『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』辻村深月【読書感想文とあらすじ】異説クラブメンバーズバッジ
- 『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』あらすじと読書感想文
- 藤子・F・不二雄のSF (少し ふしぎ) なドラえもん
- 「異説クラブメンバーズバッジ」
- 魅力的なひみつ道具
- 孤独なエスパル
- 月の裏がわ
少しだけネタバレあります。
映画ドラえもん×辻村深月
【読書感想】辻村深月さんの小説『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』。原作 : 藤子・F・不二雄。
映画の脚本を手掛けた辻村深月さんが書いた小説版を読みました。楽しみにしていた作品です。
ドラえもんの小説って初めて読むかも。愛と友情をたっぷり感じたよ。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』あらすじ
月世界での大冒険!!
月にはうさぎがいる!と信じているのび太は、みんなから笑われてしまう。見かねたドラえもんは〈異説クラブメンバーズバッジ〉を使って、のび太と月の裏側にウサギ王国を作ることに・・・。
藤子・F・不二雄のSF (少し ふしぎ) なドラえもん
ドラえもんは未来から来たネコ型ロボット・・・っていうのは知っていますよね。括りでは SF漫画です。
SF (サイエンスフィクション) とは空想科学のこと。でも藤子・F・不二雄さんの漫画は、このSFではありません。
S (少し) F (不思議) な世界。
藤子・F・不二雄さんが生み出した造語のようです。面白いですよね。
気楽に楽しく読めるSF (スコシ・フシギ) 漫画という括り。『のび太の月面探査記』にも、スコシ・フシギな魅力にあふれたひみつ道具がたくさん出てきました。
ドラえもんのひみつ道具は、どれも夢が広がる。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』読書感想文
アニメで馴染みのあるドラえもんだから、読みながら映像が浮かんでくる。
きっとこんな感じになるんだろうなと想像しながら読むのが楽しかったです。展開はお馴染みだったので、過去作を連想しました。
宇宙小戦争、鉄人兵団、雲の王国・・・。
今回の舞台は 「月」 です。届きそうで遠い月。不思議に満ちていて夢やロマンがあふれる場所ですね。
異説が真実になる!? 「異説クラブメンバーズバッジ」
「月にはうさぎがいる」 という説を信じているのび太くん。学校でみんなに笑われてしまいます。そんな時にドラえもんが出したのが ひみつ道具でした。
〈異説クラブメンバーズバッジ〉です。それをつけた人だけ異説が真実になるバッジ。
面白そうですね。月には空気もなくて人が住めないけれど、これを使えば地球と同じ環境になるんです。「テキオー灯」 を使わなくても・・・。
2人は月と地球を同じ環境にして、月の裏側にうさぎ王国を作りはじめるんだ。
ひみつ道具がたくさん!
ドラえもんと言えばポケットから出てくる「ひみつ道具」が魅力ですよね。何が出てくるのかとワクワクします。今回もたくさんの道具が出てきました!
お馴染み 「タケコプター」 「どこでもドア」 に加えて、「実物ミニチュア大百科」 「ピッカリゴケ」 「どこでもじゃぐち」 「動物粘土」 ・・・。
ドラえもんとのび太くんは、「動物粘土」 でたくさんのムービット (うさぎ) を作ります。のび太くんに似たノビットは最後に大活躍。
小説を読むだけでもワクワクするのに、映像だったらもっとワクワクするんだろうな。
友だちは仲間
月にうさぎ王国を作ったのび太くんですが、月には先住民がいました。
カグヤ星から逃げてきたエスパル、ルカやルナたちです。そして足のはやい (?) カメ。
彼らはエーテルという不思議な力を身につけています。歳をとらなくて、ずっと子どものままで・・・。
歳をとらない→ずっと生きられる=幸せ、というのは必ずしも成り立たないんですよね。
彼らを見ていると切なくなったよ。
のび太くんがルカに言った言葉にグッときました。
友達は仲間だよ! ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ
孤独なエスパルたちに初めてできた地球の友だち。ルカにとって、のび太くんはかけがえのない仲間になった瞬間です。
お互いがお互いを信頼しあう。そういう関係って良いな。
ディアボロが支配するカグヤ星に連れ戻されたルカを、のび太くんもまた助けに向かう。「宇宙小戦争」 や 「魔界大冒険」 などを連想しました。
危機を救ったのは?
ルカを助けにカグヤ星に行ったドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫は絶体絶命の危機に直面します。
彼らを救ったのは、しずかちゃんとノビットでした。異説クラブメンバーズバッジの逆バージョンで。
ノビットのお手柄だったよ。
どことなく 「鉄人兵団」 を思わせる展開です。「鉄人兵団」 で泣いたんですよね。リルルが消えるシーンで・・・。それを思い出してジーンとしました。
月の裏がわ
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』の舞台は月。それも月の裏がわです。
月は地球からだと片面しか見えないんだよね。
月は地球の衛生だから地球の周りをクルクル回っています。同じ面を見せながら・・・。以前にホーガンの本格SF小説『星を継ぐもの』を読んだ時に少しだけ調べました。
私たちから見える表面と見ることのできない裏面とでは、月の表情はかなり違うらしいです。
未知の領域に夢が広がりますね。月の裏がわには生物がいたりして・・・。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』のように、うさぎ王国があったら楽しそう。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』はドラえもん愛と友情たっぷりの小説
小説『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』は、辻村さんのドラえもん愛がたっぷりつまった一冊でした。
ドラえもんがのび太くんに向けた温かな視線や、のび太くんとルカの友情、何よりも仲間を大切に想う気持ち・・・。
ドラえもんの映画というと、いつも感じるのが 「友情」 です。毎回毎回、思うのだけど・・・、
友だちって良いね。