『星を継ぐもの』あらすじと感想|ルナリアンとミネルヴァの行方|ジェイムズ・P・ホーガン
- 『星を継ぐもの』あらすじと感想文
- チャーリーは異星人!?
- 月の裏側
- 月はどうやってできたのか
- ガニメアン発見で深まる謎
少しだけネタバレあります。
進化の謎が今 明らかになる!
ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』感想です。今から約40年前のSFミステリー。すごく面白かったです!
レビューの評価が高く、前から気になっていたんだ。
初めは3部作で完結だったのだけど、どうやら追加で続編が出たらしく・・・。
超巨編だ。一応、第1作だけでも完結しているから『星を継ぐもの』だけでも楽しめるよ。
『星を継ぐもの』あらすじ
意外な事実に驚愕する!!
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された・・・。
『星を継ぐもの』ネタバレ感想文
とても面白かったのだけど、読むのに時間がかかりました。どうも海外の本が苦手なんですよね。
『星を継ぐもの』に関して言えば、じゃっかん翻訳の古さを感じました。それが唯一、残念なところです。でも・・・、
めちゃめちゃ面白いから、最後まで読んで!
あきらめずに最後まで読むと、展開に目を奪われるよ。
チャーリーは異星人!?
チャーリーは異星人か、それとも地球人か?
チャーリーというのは月で発見された遺体です。彼は5万年以上前に死んでいました。国連宇宙軍 (UNSA) の航空通信局本部長、グレッグ・コールドウェルは言います。
チャーリーは地球の人間ではない、と・・・。
じゃあ、宇宙人!?
彼の人種をルナリアンと名付けました。ヴィクター・ハント博士 (原子物理学者) は、コールドウェルの依頼により、彼がどこからやってきたのか調べ始めるのです。
チャーリーが人間の姿をしていることなどから地球人説を披露。
進化の過程を熟知している生物学者ならではの意見ですね。でもハント博士は、今の時点でそうと決めつけるのは早いと異をとなえる。
原子物理学者のハントと生物学者のダンチェッカー。2人の議論は最初から最後まで面白かったです。
果たしてチャーリーは宇宙人なのか、地球人なのか。
プロローグに、チャーリーともう1人のルナリアン人・コリエルの2人が生きているシーンが描かれていました。
コリエルのその後も最後には明らかになるんだ。衝撃的な形で・・・。
月の裏側
月には表側と裏側があるのは知っていますか?
地球から見えるのは月の表側だけ。月は地球の衛星なので地球の周りをクルクル回っていますね。それぞれの回転に関係があって、私たちからは月の裏側は見えないそうです。
未知の世界。こういうのって想像が膨らんでワクワクする。
最近になって裏側の写真が撮られたけど、表と裏では月面がだいぶ異なっていました。もしかしたら私たちの知らない文明を築いた異星人の痕跡があるかもしれませんね。
この未知の領域が重大な仮説に関わってくるんだ。
月はどうやってできた?
月って未知で不思議ですよね。月の裏側のこともだけど、もう1つ調べたことがあります。
月はどうやってできたのか。
実はこのことが、ハント博士がたてる仮説に大いに関係してくるんです。月の誕生には4つの説が挙げられていて・・・。
現在で最も有力とされているのがジャイアント・インパクト説(原始の地球に小さな天体がぶつかって、その破片から月が作られたとされるもの)です。
ジャイアント・インパクトが本当なら、月は地球の一部ということになるね。
『星を継ぐもの』で関連してくるのは、他人説(地球の近くを通った小さな天体が重力によって地球に捕らえられて月となったもの)でした。
詳しくは書かないけど、上手く物語に絡めてスッキリとした結末だったよ。
ガニメアン発見で深まる謎
木星の衛星ガニメデで発見された宇宙船の残骸には、人の遺体もありました。
人間と違う異星人・ガニメアンです。宇宙船は2500万年前のもの。ルナリアンであるチャーリーの時代よりもずっと前でした。
深まる謎にワクワクする。SFなんだけど、謎を解いていくところがミステリーなんだよね。
『星を継ぐもの』驚愕の結末
ハント博士の仮説に驚き、ダンチェッカーの仮説にスッキリ。
ラストまで気が抜けません。大いなる謎を一緒に解き明かした爽快な気分で、読後感はとても良かったです。・・・でも明かされない謎もありました。
ガニメアンの宇宙船は、なぜ木星の衛星ガニメデで氷の下に埋まっていたのか。
続編『ガニメデの優しい巨人』で明かされるかな?・・・と密かに期待しています。
『星を継ぐもの』面白かった。おすすめだよ。