ヒューマン・ラブストーリー

『賢者の愛』山田詠美【あらすじと感想】痴人か賢者か、女の愛憎を描いた復讐と悲劇の結末

この記事に書かれていること
  • 山田詠美さんの小説『賢者の愛』あらすじと感想
  • 山田詠美版『痴人の愛』
  • 愛という名の復讐劇
  • 歪な愛のかたち
  • 「痴人」と「賢者」
  • ギョッとする結末と2人の運命

少しだけネタバレあります

女の愛憎を描いた復讐劇。

山田詠美さんの小説『賢者の愛』感想です。『賢者の愛』はWOWOWでドラマ化されました。主演は中山美穂さん、直巳役に竜星涼さん、親友の百合役に高岡早紀さんなど豪華キャストです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
ドロドロでした。

『賢者の愛』あらすじ

山田詠美版『痴人の愛』!!

『賢者の愛』
おすすめ
かんどう
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サクサク

【あらすじ】
今ここに真由子の復讐が始まる!! 主人公・真由子は 親友である百合の息子を調教して自分好みの男に育て上げる・・・。山田詠美版『痴人の愛』。

『賢者の愛』感想

あなたを調教するのが、わたしの復讐。

これは1人の女の復讐劇でしょうか。 正直、共感はできませんでした。でも真由子と直巳の関係って、それでも一つの愛なのかなと思ったりもして。

初めはかなり歪んだ愛だと思いましたが、読んでいくうちにそうでもないのかなと思ってしまうから不思議です。

山田詠美版『痴人の愛』

『賢者の愛』は 谷崎潤一郎さんの『痴人の愛』がモチーフになっています。

私は読んだことないんですよね。なのでモチーフになっていると言われてもあまりピンとこないのですが。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
『痴人の愛』の 男女逆バージョン?

主人公・高中真由子が、親友である百合の息子を調教して自分好みの男に育て上げる。そこにあったのは真由子の復讐劇でした。

ひつじくん。
ひつじくん。
歪んでる。

愛という名の復讐劇

真由子の復讐

親友のユリに初恋の相手だった諒一と父親を奪われてしまった真由子。諒一とユリの間にできた息子の名前を直巳 (ナオミ) と名付け、復讐を心に誓います。

ナオミが生まれたときから彼女の復讐は始まっていたのです。やがて彼は子供から大人へ。彼の中でも真由子は特別な女になっていました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
大切な2人の男を親友に奪われた主人公の気持ちもわからないではないけれど、ちょっと怖い。

でも彼が自分好みの男に育っていくのは 少し楽しみでワクワクもします。

歪な愛のかたち

真由子と直巳の歪な関係

恋人同士とは ちょっと違う。しいて言うのなら先生と教え子の関係に似ています。それも恋愛についての。

どうすれば女に喜ばれるか、自分好みの素敵な男に調教する真由子。その過程では深い恋愛観が描かれていました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
歪だなぁ。でも一つの愛の形なのかな。

復讐でも何でも、2人の間に「愛」は確かに存在しているんですよね。

「痴人」と「賢者」

「痴人」と「賢者」は紙一重

さきほど谷崎潤一郎さんの小説をモチーフにしていると書きましたが、本書は「痴人」ではなく「賢者の愛」です。

でもこの小説を読んでいると 主人公も直巳も「痴人」にも見えるし「賢者」にも見えるんですよね。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
「痴人」と「賢者」って紙一重なのかも。

「愛」と「憎しみ」も同じように紙一重。

ナオミを使って復讐するくらい親友のユリを憎んでいた真由子。あるとき、ほんとうに腹を割って本音で話せるのは周りにユリしかいないと気づきます。

愕然とする彼女の姿に切なさを感じました。

憎んでいるのに 1番近くにいたのはユリなんですよね。

ギョッとする結末と2人の運命

結末にギョッとしました。
悲劇です。・・・このラストを読んだとき、真由子と百合の運命を考えてしまいました。

ひつじくん。
ひつじくん。
この2人が出会わなければ、こんな結末を迎えることもなかったんだろうに。

真由子は復讐などせずに、ユリは息子のことでヤキモキすることもなかった。でも出会ってしまったんですよね。運命って恐ろしい。

「痴人」なのか「賢者」なのか・・・。

考え深い物語でした。

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