【面白くて夢中になれる小説】おすすめ|2022年に読んだ本
面白くて夢中になれる小説
2022年に読んだ本の中から、面白くて夢中になった小説をご紹介します。
- ミステリー小説
- SF・ファンタジー小説
- ゲームノベライズ
続きが気になって止まらなくなったもの、世界観が素晴らしくて没入できたもの・・・などをピックアップしました。ぜひ読書の参考にしてくださいね。
これは!と思うものを厳選したよ。
【ミステリー小説】結末が気になって止まらない!
まずは、続きが気になって止まらなくなったミステリー小説をご紹介します。
- 推察するのが楽しい
- 結末が気になって止まらない
- 読みやすい
ミステリー好きにおすすめ。
『嘘つきジェンガ』辻村深月
3つの短編集
大学進学のため上京した加賀耀太だったが、4月7日、緊急事態宣言が発令されてしまう。入学式は延期され、授業やサークル活動どころかバイトすら始められない。地元の友人・甲斐斗から連絡が来たのはそんなときだった。「メールでできる簡単なバイト」を紹介してくれるというのだ。「2020年のロマンス詐欺」より。
辻村深月さん『嘘つきジェンガ』は、詐欺をテーマとした短編小説です。騙す側と騙される側の視点で描かれていたのが目を引きました。
どれもが「詐欺」を扱っているのに、読後感が良かったのが意外。
それのおかげで新たな出会いがあったり、親子の絆が深まったりするんですよね。結末に辻村さんの優しさを感じてほっこりしました。
主人公たちの結末が気になって、読むのをやめられなくなったよ。
『彼女が最後に見たものは』まさきとしか
三ツ矢&田所シリーズ第2弾
クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルの一階で女性の遺体が発見された。警視庁捜査一課の三ツ矢秀平と戸塚警察署の田所岳斗は再びコンビを組み、捜査に当たる。そして、女性の指紋が、千葉県で男性が刺殺された未解決事件の現場で採取された指紋と一致。予想外の接点で繋がる二つの不可解な事件の真相とは―。
まさきとしかさん『彼女が最後に見たものは』は、哀愁感じるミステリー小説です。三ツ矢(パスカル?)&田所シリーズ第2作目。今回も三ツ矢刑事が良い味だしてました。
周りの人からは変人(?)扱いの三ツ矢刑事が素敵で、田所とのコンビが絶妙に面白い。
まさきさんの小説は女性キャラにイヤミス感があって独特だけど、イヤミス全開ではないから読みやすいですね。
前作『あの日、君は何をした』も合わせておすすめ。
『正体』染井為人
少年死刑囚の脱獄488日
埼玉一家惨殺事件の犯人が脱獄する。その極悪非道な男は未成年の死刑囚であった。24時間フル稼働する東京オリンピック施設の工事現場、新興宗教に縋る主婦たちが働く山形のパン工場、介護者の人手不足に喘ぐ千葉のグループホーム。日本の今を転々と逃亡、潜伏する彼の本当の目的は何か?
染井為人さん『正体』は、少年死刑囚の脱獄488日を描いた物語です。連作短編のような感じで進んでいって読みやすい一冊でした。
彼と関わった人々の視点で描かれているのが目を引く。
一番知りたい彼の心情が描かれてないから、想像が膨らみました。名前を変え、変装した男と関わることになる人々の心境が揺れ動き、面白かったです。
続きが気になって止まらなくなった。
『虐殺器官』伊藤計劃
ゼロ年代最高のフィクション
9・11以降、先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう・・・。
伊藤計劃さん『虐殺器官』を再読しました。万人受けする内容ではないけど、やはり惹きつける魅力があります。
文章表現が独特で素晴らしい。
ちょっぴりグロいんです。でも独特な表現が『虐殺器官』、強いては伊藤計劃さんの文章の魅力でもあるんですよね。この世界観、嫌いじゃないです。
クラヴィスの心情が気になったよ。
【SF・ファンタジー小説】没入感がハンパない!
続きまして、世界観に圧倒されたSF・ファンタジー小説です。
- 没入感がハンパない
- 本の世界に行ってみたくなる
- 非現実を味わえる
本の世界に浸りたいときにおすすめ。
『箱庭の巡礼者たち』恒川光太郎
SFファンタジー
ある夜、少年は優しい吸血鬼を連れ、竜が棲む王国を出た。祖母の遺志を継ぎ、この世界と繋がる無数の別世界を冒険するために。時空を超えて旅する彼らが出会った不思議な道具「時を跳ぶ時計」、「自我をもつ有機ロボット」、そして「不死の妙薬」。人智を超えた異能(ギフト)がもたらすのは夢のような幸福か、それとも忘れられない痛みか。
恒川光太郎さん『箱庭の巡礼者たち』は、6つの異世界と「物語の断片」からなる短編小説でした。全てに繋がりを感じる物語で面白かったです。
ひとつひとつの物語が魅力にあふれていて、不思議な道具が気になる。
時空を超えて旅する少年と吸血鬼が出会った不思議な道具が魅力あふれてるんですよね。ドラえもんの秘密道具のようで楽しくも、ちょっぴり怖くもありました。
恒川さんが描く異世界に行ってみたくなった。
『獣たちの海』上田早夕里
オーシャンクロニクル・シリーズ
陸地がほぼ沈んだ25世紀。海に生きる海上民と〈魚舟〉や〈獣舟〉の美しくも激しい生きざまを叙情的に描いた、待望の全作書き下ろし4篇。
上田早夕里さん『獣たちの海』は4つの短編集です。陸地がほぼ沈んだ世界を描いたオーシャンクロニクル・シリーズの本編スピンオフ小説なんですよね。
圧倒的な世界観が魅力。
4つの物語すべてが海上民&魚舟視点で描かれていたのが新鮮だった。
短編だと読みやすくて、シリーズを読んだことない方でも楽しめる一冊です。世界観が気に入りましたら、面白いのでぜひ本編を・・・。
『ソラリス』スタニスワフ・レム
地球外知性体との遭遇
惑星ソラリスを探査中のステーションで異変が発生した。謎の解明のために送りこまれた心理学者ケルヴィンの目の前に自殺した恋人ハリーが姿を現し、彼はやがて悪夢のような現実と甘やかな追憶に翻弄されていく。人間とはまるで異質な知性体であるソラリス。そこには何らかの目的が存在するのだろうか。
スタニスワフ・レムさん『ソラリス』は、人間と地球外知性体とのコンタクトを描いた物語です。地球外知性体は「海」なんですよね。
「両者の概念が全く違ったら?」というテーマが面白い。
この展開ははじめてで新鮮でした。本のあとがき(解説)を読んで、ガツンと衝撃を受けたくらいに・・・。
本格SF小説でいて、哲学的な要素がある物語だよ。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー
SFバディ小説
グレースは、真っ白い奇妙な部屋で目を覚ました。自分の名前も思い出せなかったが、ここは地球ではないらしい。ここは宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号。ペトロヴァ問題と呼ばれる災禍によって、太陽エネルギーが指数関数的に減少、存亡の危機に瀕した人類は、遠く宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放ったのだった。
アンディ・ウィアーさん『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、地球人と地球外生命体とのSFバディもの。上下巻でボリュームあるけど、読みやすくて面白かったです。
主人公と異星人の絆に泣ける。
お互いクルーを失い、宇宙でひとりぼっちだったふたりが母星を救うために奮闘する姿は素敵でした。様々なハプニングの中で、いつしか絆がうまれるんですよね。
けっこうシビアな展開だったよ。
『帝国の娘』須賀しのぶ
大河ファンタジー
辺鄙な山村で平凡に暮らしていた少女カリエは、ある日突然さらわれ、ある高貴な人の身体わりにされた。礼儀作法から武術まで、過酷な訓練の日々、冷徹な教育係エディアルド、宮廷をゆるがす謀略―カリエは持ち前の負けん気と行動力ですべてを乗り越えてゆく。ただひたすら、生きるために―。
須賀しのぶさん『帝国の娘』上下巻は、巨編ファンタジー「流血女神伝」シリーズの一作目。物語はキリの良いところで終わっているから、上下巻だけでも楽しめました。
主人公カリエの気持ちに共感できる。
ひとりの平凡な少女が、葛藤をくり返しながら自ら考えて道を切り開いていく姿は頼もしくて感動するんですよね。他の登場人物にも感情移入できたのが良かったです。
ドキドキの展開に目が離せなくなった。
【ゲームノベライズ】『NieR(ニーア)』シリーズ|美しい鬱ストーリー
映島巡(監修・ヨコオタロウ)さんの小説『NieR』シリーズが面白かったです。
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』関連を数冊と、『NieR Replicant(ニーアレプリカント)』を読みました。
- ゲームの映像がよみがえる
- 哀愁感じる鬱ストーリーが魅力
- 『ニーア』シリーズを深く理解できる
ニーア好きなら読んで損はなし。
『NieR』シリーズは、PlayStation4などで発売されているアクションRPG。
ストーリーが逸品なんですよね。いわゆる鬱ストーリーなんだけど、哀愁があって美しく感じられるんです。
『NieR:Automata 長イ話』
ゲーム本編ノベライズ版
アンドロイドが人類の栄光を夢見るとき、機械生命体はヒトのユメを見るか?映島巡、ヨコオタロウで贈るPS4ゲーム『NieR: Automata(ニーア オートマタ)』長編ノベライズ。ゲーム本編裏側のエピソードを語りながら、各キャラクターの知られざる心情を浮きぼりにする!
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)長イ話』は、ゲーム本編が描かれたストーリーです。ゲームをやっていれば目新しさはないけど、映像が浮かんできました。
ふたたび、あのストーリーを追体験できる。
登場人物の2Bと9S、ふたりの悲しい運命に、もう一度思いを馳せました。あのとき、あのシーンで彼女は何を思っていたのか・・・。
本を読みながら、ふたたび号泣(ゲームでも号泣した)です。
小説は心情が細かく描かれてるのが良いよね。
『NieR:Automata 短イ話』
「NieR:Automata」中・短編集
アンドロイドが人類の栄光を夢見る遙か昔から、魔法実験兵器は転がり続ける。著者:映島巡&監修:ヨコオタロウで再び贈る「プレイステーション4」ゲーム「NieR:Automata(ニアオートマタ)」中・短編小説集。新規書き下ろし中編2編を含む“短イ話”の結晶体!
『NieR:Automata 短イ話』は、ゲーム本編のスピンオフ・ストーリーや、サブクエストなどが描かれた中・短編小説集です。
より「NieR:Automata」の世界観を深く理解できて、感情がゆれうごく一冊。
ただひたすら人類に尽くすアンドロイドたちをみていると、哀愁を感じずにはいられないんですよね。
A2の過去(真珠湾降下作戦)が描かれた「ヨルハ─Ver.1.05」、2Bと9Sの悲しき宿命が描かれた「記憶ノ檻」と「記憶ノ棘」、バックアップサーバーを管理する10Hの「静カスギル海」が好きです。
どこまでも闇を感じる。・・・そこにハマっちゃうんだけど。
『NieR:Automata 少年ヨルハ』
舞台「少年ヨルハ」小説版
『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』前日譚となる舞台「少年ヨルハ」を、著者:映島巡、監修:ヨコオタロウで完全ノベライズ化。”呪い”と”罰”のはじまりを綴った朗読劇作品「ヨルハ計画」から、舞台では語られなかったヨルハM部隊結成に至るまでの物語を含む、自動歩兵人形・ヨルハの定められた運命を辿る―。
『NieR:Automata 少年ヨルハ』は、朗読劇「ヨルハ計画」と、舞台「少年ヨルハ」をノベライズ化した作品です。アンドロイド(自動歩兵人形)の悲しき運命を描いた物語。
救いのない鬱ストーリーが面白い。
それぞれの登場人物の視点で読むことができて、より哀しさを誘います。舞台で描かれなかったヨルハM部隊結成に至るまでの物語も読めました。
なぜオートマタには男性型モデルが少ないのかわかるよ。
『NieR Replicant ver.1.22474487139・・・《ゲシュタルト計画回想録》』
ゲーム本編ノベライズ版
辺境の村に住む心優しい少年は、不治の病「黒文病」にかかってしまった妹・ヨナを救うため旅に出る。人の言葉を話す謎の書物「白の書」とともに・・・。
『NieR Replicant ver.1.22474487139・・・《ゲシュタルト計画回想録》』は、『オートマタ』の世界に繋がる始まりの物語です。レプリカント(リメイクの方)の本編ノベライズ版。
哀愁感じる鬱ストーリーが逸品。
基本的には本編ストーリーをなぞったものだけど、ゲームで描かれなかったことも読めて新鮮でした。改めて文章で読むと感慨深いものがありますね。
カイネが下着姿の理由なども描かれてた。
【面白くて夢中になれる小説】まとめ
2022年に読んだ本より、面白くて夢中になれる小説でした。どれも面白くて、読み始めたら止まらなくなるものばかりです。
- 『嘘つきジェンガ』辻村深月
- 『彼女が最後に見たものは』まさきとしか
- 『正体』染井為人
- 『虐殺器官』伊藤計劃
- 『箱庭の巡礼者たち』恒川光太郎
- 『獣たちの海』上田早夕里
- 『ソラリス』スタニスワフ・レム
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー
- 『帝国の娘』須賀しのぶ
- 『NieR:Automata 長イ話』
- 『NieR:Automata 短イ話』
- 『NieR:Automata 少年ヨルハ』
- 『NieR Replicant ver.1.22474487139・・・《ゲシュタルト計画回想録》』
イチオシは、恒川光太郎さん『箱庭の巡礼者たち』です。
面白かったから読んでみてね。