スキマ時間におすすめ短編集|サクッと読めて面白い小説を厳選
おすすめ短編集
サクッと読めて面白かった短編集を集めました。ジャンルごとにわけて紹介しています。
- ほっこりする短編小説
- SF短編小説&ショートショート
- ミステリー短編小説
- ホラー短編小説
スキマ時間にもおすすめだよ。
ほっこりする短編小説|疲れたときにおすすめ
まずは読みやすくてほっこりする短編小説をご紹介します。
温かな思いを感じるよ。
『つめたいよるに』江國香織
珠玉の21編
デュークが死んだ。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬のデュークが死んだ翌日乗った電車で、わたしはハンサムな男の子に巡り合った・・・。出会いと分れの不思議な一日を綴った「デューク」を含む珠玉の21編。
短編集『つめたいよるに』の中の 「デューク」 と 「ねぎを刻む」 がイチオシです。江國さんの言葉は あっさりしているようで深い。ほんの少しの孤独と温かさが心に染みました。
「デューク」 泣ける。
『ジャイロスコープ』伊坂幸太郎
ユーモアあふれる伊坂ワールド
助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件の“もし、あの時…”を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。
7つの短編集。おすすめは 「浜田青年ホントスカ」、「if」、「一人では無理がある」 です。個性豊かな伊坂ワールドを思う存分味わえました。読みやすいのでサクサク読めます。
「本当っすか」 が口癖の浜田青年、良い味だしてた。
『ジヴェルニーの食卓』原田マハ
時代を切り開いた画家たち
マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ。新しい美を求め、時代を切り拓いた巨匠たちの人生が色鮮やかに蘇る。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、“読む美術館”。
モネ、マティス、ドガ、セザンヌ・・・。画家たちを描いた4つの短編集。原田さんのアート小説は、読むだけで絵画鑑賞した気になれます。時代を切り開いた画家たちの半生を描いた小説。画家たちの視線が熱くて心に染みました。
4つどれも好き。
『100万分の1回のねこ』
トリビュート短編集
佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集。人気作家13人、江國香織、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎による短編や詩のアンソロジー。
佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』に捧げるトリビュート短編集です。13人の作家さんが描く13の物語。それぞれの作家さんの短編を1冊で楽しめます。
ドラクエを元にした川上弘美さんの 「幕間」 が新鮮で面白かった。
読後は佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』を読みたくなりました。
童話集『風と木の歌』安房直子
8つの童話集
ききょう畑のそめもの屋で、指をそめてもらったぼく。こぎつねのいうとおりに、指で窓をつくるともう二度とあえないと思っていた女の子の姿が見えたのです。教科書でおなじみの「きつねの窓」ほか「さんしょっ子」「鳥」「空色のゆりいす」「夕日の国」など珠玉の短編8編。
安房直子さんの童話集です。「きつねの窓」 「さんしょっ子」 「鳥」 「空色のゆりいす」 「夕日の国」 など8つの物語。安房さんが描く不思議な世界が魅力です。
安房さん好きにはおすすめ。
桔梗の花で指を染めてもらう 「きつねの窓」 は今でも大好きなお話です。「夕日の国」 も憧れます。
SF短編小説&ショートショート|スキマ時間におすすめ
続いて紹介するのは、上田早夕里さんのハイレベルなSF短編小説、星新一さんのショートショートです。
ショートショートはスキマ時間にも良いね。
『夢みる葦笛』上田早夕里
SF10編の短編集
妖しくも宝石のごとく魅力を放つ珠玉の傑作短編集。人工知性、地下都市、パラレルワールド、人の夢―。想像を超える全10編を収録。
1冊でSF、ホラー、ファンタジー、パラレルワールドの全てが味わえる10編の短編集。全ての世界観が完璧で圧倒されました。どれもクォリティー高いです。中でも本の表紙で描かれている世界の1話 「プテロス」 が絶品。
『夢みる葦笛』を読んで、上田早夕里さんの小説が好きになったよ。
『きまぐれロボット』星新一
ユーモア溢れるショートショート
裕福なエヌ氏は 便利なロボットを連れて別荘にでかけた。でもそのうちロボットは おかしな行動をし始めて・・・。
教科書にも掲載された 「きまぐれロボット」 を含むショートショート短編集です。ユーモアいっぱいでクスッと笑ってしまう面白い話ばかりでした。スキマ時間におすすめ。
しっかりオチがあるのが良いんだよね。
星新一さんが描く近未来はリアリティがあってじっくり読んでしまいます。
『ノックの音が』星新一
15編のショート・ショート
「ノックの音がした。」で始まる15編のショート・ショート。ドアの向こうに待っているのは・・・?
同じく星新一さんのショートショート、15編の短編集です。濃縮された面白さがぎっしり詰まっていました。全て「ノックの音がした。」で始まるのが新鮮です。次は誰がドアの向こうに現れるのかとワクワクしました。
ドアの向こうにあるのは・・・?
『なめらかな世界と、その敵』伴名練
斬新なSF世界観
いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作。未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など全6篇。
6つのSF短編集。表題作 「なめらかな世界と、その敵」 と 「ひかりより速く、ゆるやかに」 が良かったです。どちらも青春ストーリーで読みやすい。そして世界観に圧倒されました。
斬新で面白かった。
ミステリー短編小説|ドキドキしたい時におすすめ
ミステリーからは、恩田陸さん、辻村深月さん、東野圭吾さん、柚月裕子さんの小説を1冊ずつ選びました。
どれもオススメ。
『三月は深き紅の淵を』恩田陸
幻の本をめぐるミステリー
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話・・・。
幻の本『三月は深き紅の淵を』をめぐるミステリー、4つの短編集です。たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本。それを読んでみたくなる魅力がありました。本好きという空気感も良いです。
読書好きにおすすめの1冊。
『鍵のない夢を見る』辻村深月
転落していく女たち
どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親・・・。彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集。
直木賞受賞作、5つの短編集です。夢を叶えるために魔がさしてしまう瞬間を描いた物語。全てにおいて後味が悪いけど、最後まで読まずにはいられない。不思議な魅力がありました。女性心理が上手くて共感してしまいます。
リアル感があって心に刺さる。さすが辻村さん。
『怪笑小説』東野圭吾
9つの短編集
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」・・・。9つの傑作短篇集。
9つの短編集。ちょっとブラックで、怖くて、何ともおかしい人間たちが満載でした。おすすめは 「超たぬき理論」。くだらないけど笑えます。「あるジーサンに線香を」 も切なくて面白かったです。
これは読む価値あり。
『検事の信義』柚月裕子
佐方貞人シリーズ4
佐方貞人、検事時代の4つの短編集。認知症の母親を殺害して逮捕された息子・昌平の裁判を担当することになった検事・佐方貞人。遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱く。(「信義を守る」 より)
佐方貞人、検事時代の4つの短編集です。一事不再理、内部告発、裏取引・・・。内容が濃くて短編だけど読み応えがありました。このシリーズの魅力は主人公の佐方貞人にあります。
とことん、真実を追求する彼がカッコ良いんだよね。
上川隆也さんが演じているドラマも好きです。イメージ、ぴったりでした。
ホラー短編小説|ヒヤリとしたい時におすすめ
最後にホラー小説。美しい世界観が魅力、恒川光太郎さんの短編集から3冊、めちゃくちゃ怖かった米澤穂信さんの小説をご紹介します。
哀愁ある感じが良いんだ。
『白昼夢の森の少女』恒川光太郎
ダークファンタジー短編集
人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは―。(表題作「白昼夢の森の少女」より) ダークファンタジー10の短編集。
ダークファンタジー10の短編集。表題作 「白昼夢の森の少女」 をはじめ、「銀の船」 「布団窟」 「夕闇地蔵」 は異世界感が強かったです。恒川ワールドを存分に楽しめた1冊でした。
「銀の船」、めちゃくちゃ好き。
大人になって信じなくなったことや目に見えないものが、もしかしたら存在しているのではないかと思えてしまいます。
『秋の牢獄』恒川光太郎
この日に終わりはあるのか―?
11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその日を何度もくり返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び11月7日が始まるのだった。このくり返しに終わりは来るのか。
3つの短編集。表題作 「秋の牢獄」 は時間がループするSFでした。他に 「神家没落」、「幻は夜に成長する」 があります。3つどれも牢獄がテーマのお話。ちょっぴり怖いけど行ってみたくなる世界観が心地よかったです。
美しくて残酷な世界にハマる。
『夜市』恒川光太郎
今宵、「夜市」が開かれる
裕司から「夜市にいかないか」と誘われた大学生のいずみ。小学生のころに夜市を訪れた裕司は、弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。そのことをずっと後悔していた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたのだった―。
表題作 「夜市」 と 「風の古道」 の2編。切なくて美しい世界観に魅了されます。ホラーだけどファンタジーのような不思議なお話でした。宮崎駿さんのジブリ映画に似た雰囲気を味わえます。
『千と千尋の神隠し』や『となりのトトロ』を連想したよ。
「夜市」 も 「風の古道」 も絶品です。まだ読んでなければ、ぜひ読んでほしい1冊。
『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信
米澤流暗黒ミステリー
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の2日前、丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、4年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な5つの事件。
5つの短編集です。ミステリーというよりホラーでした。・・・怖くて震えました。5つの物語すべてにリンクしているのが、「バベルの会」 という大学の読書サークル。
読書サークルなんて素敵!と思っていたら、最後に衝撃が・・・。
おすすめ短編集まとめ
サクッと読めるスキマ時間におすすめ短編集でした。どれも面白かったのでぜひ。
- 『つめたいよるに』江國香織
- 『ジャイロスコープ』伊坂幸太郎
- 『ジヴェルニーの食卓』原田マハ
- 『100万分の1回のねこ』
- 『風と木の歌』安房直子
- 『夢みる葦笛』上田早夕里
- 『きまぐれロボット』星新一
- 『ノックの音が』星新一
- 『なめらかな世界と、その敵』伴名練
- 『三月は深き紅の淵を』恩田陸
- 『鍵のない夢を見る』辻村深月
- 『怪笑小説』東野圭吾
- 『検事の信義』柚月裕子
- 『白昼夢の森の少女』恒川光太郎
- 『秋の牢獄』恒川光太郎
- 『夜市』恒川光太郎
- 『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信