『5人のジュンコ』あらすじとネタバレ感想|女たちの悲劇と結末|真梨幸子
- 『5人のジュンコ』あらすじと感想文
- 主な登場人物とドラマのキャスト
- バタフライエフェクトについて
- なりたくない人物のランキング
少しだけネタバレあります。
翻弄される女たちの悲劇と結末
真梨幸子さん『5人のジュンコ』感想です。かなり心に負荷がかかる・・・。その理由は後ほど。
『5人のジュンコ』は女たちの悲劇を描いたイヤミス小説です。
真梨さんの小説って続けて読むのはムリだけど、時間が経つとまた読みたくなるんですよね。WOWOWドラマ化されました。
不思議な魅力を感じる作家さんだった。
『5人のジュンコ』あらすじ
イヤミス小説
伊豆連続不審死事件の容疑者・佐竹純子と同じ名前をもつ「ジュンコ」たち。その名前ゆえに、次々と事件に巻き込まれていく・・・。
『5人のジュンコ』ネタバレ感想文
『5人のジュンコ』は5人の女達が出てきます。漢字が違えど発音は同じ「ジュンコ」。
読んでいる時に登場人物がこんがらがってしまったので、まとめました。
こう見ると、いろんな漢字があるものだね
バタフライ効果
この物語は不幸の連鎖を描いています。
伊豆連続不審死事件の被疑者である佐竹純子をめぐり、同じ名前の「ジュンコ」たちと、そのまわりの人々が犯罪を犯したり巻きこまれたりする。
この世の中のすべては、なにかしら影響しあっている
そういうのをバタフライ効果 (バタフライエフェクト) と言うようですね。『5人のジュンコ』のテーマでもあります。
「ジュンコ」という名前をもってしまったために、次々とおこる事件の連鎖にヒヤリとしました。
その中心にいるのが佐竹純子なんだ。
男性を虜にする純子
佐竹純子は「伊豆連続不審死事件」の犯人です。彼女の周りにいた5人が不審な亡くなり方をしていました。
ものすごい悪女。なんだか前に似たような事件があったような・・・。
中心にいるのは純子だけど、本人の視点で物語が語られるのは最後の方だけなんですよね。
淳子→絢子→諄子→順子→純子・・・という感じで進んでいく。
その中でも存在感のある彼女の影響力は、凄まじいものがありました。最後は、びっくりする結末が待っています。
松雪泰子さん演じる「ジュンコ」が曲者だった・・・。
不快な女性心理
あいつ、消えればいいのに。
一瞬、寒気が・・・。帯を読んで、これは一筋縄ではいかない物語だなと感じました。ひとことで言いあらわすのなら、不快。
言葉が悪いけど、それがぴったりな物語。
イヤーな女たちがたくさん出てくるんですよね。プライドが高いひと、人を見下すことによって優越感に浸ろうとする人・・・。
先ほど私は心に負荷がかかる・・・と書きましたが、その理由は「不快な女性心理」にあります。
男をブランドやアクセサリーのように容姿で判断する女。その判断基準は自慢に値するかどうか。・・・・・すべての登場人物たちが見事に好きになれない。こんな小説も初めてです。
でも恐ろしいことに気づきました。
この心理は女性だったら、だれしも抱いたことがあるのでは?
人を妬んだり、羨んだり、比べたり・・・。私もないとは言いきれなくて。だから余計に心に不可がかかったのかもしれません。
真梨さんの本はエネルギーが吸いとられますね。2冊続けて読むのは私にはムリかも。
面白かったけど、心にくる負担が大きい。
『5人のジュンコ』なりたくないランキング
けっこう登場人物が多いんです。5人のじゅんこの他にもたくさん出てきます。見事に誰も好きになれないけど・・・。
「こんな女にはなりたくない」人物をランキングにしてみました。BEST3です。
- 1位・・・やはり純子かな。周りの人が不幸になるのは頂けない
- 2位・・・蒲田里穂子。エピソード4福留順子に出てくるお嬢様タイプ。面倒ごとをすぐ押しつけるのは頂けない
- 3位・・・恵原聡美。同じくエピソード4に出てくるひと。ほんのちょこっとしか登場しないけど、怖い
圏外だけど、ジャーナリストの久保田芽依もキライです。最後まで読むと煮えきらない思いが後をひきました。
心の底にある闇の部分を見事に描いた小説だね。
『5人のジュンコ』松雪泰子主演でドラマ化
『5人のジュンコ』はWOWOWでドラマ化されました。
真梨さんの本はドラマ化が難しいと言われています。作家さん自身も映像化という概念なく書かれているようで、今回のドラマ化はとても楽しみにしていたそう。
主演の松雪泰子さんが演じるのは田辺絢子です。事件の取材をしていく彼女は途中で・・・。
原作とは少し違ったけど、面白かったよ。心理描写が凄まじいバトルだった。