ほっこり

『マボロシの鳥』絵本の感想とあらすじ/この世界は、きっとどこかとつながっている

この世界は、きっとどこかとつながっている

〈影絵〉藤城 清治
〈原作・文〉太田 光

『マボロシの鳥』絵本
今日 紹介するのは藤城さん ✕ 爆笑問題の太田さんのコラボ絵本『マボロシの鳥』です。藤城さん好きの私としては前々から気になっていた絵本なんです。

先日、紹介した藤城さんの絵本『銀河鉄道の夜』を何人かの方が読んでみたいと言って下さったのが嬉しくて (*^_^*) 二冊目のレビューです。

『マボロシの鳥』あらすじ

藤城さん ✕ 爆笑問題の太田さんのコラボ絵本!!

『マボロシの鳥』
おすすめ
かんどう
ほっこり
せつなさ

【あらすじ】
大人気のオリオン劇場。そこには「マボロシの鳥」がいた。

『マボロシの鳥』感想

楽しく読みました。藤城さんの影絵はまるで生きているかのような力強さを感じます。

まるで生きているかのような

藤城さんの影絵は、生命力にあふれ今にも動き出しそうです。豊かな表情を見ると登場人物の気持ちが伝わってくるほど。

40枚の絵を3ヶ月かけて作ったという藤城さん。その力強さに圧倒されますね。1ページ1ページ、じっくり丁寧に見ていきたくなる絵本です。

マボロシの鳥

魔人チカブーの芸によって観客に披露される「マボロシの鳥」。

太田さんの文章も独特な感じがして、読んでいて楽しくなりました。魔人チカブーという芸人がでてくるのですが、所々に芸人としての太田さんの気持ちが滲みでているような気がします。

そんな太田さんが描く「マボロシの鳥」は、誰もを幸せにする素敵な鳥でした。

この世界は、きっとどこかとつながっている

本書には同時に存在する二つの世界がでてきます。

一つは魔人チカブーのいる世界。

魔人チカブーはマボロシの鳥を誤って手放してしまいます。そして落ちこぼれていくのです・・・。

そしてもう一つの世界、勇者タンガタのいる世界です。

タンガタは山の頂上にいると言われている幻の鳥を捕まえます。永遠の幸福を手に入れることができる鳥です。

タンガタは国家を得て、文明を得て、幸福を得たのですが・・・。

自ら幸福の鳥を手放すのです。必要としている誰かのために。これこそがこの本のテーマです。それを太田さんは、こんな言葉で表現していました。

「世界の秘密」

自分はだれかとつながっている。この世界は、別のどこかとつながっている。

素敵な言葉です。誰かと繋がることの安心感が感じられます。同じ時間に生きている誰かのために幻の鳥を手放す勇気。そして他者への愛情も。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
私がタンガタの立場だったらマボロシの鳥を手放せたかどうか・・・。絵本ながらに深い。

マボロシの鳥は再び魔人チカブーのところへ・・・。

『マボロシの鳥』と『朝のリレー』

この絵本は文字数も多く、大人が理解できる表現になっています。読み聞かせとして子供さんに聞かせるのは不向きかもしれません。大人向け絵本といった感じです。読んだあとは清々しい気持ちになりました。

本書を読んでいると、ある詩が思い浮かびました。谷川俊太郎さんの『朝のリレー』です。

『朝のリレー』谷川俊太郎【教科書の解説と感想】いつもどこかで朝がはじまっている。『マボロシの鳥』との共通点谷川俊太郎さん『朝のリレー』全文と簡単な解説、感想を書いています。教科書に掲載されていた詩です。『朝のリレー』を読んでいると絵本『マボロシの鳥』との共通点が浮かび上がりました。...

「世界はきっとどこかとつながっている」に共通するものがあります。

ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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