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『ぶどう酒びんのふしぎな旅』藤城清治【あらすじと感想】アンデルセンとともに

人生の喜びと、悲しみと、はかなさと。

藤城清治さん『ぶどう酒びんのふしぎな旅』
アンデルセンの『びんの首』を元に作られた藤城清治さんの影絵本です。「ぼくの原点はアンデルセン童話だ。」・・・と、語る藤城さんの想いが伝わってきました。

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』あらすじ

藤城清治さん影絵本。

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』
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【あらすじ】
ガラス工場で初めて生命を吹き込まれ、ぶどう酒を詰められたビン。様々な人の手に渡り旅をするビンがたどりついた先は・・・。

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』感想

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』は、人生の喜びと悲しみと、はかなさを描いた物語でした。アンデルセンって深い・・・。

それぞれの人生

この絵本は びんを主人公に描かれています。

ビンって眺めているだけで綺麗ですよね。色とりどり、たくさんの種類があって。私が子供の頃は ラムネのびんが好きでした。あの瓶に入っている不思議なビー玉を何度取ろうとしたことか・・・。

ぶどう酒びんは、人間のように心を持っていました。

ガラス工場で初めて生命を吹き込まれ、ぶどう酒を詰められます。

まずは毛皮商人のところへ。そして、お嬢さんと出会います。びんは、お嬢さんの一番幸せな時を一緒に過ごします。航海士になった恋人との結婚を約束した日。

でも、約束は果たされることはありませんでした・・・。びんは捨てられ違う人の元へ。

喜びだったり、悲しみだったり、儚さだったり・・・。びんの旅を通して、それぞれの人々の人生が垣間見えました。

すれ違う気持ち

最後には割れてしまうんです。でも上の口の部分は、そのままの形で残ります。やがて、屋根裏部屋のお婆さんの飼っている鳥かごに、逆さまに吊るされました。

さて、このお婆さんが誰なのか。びんにとっては最も思い入れのある人だったのですが、お互いに気付かずすれ違ってしまいます。・・・もどかしさと切なさを感じました。

知らなければ知らないなりに幸せなんだろうけど、気付けていればもっと幸せを実感できる。

何気なく生活している中で大切な人や物がすぐ近くにあるのに気付かずすれ違ってしまう・・・。そんなことが実際あるのかもしれません。少し勿体ないような気持ちになります。重要な物や大切な人であればある程に。できれば気付きたいものですね。

藤城清治さん60年の想い

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』は、1950年、藤城さんが26歳の時、最初の絵本としてモノクロの影絵で出版されました。カラーでもう一度この物語を絵本にしてみたいとの思いが強くなり、86歳の誕生日を目標にして作った作品です。最初の絵本刊行からちょうど60年目にあたるそうですね。

藤城さんの想いがつまっていて、あとがきを読んでジーンとしてしまいました。原点は今も変わらない。多くの人に愛されている藤城さんをこれからもずっと応援していきたいです。

ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

POSTED COMMENT

  1. igaiga より:

    藤城清治さん大好きです(^^)
    こんな素敵な絵本もあるんですねー。
    たまーに作品展とかあって見に行くのですが、
    絵もほしいんだけど高くて買えなくて(笑)
    結局ポストカードを買って帰ってきました。

  2. ひだまりさん。 より:

    igaigaさんも好きなんですねー(*^_^*)
    私もです。繊細で綺麗で、力強くて、素敵ですよね。
    作品展があると私も足を運びますが、やはり高くて手が出ません。
    同じくポストカードが家にたくさんあります(´˘`๑)
    でも、やっぱり原画は素晴らしいですよね。

    最近になって、藤城さんの絵本をよく読むようになりました。
    調べてみると、意外とたくさんの作品があってビックリです。
    絵本も良いのですが、あとがきを読むのも楽しみで( ^^ )
    藤城さん好きの人に出会えて嬉しくなっちゃいました。

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