってしまいました。

アロハは、ある取引を持ちかけます。

世界から何かを消す代わりに、寿命を1日伸ばしてあげる。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
1日いのちがのびるなら、私も何かを消してしまうのかも。

それも死の宣告を受けたあとだったら、なおさらですね。世界から物が消えていく。

電話、映画、時計・・・。

自分の命に比べれば一見なんともなさそうなモノたち。でも、この本を読んでいくと大切なことに気づくんです。

物を消すことによって大切な思い出を自ら消してしまっているということ。

大切な物たち

思い出の品って、なかなか捨てられませんね。普段は忘れていることでも、仕舞ってあるモノを見た途端に懐かしい思い出があふれてきます。

電話と映画。それらは彼にとって思い出のあるモノでした。なくなって初めてそのことに気づくのです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
私の隣にあるモノをひとつひとつ手にとってみた。

本、スマホ、チョコレート、紅茶、ドラクエ、ピアス・・・。

どれも何かしら見える風景があって感慨を抱きます。人との思い出だったり、私と長い時間を一緒に共有した物だったり・・・。

もし世界から消えてしまったらとても悲しいです。

制限された時間

もしも、世界から時計がきえたなら―。

朝起きてまず見るものは時計。仕事に行くのにもご飯を食べるのにも、寝るときにも常に時間を確認しています。1日24時間というルールがあるから安心して生活できるのかもしれません。

命にも制限があって、「僕」の制限時間は目前に迫っています。その時になって初めて気づく大事なことがありました。

時間が無制限にあると錯覚して大切なことを先延ばしにしていないだろうか?

心がチクっとしました。・・・食べたい物だけは、ちゃんと食べているような気がするけど。

母とキャベツの愛

最後に悪魔が消そうとするものは、タイトルにもなっている「猫」です。

主人公には一緒に暮らしている猫がいました。キャベツという名前のネコ。・・・途中、キャベツが喋りだしたりして面白かったです。

亡くなった母親が可愛がっていたキャベツ。彼にとっては父と母とのかけがえのない時間を一緒に共有してきた猫でした。そして思い出す母の優しさ。

「何かを得るためには、何かを失わなくてはね」

母の言葉が心に刺さりました。何かを得るためには必ず何かが犠牲になる。私の幸せは誰かの犠牲の上に成り立っているのかもしれません。

この物語は父や母の愛にあふれています。そして猫のキャベツの愛も。

ひつじくん。
ひつじくん。
主人公はどうするんだろうね。

『世界から猫が消えたなら』は 父へ宛てた一冊の遺書

最後まで読んで、『世界から猫が消えたなら』この一冊が、そのまま父親に宛てた遺書だったんだと思い至りました。

ちょっぴり可笑しくて、でも切なくて・・・。側にあるモノたちの大切さを改めて認識した小説でした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
これは泣けるわ。
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