『二十億光年の孤独』谷川俊太郎【教科書の解釈と感想文】宇宙と孤独とくしゃみについて

- 『二十億光年の孤独』全文と簡単な解釈
- 『二十億光年の孤独』感想文
- 広大な宇宙について
- 「くしゃみ」 について
広大な宇宙と孤独。
谷川俊太郎さん『二十億光年の孤独』感想文です。谷川さんの詩に出会ったのは小学生のときでした。今でも深く心に残っています。有名すぎるほど有名な詩ですよね。

懐かしい。学校の教科書で読んだきりになっていた谷川さんの詩を改めて読んだよ。
『二十億光年の孤独』全文と簡単な解釈|教科書作品
『二十億光年の孤独』全文
人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがつたりする
火星人は小さな球の上で 何をしてるか 僕は知らない (或はネリリし キルルし ハララしているか) しかしときどき地球に仲間を欲しがつたりする それはまつたくたしかなことだ
万有引力とは ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨んでゆく それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に 僕は思わずくしやみをした
『二十億光年の孤独』簡単な解釈
宇宙から見ると地球は小さい。私たちは その小さな地球の上で生活している。ふとした時に孤独を感じ、隣の星の火星に仲間を求めたりする。
火星人は何をしているのか知らないけど、同じように寝たり起きたり働いたりしているのかもしれない。火星人も隣の地球に興味を持ち、私たちのことを想像したりして仲間になりたいと思ったりしているに違いない。
万有引力とは 広い宇宙に存在する孤独なものどうしを引き寄せる力のことだ。
宇宙はひずんでいるから みんなは求め合う。
宇宙は限りない。この瞬間にもどんどん遠ざかり膨らんでいく。一人とり残された気持ちがして不安になる。
そんなことを考えていると背筋が寒くなり、くしゃみが出てしまう。もしかしたら火星人が噂しているのかもしれない。

簡単な解釈をまとめてみたよ。
『二十億光年の孤独』感想文|教科書作品
何度よんでも感じるのは広大な宇宙。そして、その暗闇の中に存在する地球に思いを馳せました。
広大な宇宙の前では・・・

『二十億光年の孤独』を読んでいると、私はなんてちっぽけな存在なんだろうと感じます。
私から見れば広い地球も、宇宙からすると本当に小さくて、ぽつんと佇んでいる。昔は宇宙は二十億光年あると言われていたけど、どんどん膨らんでいるようで限りないですね。

宇宙に果てがあるなら、そこには何があるんだろう。
膨大な中にある小さな星に私は存在していて、悩みながら一生懸命に生きています。
私にとっては大きな悩みでも、この詩を通して宇宙を感じるとなんでもないような小さなことに思えてしまうから不思議。

だからこの詩が好きなのかもしれない。
想像する火星人とくしゃみ
詩っていろんな想像ができるから面白い。
もし火星人がいたら「ネリリ」し「キルル」し「ハララ」しているかもしれません。寝たり、起きたり、働いたり・・・。それとも、考えたり、キスしたり、ハラハラしたり・・・かな。
「くしゃみをするのは誰かが噂しているから」とよく言いますね。
ひょっとしたら火星人かもしれないけど。この、くしゃみの部分が好きです。想像の世界から現実に戻ってきたような気分になるから・・・。

ファンタジーでも何でも、最後に現実に戻る物語の方が好きなんだ。寂しいようで安心感がある瞬間が心地良い。


