面白い小説&コミックおすすめ|2021年に読んでハマった本
面白い小説&コミック
2021年に読んでハマった小説&コミックの中から、面白かった作品を厳選しました。1年間の総まとめです。
- SF小説
- ファンタジー&アート小説
- ミステリー&ホラー小説
- コミック(別館「アニメの缶づめ」より)
ジャンル別にまとめたよ。
今回は小説だけでなく、コミックも紹介します。
SF小説|読むのを止められなくなった本
まずは、面白すぎて読むのを止められなくなったSF小説をピックアップ。
どれも読みやすかったよ。
『存在しない時間の中で』山田宗樹
ある日、若手研究者たちが主宰するセミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボード23枚に及ぶ数式を書き残して姿を消した。誰も見たこともないその数式には、人類の宇宙観を一変させかねない秘密が隠されていた。つまり、この宇宙、そして世界の設計図を描いた〈何ものか〉が存在する可能性を示唆していたのだ。
山田宗樹さん『存在しない時間の中で』はSFミステリーです。もしもこの宇宙が「何者か」によって設計されたものだったとしたら?・・・と考えると怖くなりました。ヒヤリとするけど止まらなくなります。
最初から最後までノンストップの面白さだったよ。
十次元は未知の世界すぎて想像もできないけど興味がわきました。こういうの、ワクワクするんですよね。
『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう
一ヶ月後、小惑星が衝突し地球は滅びる。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。
凪良ゆうさん『滅びの前のシャングリラ』は、地球が滅びるまでの一ヶ月を描いた物語です。暴動がおきて、滅びる前に崩壊していく様子はヒヤリとしました。でも読後感は悪くなくてほっこり。
地球が崩壊すると知ってから「幸せ」を掴んだ人々もいて、しんみりしちゃった。
こんな展開になって初めて日常のありがたみに気づくのかもしれませんね。できれば、もう少し早く気づきたいけど・・・。
『リフレイン』沢村凜
一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!?争いは人間の本能なのか?厳格な法なくして人は拳をおさめられないのか?
沢村凜さん『リフレイン』は、SF&社会派テーマを扱ったシリアスな物語。テーマは「人を殺めること」の是非です。無人惑星でのサバイバル生活で起きたことを元に、深く考えずにはいられない展開でした。
人を裁くことの重さを、ひしひしと感じたよ。
メリエラ星人の思想は心に刺さるものがありました。深くて面白かったです。
『三体Ⅲ 死神永生』劉慈欣
三体世界の太陽系侵略に対抗すべく立案された地球文明の切り札「面壁計画」。その背後で極秘の仰天プランが進んでいた。侵略艦隊の懐に、人類のスパイをひとり送る「階梯計画」を実現に導いたのは、若き航空宇宙エンジニアの程心(チェン・シン)。計画の鍵を握るのは、学生時代、彼女の友人だった孤独な男・雲天明(ユン・ティエンミン)。2人の関係が宇宙全体の運命を動かすとは、まだ誰も知らなかった・・・。
劉慈欣さん『三体Ⅲ 死神永生』(三体シリーズ完結巻)は、まさに宇宙スケールの面白さ。次元、低高速ブラックホール、光速、宇宙都市、光墓、長方形膜状物体、小宇宙空間・・・など、SF要素がてんこ盛りです。
次元に興味がわいた。
「三体」3部作は巻が増すごとに面白さ倍増ですね。原題だと「地球往事」3部作で、最終巻においては「地球往事」シリーズというのがしっくりきました。
ファンタジー&アート小説|面白くて一気読み
続きまして、ほぼ一気に読んだファンタジー&アート小説です。
ぼくもハマった。
『黄金の王 白銀の王』沢村凜
翠(すい)の国は百数十年、鳳穐(ほうしゅう)と旺厦(おうか)という2つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・穭(ひづち)が治めていた。ある日、穭は幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣(このえ)と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた2人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。
沢村凜さん『黄金の王 白銀の王』は、百数十年かけて争ってきた2つの氏族の頭領が「共闘」して国を作っていく物語です。面白すぎて時間を忘れて読みふけりました。
2人の頭領が素敵なキャラだよ。
「なすべきこと」をなしてきた2人は、とても魅力あふれる人物。さまざまな葛藤に心が痛みました。でも読了感は悪くないです。
『ソードアート・オンライン プログレッシブ1』川原礫
茅場晶彦によるデスゲームが開始されて一ヶ月。この超難度のVRMMO内で犠牲になったプレイヤーは二千人にも及んだ。“ソロ”として戦うキリトは、会議場に向かう中途で、最前線では珍しい女性プレイヤーと出会う。強力なモンスター相手にレイピア一本で戦い続ける彼女は、あたかも夜空を切り裂く“流星”のようで―。
川原礫さん『ソードアート・オンライン プログレッシブ1』は、アインクラッド篇を一層ずつ丁寧に描きなおした、本編SAO(1、2巻)のスピンオフ小説です。SAOアインクラッド好きにはたまらないストーリーでした。
アスナ目線でも描かれていたよ。
アインクラッドの世界観が広がります。本編とは少し違うけど、アナザーストーリーとして読むのなら◎
『リボルバー』原田マハ
パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。ゴッホは、ほんとうに自ら命を絶ったのか?
原田マハさん『リボルバー』は、ゴッホを主軸にゴーギャンを描いた物語。なんとゴッホを撃ち抜いたリボルバーが出てきちゃうんです。ミステリー仕立てで面白い展開でした。
アートに詳しくなくても楽しめるよ。
2人の人生に思いを馳せたくなります。ゴッホ「ひまわり」や、ゴーギャン「我々はどこから来たのか?我々は何者なのか?我々はどこへ行くのか?」を鑑賞したくなりました。
ミステリー&ホラー|怖いけどハマった小説
ミステリー&ホラー小説より、怖くてヒヤリとしたけど面白かった本を厳選。
読んでみて。
『闇祓』辻村深月
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい―」クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが―。
辻村深月さん『闇祓(やみはら)』は、「闇ハラスメント」の恐怖が描かれたホラー小説です。「闇ハラスメント」は辻村さんの造語だけど、本当にありそうな言葉・・・。怖かったです。
今のところ、私の周りにはいないからホッとした。
自分の思いを一方的に相手に押しつける行為は「闇ハラ」にあたるかもしれません。・・・ご注意を。
『テスカトリポカ』佐藤究
メキシコの麻薬密売人バルミロ・カサソラは、抗争の果てにメキシコから逃走し、日本人の臓器ブローカーと出会った。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく―。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。
佐藤究さん『テスカトリポカ』は、アステカ神話を絡めたクライムノベル(犯罪小説)です。恐ろしすぎて背筋が凍りました。悪夢を見ているかのような読書体験だったけど、読みごたえがあります。
『テスカトリポカ』がすごいのは、現実に信仰されていたアステカ神話や儀式を絡めているところ。
かなり残虐なシーンが多くて息が止まりました。・・・この時代のアステカに生まれなくて良かったです。
『まだ人を殺していません』小林由香
「悪魔」の子と噂される少年、良世。事故で娘を失った過去を持つ翔子は、亡くなった姉の形見である息子を預かり育てることになるが、良世は掴みどころがなく何を考えているかもわからない。不気味な行動も多いなか翔子は子供を育てることに自信が持てず不安は募るが…。
小林由香さん『まだ人を殺していません』は、親の罪を背負う子どもが描かれたミステリー小説です。タイトルの「まだ」という言葉にヒヤリとしました。
タイトルに不穏さを感じたものの、読後は重く響いたよ。
小林さんの小説は心に刺さります。悲しい物語だけど、「救済」も描かれているから心が温まるんですよね。・・・号泣でした。
コミック|何度もくり返し読みたい本
2021年はコミックも何冊か読みました。その中からくり返し読んだ本をピックアップ。 詳しいレビューは別館『アニメの缶づめ』へ。
『アニメの缶づめ』ほのかです。ここからは私が紹介するよ。
『少女終末旅行』つくみず
文明が崩壊した後の終末世界。主人公のチトとユーリは半装軌車のケッテンクラートで廃墟都市をさまよい、その上層を目指してひたすら移動を続ける。さまざまな文化・宗教・兵器の痕跡の発見や、道中で出会ったごくわずかな生存者との交流を経て最上層を目指す。
全6巻完結
つくみずさん『少女終末旅行』の舞台は、崩壊した終末世界。そこで2人の少女が最上層を目指して、ひたすら旅をする物語です。ほのぼのと進んでいくけど、心にグサグサ刺さるものがありました。
「生」と「死」など、さまざまなメッセージが込められたコミック。
アニメ化もされてるよね。
私はアニメから入って、その世界観とほのぼのした雰囲気に魅了され、コミック全巻読了です。
『勇者アバンと獄炎の魔王1』芝田優作
ハドラー率いる魔王軍が世界を襲う。侵略を阻止せんとカール王国と王女フローラが立ち向かう。そこには若きアバンの姿も!もうひとつの勇者物語、いま開幕!
芝田優作さん『勇者アバンと獄炎の魔王1』は、アバン先生の勇者時代のストーリーです。『ダイの大冒険』のスピンオフなのに完璧なストーリー展開で、本編と言っても過言ではない作品。胸が熱くなりました。
アバン好きには、間違いなく刺さるよ。
アバンストラッシュが完成するまでの秘話や、これから展開されるであろうハドラーとの戦いが読めちゃいます。これは読むしかないでしょ。
『東京BABYLON(バビロン)』CLAMP
皇昴流は人々を呪いや怨霊から守る陰陽師一族の若き当主。皇家に敵対する強大な力を持ち、かつ残忍な暗殺集団といわれる桜塚護(さくらづかもり)の跡取りで獣医師の桜塚星史郎。絶対に相容れない一族同士のはずが星史郎は常に昴流と行動を共にし、優しく振舞う。やがて星史郎の目的が明らかに・・・。
全7巻完結(愛蔵版全3巻)
CLAMP『東京BABYLON(バビロン)』は、陰陽師を扱ったダークファンタジーです。昴流と星史郎の関係、そこに北都ちゃんも加わり気になる展開に・・・。あらためて再読したのだけど、やはり衝撃で面白い。かなりの鬱展開です。
はじめて読んだときは「桜の下に埋まっているもの」にトラウマになった。
全7巻(愛蔵版だと全3巻)完結だけど、未完のCLAMP作品『X』にて昴流と星史郎の対決が描かれています。
『X』も面白かったよ。未完のまま休止だから続きが気になるけど。
2021年に読んでハマった本まとめ
2021年に読んだ小説&コミックより、面白くてハマった本を紹介しました。
- 『存在しない時間の中で』
- 『滅びの前のシャングリラ』
- 『リフレイン』
- 『三体Ⅲ 死神永生』
- 『黄金の王 白銀の王』
- 『リボルバー』
- 『ソードアート・オンライン プログレッシブ1』
- 『闇祓』
- 『テスカトリポカ』
- 『まだ人を殺していません』
- 『少女終末旅行』コミック
- 『勇者アバンと獄炎の魔王1』コミック
- 『東京BABYLON(バビロン)』コミック
イチオシは沢村凜さんのファンタジー小説『黄金の王 白銀の王』です。
私、ファンタジー小説好きかも・・・と再認識したよ。