『三人の旅人たち』ジョーン・エイキン|幸せの旅路|しずくの首飾り
- 『三人の旅人たち』あらすじと感想文
- 心が満たされない3人の男
- 3人の旅路と見つけたもの
- 学んだこと
ネタバレあります。本作は短編集「しずくの首飾り」に収められている中の1話です。
さあ、旅に出かけよう!
ジョーン・エイキン (作) 猪熊葉子 (訳)
「しずくの首飾り」の中の1話『三人の旅人たち』です。もしかしたら知ってる方もいるかもしれませんね。実は国語の教科書に掲載されていました。
教科書の物語って、大人になってからまた読みたくなる。
当時は何とも思わなくても、もう一度読んでみるとまた違った感想を抱いたり・・・。心に響く何かがあるんです。
『三人の旅人たち』簡単なあらすじ
旅に出掛けたくなる物語
とほうもなく大きな砂漠の真ん中にある、ちっぽけな駅「さばく」。そこには3人の男が住んでいました。ある時、貯金を貯めた男が1週間の旅に出ると言い・・・。
『三人の旅人たち』ネタバレ感想文|旅に出たくなる本
『三人の旅人たち』は、お金を貯めた3人の男が順番に旅に出る物語です。
初めて読んだのだけど、いっぺんに好きになりました。旅に出たくなりますね。インドア派の私でもそう思ったくらいです。
知ってるところではなくて、どこか知らないところが良いな。
退屈していた3人の男が順番に旅に出て、新しい発見をする。
砂漠の誰も降りない駅が舞台だから、ちょっと物悲しい物語なのかなと勝手に想像していたのだけど。・・・全然違いました。
心が満たされない3人の男
大きな砂漠の真ん中にある「さばく」駅。両側にあるのは見渡す限りの砂でした。誰も降りなければ、いつも汽車は通過するばかり。
「さばく」駅には3人の駅員が住んでいます。
信号手のスミスさん、荷物がかりのジョーンズさん、きっぷ切りのブラウンさん。
小さい駅なのに駅員さんが3人もいるのはどうしてだろう?・・・と思っていたら、ちょっぴりひどい理由に苦笑いしました。
2人だと喧嘩をしやすいから。3人だと、そのうちの2人はいつでももう1人についてブツブツと文句を言うことができるから。
それはさておき、3人の男は幸せのように見えるけど、心から幸せではなかったのです。毎日、汽車は通るのに「さばく」には止まらないからです。
信号手のスミスさんは、毎日信号をピカピカにしているのに。
切なさがじんわりと胸に広がりました。週に1度、日曜日の休みの日にも何もすることがなく・・・。
心が満たされないのは幸せとは言えませんね。退屈な毎日を送っていた男たちは、やがて1週間の休暇をとって旅に出ます。
ジョーンズさんとスミスさんの楽しい旅路
まず旅に出たのは、お金を貯めたジョーンズさん。
ジョーンズさんは東に行って、たくさんの国や市を通りました。劇場やサーカスまでもある駅で降りて楽しんできます。
次はスミスさんが、今度は西に旅立ちます。
西には山や、この砂漠よりもずっとおおきな海がありました。
ぼくが考えていたよりも、世界はずっと広かったよ!
楽しそうに話すスミスさんやジョーンズさんを見ていると、私も行ってみたくなります。興奮が伝わってきました。
ブラウンさんの旅路と砂漠のオアシス
最後はブラウンさんです。
前の2人は汽車が通っている東と西に行きました。じゃあブラウンさんはどこに行くのかと不思議に思っていたら、北に行くと・・・。
北?砂漠のど真ん中で汽車も通ってないけど。
歩いて行ってしまいました、北に。心配したのもつかの間、夕方、ブラウンさんは帰ってきたのです。あるものを発見して。
ブラウンさんが見つけたものは、砂漠の中にあるオアシスでした。
癒やされそう・・・。人工的なものよりかは、やはり自然なものが良いですね。
『三人の旅人たち』学んだこと|行動をおこすことの大切さ
『三人の旅人たち』を読んで、行動をおこすことの大切さを学びました。
3人は行動をおこしたから、それぞれ旅を楽しみ、オアシスまで見つけました。心が満たされた3人はオアシスでのんびりとした休日を過ごしています。
行動しなければ、何もはじまらないからね。
オアシスで休日を過ごす彼らは幸せそうです。これで充実した休日を送れますね。
「さばく」駅の看板は「オアシスへは当駅下車」と書き加えられたようです。もしかしたら、今後この駅で降りる乗客もいるかもしれません。そう願って・・・。