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『虎白カップル譚』谷川俊太郎/100万分の1回のねこ/見果てぬ夢

第13話、谷川俊太郎さん『虎白カップル譚』

「100万分の1回のねこ」最後を飾るのは、佐野洋子さんの元夫、谷川俊太郎さんの『虎白カップル譚』です。冒頭で『100万回生きたねこ』は佐野洋子さんの見果てぬ夢と語る谷川さん。その言葉が心に残りました。

ネタバレあります。

『虎白カップル譚』あらすじ

谷川俊太郎さんが捧げるトリビュート作品。

『虎白カップル譚』
おすすめ
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【あらすじ】
その野良猫は私が生まれるずっと前から、この界隈に居着いていた。彼には、白い綺麗な猫の連れ合いがいた。私が成人して結婚してからも、虎白カップルは生きていた。谷川俊太郎さんが捧げるトリビュート作品。

『虎白カップル譚』感想

このお話は虎白カップルと時を同じくして生きた1人の男の視点で描かれています。

人生を共にした男と虎ねこ

虎白カップル

男が物心ついた頃には、とら猫には連れ合いがいました。「100万回生きたねこ」の白ねこです。やがて彼らに子供が生まれます。対比のように描かれている主人公の男と虎白カップル。

お互い直接関わることはないけどなんか気になる。男にとって虎白カップルはそんな存在でした。

そして男の妻が100歳でこの世を去り、ふとあのカップルはどうしてるかなと思うと、とら猫がひょっこり現れます。彼も1人 (1匹) でした。・・・白ねこは死んでしまったんですよね。

悲しげな顔つき

ねこって気ままで、何を考えているのかよくわからない。一緒に暮らすと もしかしたら猫の気持ちもわかるようになるかもしれませんが、私が抱くイメージはそんな感じです。・・・可愛いですけどね。

切ないけど面白いなと思ったところがあります。

猫が、これまで見たことのない悲しげな顔つきをしている、というところです。

本当に悲しげな顔つきをしていたのかもしれないし、主人公が連れ合いを亡くして悲しかったから猫の表情もそう見えたのかもしれません。ねこの表情に自分の気持ちを投影させたかのような文章に、面白さとしみじみしてしまう気持ちと両方を感じました。

主人公ととら猫。

どちらも同じくして連れ合いを亡くして・・・。なんだか運命を感じてしまいます。

2人一緒に・・・

間もなくして、主人公も虎も同じ日に死んでしまいます。佐野さんの絵本を読んだ私は、虎と白は天国で一緒になったんだろうなと想像しました。でも、谷川さんの短編は少し違いました。

虎の隣には白ねこではなくて、主人公の男がいたこと。

あの世で1人と1匹は一緒でした。これはこれで微笑ましいです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
あの世に行ってから、なんだか元気になっている。

思わずクスリと笑ってしまいました。

それぞれの「100万回生きたねこ」

きっと佐野さんの「100万回生きたねこ」は、これからも多くの人たちに読まれ続けることでしょう。読んで感じることは人それぞれだけど、誰にとっても心に残る物語になるのは間違いないです。

トリビュート作品集「100万分の1回のねこ」13話全て読み終わりましたが、どれも素晴らしかったです。甲乙つけ難いくらいに。佐野洋子さんは亡くなってしまったけれど、彼らの中では佐野さんの物語は永遠に生き続けています。私の中でも・・・。

それは誰もの見果てぬ夢。谷川俊太郎さんの言葉が深く心に残りました。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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