『銀河鉄道の夜』絵本あらすじ・感想文|光と影の幻想的な世界|藤城清治

- 絵本『銀河鉄道の夜』あらすじと感想文
- ジョバンニの孤独
- 「ほんとうの幸せ」とは?
- 杉井ギサブロー監督のアニメ映画
カンパネルラと一緒に、どこまでも。
原作 宮沢賢治
影絵・文 藤城清治
『銀河鉄道の夜』藤城清治さんの絵本の感想です。『銀河鉄道の夜』は数多くの書籍がありますね。小説、絵本、漫画やアニメ映画など・・・。
『銀河鉄道の夜』簡単なあらすじ
光と影の幻想的な世界
孤独な少年ジョバンニとカムパネルラは、銀河鉄道の汽車に乗って旅をする。やがて様々な人たちと出会い、みんなの「ほんとうの幸い」を願う。
『銀河鉄道の夜』ネタバレ感想文|美しくて幻想的な絵本
絵本『銀河鉄道の夜』は、影絵で有名な藤城清治さんが手掛けた映像を元にして作られたものです。
美しくて幻想的。『銀河鉄道の夜』の世界観にぴったりでした。
光と影のシンフォニー
藤城さんが描く影絵はとても繊細で幻想的です。そして力強くもあり儚くもある。
展覧会などに足を運んでは、その素晴らしさに圧倒されていました。光と影のシンフォニーです。ため息が出るほど美しいんですよね。
藤城さんの魅力がつまった絵本『銀河鉄道の夜』、いっぺんに好きになりました。もともとストーリーが好きなんです。
まだ見たことがないけど、そのうち見てみたい。幻想的な世界に目が奪われそうですね。
ジョバンニの孤独

孤独な少年ジョバンニがたまらなく好きです。
藤城さんの影絵からも寂しさが伝わってきました。独りぼっちのジョバンニは、クラスメイトからもからかわれてしまうんですよね。
ジョバンニが愛おしいです。カンパネルラだけはジョバンニの味方でした。
ジョバンニとカムパネルラ、銀河鉄道の旅
汽車に乗って銀河鉄道を旅するジョバンニ。そこにはカンパネルラもいました。
藤城さんの影絵を見ていると、一緒に銀河鉄道を旅しているような気分になります。ジョバンニとカンパネルラと一緒に・・・。
切ないような、やるせないような気持ちにもなりました。
絵本の文字数は少ないのだけど、ゆっくり読みたくなる絵本です。『銀河鉄道の夜』原作ストーリーを影絵とともに楽しめました。
ほんとうの幸せとは?|自己犠牲について

『銀河鉄道の夜』を読むときに幾度も出てくる「みんなの、ほんとうの幸せ」。この絵本でも何度も繰り返し描かれています。
賢治が考える「みんなの、ほんとうの幸せ」とは何だろう。
「幸せ」じゃなく「ほんとうの幸せ」です。一時的に感じるものではなく、みんながいつも心が健やかでいられるようなものという気がしました。
原作『銀河鉄道の夜』には、自己犠牲の精神が描かれています。
でも「みんなの、ほんとうの幸せ」を願うなら、自己犠牲はあってはならないものなんです。
自己犠牲になった本人はそれで満足かもしれないけど、残された人々は幸せだろうか。
私だったら心穏やかではいられません。でもこの世界は、誰かの犠牲に成り立っているということも理解していて。
『銀河鉄道の夜』杉井ギサブロー監督のアニメ映画
『銀河鉄道の夜』を知ったのは、杉井ギサブロー監督のアニメ映画が最初でした。
細野晴臣さん作曲の音楽も素敵で、サウンドトラックを買ってしまったほどです。宮沢賢治の「星めぐりの歌」のオルゴールバージョンとカムパネルラとの別れの曲「別離のテーマ」が切ないんですよね。
藤城清治さんの絵本は世界観を壊すことなく、また違った幻想的な世界を味わえました。マイベスト絵本です。


