『クレーの絵本』谷川俊太郎×パウル・クレー【詩の感想】黄金の魚と黄色い鳥のいる風景
- 谷川俊太郎×パウル・クレー『クレーの絵本』について
- 「黄金の魚」 全文と感想
- 「黄色い鳥のいる風景」 全文と感想
哀愁感じる不思議な世界。
谷川俊太郎×パウル・クレー『クレーの絵本』感想です。スイスの画家、パウル・クレーと谷川俊太郎さんのコラボ絵本。
クレーの絵、好き。
『クレーの絵本』紹介
谷川俊太郎×パウル・クレー
谷川俊太郎さんがクレーの絵に詩をつけたコラボ詩集。
言葉を超えたクレーの絵
本当に素晴らしいものの前では言葉は無力。
独特の世界観は現実世界とはかけ離れています。言葉で表すことが出来ない。谷川さんと同じく そう感じました。
目で見て想像して楽しむ。言葉に出来ないもどかしさはあるけど、しなくて良いと言われると妙に納得しました。
『クレーの絵本』感想
谷川俊太郎さんの奏でる言葉は心の奥に響くものがあります。短い言葉なのに、はっとさせられる。
素晴らしかったよ。
「黄金の魚」 全文と感想
「黄金の魚」全文
おおきなさかなはおおきなくちで ちゅうくらいのさかなをたべ
ちゅうくらいのさかなは ちいさなさかなをたべ
ちいさなさかなは もっとちいさな さかなをたべ
いのちはいのちをいけにえとして ひかりかがやく
しあわせはふしあわせをやしないとして はなひらく
どんなよろこびのふかいうみにも ひとつぶのなみだが とけていないということはない
本の表紙にもなっている「黄金の魚」。弱肉強食の世界!? 生きるために犠牲になる命を書いていますね。物悲しさが伝わってきました。
これは人の世にも当てはまることです。私の普段の生活は、だれかが支えてくれているおかげで成り立っている。
感謝の気持ちを大切にしようと思った。
「黄色い鳥のいる風景」 全文と感想
「黄色い鳥のいる風景」全文
とりがいるから そらがある
そらがあるから ふうせんがある
ふうせんがあるから こどもがはしっている
こどもがはしっているから わらいがある
わらいがあるから かなしみがある いのりがある ひざまずくじめんがある
じめんがあるから みずがながれていて きのうときょうがある
きいろいとりがいるから すべてのいろとかたちとうごき せかいがある
全てが繋がっていて、それで世界は成り立っている。
当たり前のようでいて、そのどれかが欠けてしまえばぐちゃぐちゃになってしまいます。ひとつひとつの物事の大切さを実感できました。
素敵な詩。
哀愁ただよう詩
教科書でお馴染みの谷川俊太郎さん。
ほとんどの人が、その作品に1度は触れたことがあるんじゃないかな。ここに載せられているものは物悲しさを感じるものが多かったです。
物悲しさがあとを引いて、絵と詩がマッチしていたよ。
『クレーの絵本』は子供から大人まで楽しめる
『クレーの絵本』は子供から大人まで楽しめる本。
短時間で読めるけど、くり返し何度も読みたくなる魅力がありました。そしてじっくり時間をかけてクレーの絵を鑑賞してもらいたい。
人それぞれ受取り方は違うけれど、きっと心に残る何かがあるはずです。