- 辻村深月さんの小説『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』あらすじと読書感想文
- 藤子・F・不二雄のSF (少し ふしぎ) なドラえもん
- 「異説クラブメンバーズバッジ」
- 魅力的なひみつ道具
- 孤独なエスパル
- 月の裏がわ
- ドラえもん映画 ベスト5
少しだけネタバレあります。
映画ドラえもん × 辻村深月
【読書感想】辻村深月さんの小説『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』。原作 : 藤子・F・不二雄。
映画の脚本を手掛けた辻村深月さんが書いた小説版です。楽しみにしていて、大雪の中買いにいきました。ドラえもんの小説って初めて読みます。
『のび太の月面探査記』のレビューと、最後の方にドラえもん映画の過去作をランキングしました。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』あらすじ
月世界での大冒険!!
月にはうさぎがいる!と信じているのび太は、みんなから笑われてしまう。見かねたドラえもんは〈異説クラブメンバーズバッジ〉を使って、のび太と月の裏側にウサギ王国を作ることに・・・。
藤子・F・不二雄のSF (少し ふしぎ) なドラえもん
ドラえもんは未来から来たネコ型ロボット・・・っていうのは 知っていますよね。括りでは SF漫画です。
SF (サイエンスフィクション) とは 空想科学のこと。でも藤子・F・不二雄さんの漫画は このSFではありません。そこまでガチガチの空想科学ではないんです。
S (少し) F (不思議) な世界。
藤子・F・不二雄さんが生み出した造語。面白いですね。
気楽に楽しく読めるSF (スコシ・フシギ) 漫画という括り。『のび太の月面探査記』にも、スコシ・フシギな、でも魅力にあふれたひみつ道具がたくさん出てきました。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』読書感想
アニメで馴染みのあるドラえもんだから映像が浮かんできました。きっとこんな感じになるんだろうなと想像しながら読むのが楽しかったです。
展開はお馴染みだったので、過去作を連想しました。宇宙小戦争、鉄人兵団、雲の王国・・・。過去の映画を見たことある人はこれらを連想するかもしれません。
今回の舞台は 「月」 でした。届きそうで遠い月。不思議に満ちていて夢やロマンがあふれる場所です。
異説が真実になる!? 「異説クラブメンバーズバッジ」

「月にはうさぎがいる」 という説を信じているのび太くん。学校でみんなに笑われてしまいます。そんな時にドラえもんが出したのが ひみつ道具。
〈異説クラブメンバーズバッジ〉です。
それをつけた人だけ異説が真実になるバッジ。
面白そうですね。月には空気もなくて人が住めないけれど、これを使えば地球と同じ環境になるんです。「テキオー灯」 を使わなくても・・・。
2人は月と地球を同じ環境にして、月の裏側にうさぎ王国を作りはじめます。
ひみつ道具がたくさん!
ドラえもんと言えばポケットから出てくる ひみつ道具が魅力ですよね。何が出てくるのかとワクワクします。今回もたくさんの道具が出てきました!
お馴染み 「タケコプター」 「どこでもドア」 に加えて、「実物ミニチュア大百科」 「ピッカリゴケ」 「どこでもじゃぐち」 「動物粘土」 ・・・。
ドラえもんと のび太くんは、「動物粘土」 でたくさんのムービット (うさぎ) を作ります。のび太くんに似たノビットは最後に大活躍するんです。
小説を読むだけでもワクワクするのに、映像だったらもっとワクワクするに違いありません!ムービットたちも可愛いんでしょうね。
欲しいものをあげたらキリがないです。
友だちは仲間

月に住んでいた先住民
月にうさぎ王国を作ったのび太くんですが、実は月には先住民がいました。カグヤ星から逃げてきたエスパル、ルカやルナたちです。そして足のはやい (?) カメ。
彼らはエーテルという不思議な力を身につけていました。歳をとらなくて、ずっと子どものままのエスパルたち。
歳をとらない → ずっと生きられる = 幸せ ・・・というのは必ずしも成り立たない。彼らを見ていると切なくなります。
のび太くんがルカに言った言葉にグッときました。
友達は仲間だよ! ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ
孤独なエスパルたちに初めてできた地球の友だち。ルカにとって、のび太くんはかけがえのない仲間になった瞬間でした。
お互いがお互いを信頼しあう。そういう関係って良いなと思います。
ディアボロが支配するカグヤ星に連れ戻されたルカを、のび太くんもまた助けに向かう。「宇宙小戦争」 や 「魔界大冒険」 などを連想しました。
危機を救ったのは?
ルカを助けにカグヤ星に行ったドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫ですが、絶体絶命の危機に直面します。
それを救ったのは、しずかちゃんとノビットでした。異説クラブメンバーズバッジの逆バージョンで。詳しくは書きませんが、ノビットのお手柄です。
どことなく 「鉄人兵団」 を思わせる展開でした。「鉄人兵団」 で泣いてしまったんですよね。リルルが消えるシーンで・・・。それを思い出してジーンとしてしまいました。
月の裏がわ
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』の舞台は月。それも月の裏がわでした。
月は地球の衛生だから地球の周りをクルクル回っています。同じ面を見せながら・・・。以前にホーガンの本格SF小説『星を継ぐもの』を読んだ時に少しだけ調べました。

私たちから見える表面と見ることのできない裏面とでは、月の表情はかなり違うらしいです。・・・未知の領域。
想像するのは自由。『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』のように、うさぎ王国があったら楽しいですね。
『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』はドラえもん愛と友情たっぷりの小説
レビューまとめ
小説『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』は、辻村さんのドラえもん愛がたっぷり詰まっていました。
ドラえもんがのび太くんに向けた温かな視線や、のび太くんとルカの友情、何よりも仲間を大切に想う気持ち・・・。
ドラえもんの映画というと、いつも感じるのが 「友情」 です。毎回毎回、思うのですが・・・、
ドラえもん映画 ベスト5
ドラえもん映画を好きな順にランキングしてみました。ベスト5です。(※ 旧作のみ)
第5位
のび太の宇宙小戦争

パピくんが可愛い。スネ夫のラジコンカーに乗って戦うシーンが印象的でした。
第4位
のび太の日本誕生

のび太くんたちがみんな家出をする。昔の日本に行って、住むところや食べ物を作ったりするシーンが好きです。
第3位
のび太と雲の王国

これはもう、武田鉄矢さんの主題歌がとても好きな1作。雲の上に乗れるというのも憧れました。
第2位
のび太の魔界大冒険

もしもボックスで魔法の世界にするという魅力的な設定。空飛ぶじゅうたんや、土星の輪の上でご飯を食べるシーンが好きです。
第1位
のび太と鉄人兵団

泣きました。リルルが自分を犠牲にして友だちを救おうとするところが切なくて好きです。
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