SF・ファンタジー

『アルスラーン戦記』あらすじ・ネタバレ感想|小説 「王都炎上~奪還」 第1部

この記事に書かれていること
  • 小説『アルスラーン戦記』第1部 あらすじと感想
  • 争乱の中心人物と簡単な時系列
  • アトロパテネの会戦|カーラーンの裏切り
  • ヒルメスの悲劇と復讐
  • 王太子アルスラーンの魅力と出生の秘密
  • 王都エクバターナ奪還|宝剣ルクナバード

ネタバレあります。ご注意ください。

壮大な歴史ファンタジー

田中芳樹さんの小説『アルスラーン戦記』です。漫画、それを元にアニメ化もされた壮大なファンタジー。アニメも良かったけど、小説はもっとすごかった。

全16巻中、第1部の 「王都炎上」 ~ 「王都奪還」 (1~7巻) までを読みました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
めちゃめちゃ面白い!田中芳樹さん天才?

16巻まであるから最初は怯んだけど、読み始めると止まらなくなりますね。案の定、ハマった次第です。

ひつじくん。
ひつじくん。
1冊300ページもないから、すぐ読みきれちゃうよ。

『アルスラーン戦記』あらすじ・評価|王都炎上~奪還

壮大な歴史ファンタジー

本の評価

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【あらすじ】
猛勇なる騎士軍団を誇り、不敗の国王・アンドラゴラスが君臨するパルス王国。蛮族ルシタニアとの戦いでも、その勝利を疑う者はなかった。だが、味方の裏切りにより軍団は一日にして崩壊。王国は滅亡してしまう。生き残った王太子・アルスラーンは、勇者・ダリューンや、軍師・ナルサスらとともに故国奪還を目指す。壮大な歴史ファンタジー。

田中芳樹『アルスラーン戦記』とは

小説『アルスラーン戦記』は 16巻まである巨編・歴史ファンタジー。『銀河英雄伝説』でも有名な田中芳樹さんの小説です。

小説のタイトル
  1. 「王都炎上」
  2. 「王子二人」
  3. 「落日悲歌」
  4. 「汗血公路」
  5. 「征馬孤影」
  6. 「風塵乱舞」
  7. 「王都奪還」
ひつじくん。
ひつじくん。
アトロパテネの会戦で王都エクバターナが炎上して、奪還するまでが一区切り。

簡単に言うと

王太子アルスラーンが仲間とともに戦いを繰り返し、王都を取り戻して国王になる・・・というのが7巻までのストーリーです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
そこまでには紆余曲折。ナルサスの策略やダリューンの猛者ぶりに胸が踊り、王家の争いに凄まじさを感じました。

感嘆のため息をついてしまいます。田中芳樹さんの頭の中ってどうなってるんだろ。

『アルスラーン戦記』(1~7) 簡単な時系列・ネタバレ感想|王都炎上~奪還まで

7巻でもまだ途中ですが、王都奪還すると 人心地つきますね。

まずは、第1部 争乱の中心人物と主な流れ、物語の始めとなったアトロパテネ会戦、悲劇の人物・ヒルメスの復讐についてです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
感想をまじえながら解説していきます。

王都エクバターナをめぐる争い|第1部 争乱の中心人物と主な流れ

パルス歴320年10月~321年9月上旬までが描かれた『アルスラーン戦記』第1部 (1~7巻)。争乱の中心人物は4人です。

中心人物
  • アンドラゴラス三世・・・現パルス国王、パルス正統の血筋
  • アルスラーン・・・国王アンドラゴラスの息子で王太子
  • ヒルメス・・・銀仮面の男、実はパルス正統の血筋
  • ギスカール・・・ルシタニア国王イノケンティス七世の弟

主人公・王太子アルスラーンは、アトロパテネの会戦のとき わずか14歳。生き延びて、仲間たちとともに戦いの中で成長していきます。

王都を中心にした簡単な流れ

  • パルス歴 320年10月
    アトロパテネの会戦
    アンドラゴラス (パルス軍) VSギスカール&ヒルメス (ルシタニア軍) → ルシタニアの勝利
  • ルシタニア軍が王都エクバターナを占領
  • パルス歴 321年8月
    サハルード平原の会戦
    アンドラゴラス (パルス軍) VS ギスカール (ルシタニア軍) → アンドラゴラスの勝利
  • 横からヒルメスが王都エクバターナを奪還
  • パルス歴 321年8月下旬
    パルス軍同士の戦い
    アンドラゴラス VS ヒルメス VS アルスラーン
  • パルス歴 321年8月下旬
    王都奪還
    王太子アルスラーン、王都エクバターナ奪還&国王に即位

※ ものすごく簡単な時系列。王都以外の流れは省略しています。詳しい時系列・年表は以下の記事をどうぞ。ネタバレあり。

「アルスラーン戦記」年表・時系列
『アルスラーン戦記』年表・時系列、パルス歴史を解説|第1部、第2部ネタバレ田中芳樹さんの小説『アルスラーン戦記』詳しい年表・時系列、パルス歴史の流れを解説。全16巻ネタバレあります。...
ひだまりさん。
ひだまりさん。
いろいろあったけど、王都が奪われてから奪還までは約1年の出来事なんだね。

大きくみると、最初は パルス軍 VS ルシタニア軍ですが、最後は パルス軍 VS パルス軍 VS パルス軍となるのが皮肉。

・・・王家血筋の争いですか (実は違うけど)。

アトロパテネの会戦|カーラーンの裏切り

『アルスラーン戦記』第1巻は アトロパテネの会戦より幕を開けます。

このとき、主人公の王太子アルスラーンはわずか14歳での初陣でした。万騎長で 「戦士のなかの戦士」 という異称を持つダリューンも登場します。

パルス軍は、結果としてルシタニア軍に惨敗。信頼をよせていた部下の裏切りがあったのです。

裏切ったのは、万騎長カーラーン

ひだまりさん。
ひだまりさん。
カーラーンの裏切りがなければ、パルス軍は負けることはなかったかも・・・。

カーラーンと剣をまじえるダリューン。2人ともカッコイイ。

カーラーンも好きな登場人物の一人です。アニメでは ダリューンと相見えるシーンがカッコよく描かれていて、小説を読むとそのシーンがよみがえりました。

ひつじくん。
ひつじくん。
『アルスラーン戦記』は 魅力的な登場人物が多いんだ。

銀仮面卿ヒルメスの悲劇と復讐

銀仮面卿・ヒルメスも好きです。

アトロパテネの会戦で ルシタニア軍とともにパルス軍を敗退に追い込んだ人物。実はパルス王家の血筋をひいているんですよね。

先王オスロエスの嫡子で、きさまの甥だ。そして、パルスのまことの国王だ!

『アルスラーン戦記』1巻より

アンドラゴラスの甥。これにはびっくりしましたが、後半、さらに衝撃的な真実が明かされることになります。

ヒルメスが銀仮面をつけているのは、自分の正体と顔の半分を占める火傷の痕を隠すため。

火傷はかつて、ヒルメスを亡きものにしようとしたアンドラゴラスに負わされた傷でした。王家をめぐる争いです。

ヒルメスが復讐したくなる気持ちもわかる・・・。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
王太子アルスラーンからするとヒルメスは敵だけど、どうしても嫌いになれないんだよね。

サハルード平原の会戦後に 横から王都エクバターナを奪還し、わずかな間ですが パルス国王として即位します。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」 ではないけど、『平家物語』を連想して切なくなりました。

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ヒルメスは 過去の悲劇からパルス国王として即位するまでの間はとても長く、でもパルス国王だった期間は一瞬・・・。

やるせなくなりますね。

王太子アルスラーンの魅力と出生の秘密

主人公のアルスラーンが不思議な魅力を持った少年でした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
最初、アトロパテネの会戦でのアルスラーンは ひ弱な少年というイメージだった。

でも 万騎長ダリューンや、軍師ナルサスをはじめ、ファランギース、ギーヴ、エラムたちと行動をともにするうちに成長していく。

結局、パルス王家の正統な血筋はひいていなかったわけだけと、なるべくしてなったという印象です。

不思議な魅力を持つアルスラーン|後の解放王

王太子アルスラーンの1番の魅力は、出会う人たちが彼を助けたくなってしまうこと。

「殿下も不思議な方だ。おぬしとおれとギーヴと、それぞれ気性をもちがえば考えもちがう者たちに、忠誠心を持たせてしまう」

『アルスラーン戦記』4巻より

ひつじくん。
ひつじくん。
これはナルサスの言葉だけど、忠誠心を持ってしまう魅力がアルスラーンにはあるんだ。

生まれてから幼少期を王宮の外で過ごしたアルスラーン。彼は 従者を見下したりすることも、変な奢りもありません。

周りの人みんなに優しい。でも時には厳しい判断も しっかりできる人。

アンドラゴラス国王や、ヒルメス、パルス軍のギスカールなどと比べると、その異質さが目立ちました。

奴隷を解放するというのを掲げたのも異例中の異例。そのことからアルスラーンは解放王と呼ばれることになるんですね。

アルスラーン 出生の秘密

『アルスラーン戦記』第1部では 王太子アルスラーンの出生も大きくストーリーに盛り込まれています。

国王アンドラゴラスにも、王妃タハミーネにも似ていない王太子。

ひつじくん。
ひつじくん。
アルスラーンはいったい、何者なんだろう。

ダリューンの叔父・大将軍ヴァフリーズや、万騎長バフマンは事情を知っていたけど、アルスラーンに告げることなくこの世を去りました。

現実とは何だろう。父王の態度には温かみがなく、冷厳そのものである。自分は子として父に愛されていない。母にも。

『アルスラーン戦記』5巻より

自分はいったい誰なのか?

悩みとともに成長していくわずか14歳の少年。彼の出生が明らかになるのは だいぶ先の7巻です。

読みながら薄々血の繋がりはないんじゃないかと思ってたけど、そのとおりでした。真実は 最後に王妃タハミーネから語られます。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
アルスラーンもそれとなく気づいていたから、スッキリしたというところかな。

彼には ダリューンやナルサス、それに今まで戦って助けた人々、歩いてきた道があります。それがしっかり分かっていて、強いなと思いました。

号泣!王都エクバターナ奪還|宝剣ルクナバードと英雄王カイ・ホスロー

アルスラーンは自分が成すべきことを悟ります。王都エクバターナ奪還のために、宝剣ルクナバードを手に入れること。

宝剣ルクナバード

パルス王国の英雄王カイ・ホスローが愛用した剣。カイ・ホスローはその剣で蛇王ザッハークを打ちたおし、パルスを平和に導いた。

ひつじくん。
ひつじくん。
王家の血筋ではないから、宝剣ルクナバードを手にして国民に示そうとしたんだね。

デマヴァント山で、アルスラーンが宝剣ルクナバードに選ばれたとき、ダリューンの言ったひとことに号泣しました。

「われらが国王よ」

『アルスラーン戦記』7巻より

アルスラーンの周りに跪く仲間たち。改めて仲間の心がひとつになった瞬間です。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
宝剣ルクナバードに選ばれたんだから、アルスラーンは立派なパルス国王だよ。

そして 歴史は動きます。パルス暦 321年8月下旬、アンドラゴラス三世、死す。

北の塔がターヤミーナイリと呼ばれることになった事件は、思わぬ衝撃の展開でした。

『アルスラーン戦記』第1部 解説・感想まとめ

『アルスラーン戦記』第1部の感想をまじえながら、簡単に解説しました。

この記事に書いたこと
  • 争乱の中心人物と主な流れ
  • アトロパテネの会戦
  • ヒルメスの悲劇と復讐
  • 王太子アルスラーンの魅力と出生の秘密と王都奪還

実は感想にはまだ続きがあります。お気づきかもしれませんが、このレビュー記事には『アルスラーン戦記』最重要人物の2人があまりでてきてません。

ものすごーく長くなっちゃったから記事を分けました(笑)

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ひつじくん。
ひつじくん。
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ひだまりさん。
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