『下町ロケット』あらすじ・ネタバレ感想文|夢とプライドを賭けた戦い|池井戸潤
- 『下町ロケット』あらすじと感想文
- 池井戸作品の魅力
- 特許の落とし穴
- ロケットへの情熱と夢
- 働くということ
- 佃製作所vs帝国重工
少しだけネタバレあります。
夢とプライドを賭けた戦い
池井戸潤さんの小説『下町ロケット』感想です。爽快で面白い!!あまりの面白さに止まらなくなりました。
夢とロマンあふれるお仕事小説。
仕事に対しての情熱が伝わってきたよ。
ドラマも面白かったけど、原作小説も素晴らしい。読みやすくてサクサク読めました。
『下町ロケット』あらすじ
ロケットは飛ぶのか?
主人公・佃航平が経営する佃製作所は、倒産の危機に立たされていた。身に覚えはないが、特許侵害の疑いで訴えられたのだ・・・。
池井戸作品の魅力
池井戸さんと言えば、これまでドラマ化された作品が数多くありますね。その殆どがサラリーマンをメインに描いたお話です。
『半沢直樹』『ルーズヴェルトゲーム』『花咲舞が黙ってない』『民王』など。そして『下町ロケット』も。
初めて原作を読んだけど、ドラマ化の理由が分かった気がしました。まさに「現代の働く人」をリアルに描いています。
登場人物がみんな生き生きとしていた。そして熱い。
「働く」ということは誰もが1度は経験すること。でも時々何のために働いているのか分からなくなったりします。
お金のためというのは勿論だけど、決してそれだけではないんですよね。『下町ロケット』を読んで再認識しました。
『下町ロケット』ネタバレ感想文
働くこと、夢、仲間。・・・たくさんの想いがわきあがり、胸が熱くなります。
働くってどういうことだろう?
池井戸さんの本を読み終わったら、もう一度自分の姿を見つめ直したくなりました。今働いている人にも、これから社会に出る人にも読んでもらいたい一冊。
夢や目標を持ち続けることは大切だ。
特許の落とし穴
主人公は佃航平、宇宙工学においてロケットエンジンの研究をしていた人物です。
打ち上げ失敗により研究所を後にした佃は、父親の会社(佃製作所)を継ぐことに・・・。経験を生かしていくつかの特許を取得しました。
バブルシステムのロケットエンジンなどだね。
夢を諦めずに小さな会社でもコツコツと・・・。ここまでは良かったんです。
佃製作所はナカシマ工業に訴えられ、帝国重工からは水素エンジンの特許を売って欲しいとの申し出を受ける。
特許申請も抜け目なくやらないと、こうして足元をすくわれてしまうんだ。
裁判が長引けば長引くほどお金が底をつき、破綻してしまいかねない。中小企業にとっては致命的ですね。
水素エンジンの特許を逃した帝国重工は、20億円で買取りたいと言ってきました。
20億円という金額が妥当なのか、疎い私はわかりません。でも売ってしまうと、そこからビジネスを広げることが出来なくなるというのは理解ができます。
売れば当面の間、会社は生き延びる。でも佃には捨て切れない夢がありました。
ロケットへの情熱と夢
佃の夢は、自分が作ったエンジンでロケットを飛ばすこと。
帝国重工に特許使用ではなく、部品供給で行けないかと提案をします。これは佃製作所でロケットエンジンの部品を作るということ。
夢はそう簡単には捨てられないよ。
どうしても諦められない熱い思いがあったからこその発明です。言わば、自分の可愛いわが子も同然の水素エンジン。
部品供給だったら、佃もロケット開発に携われますね。
働くということ
『下町ロケット』は様々な苦境を乗り越えて、働くとはどういうことかを深く追求している小説です。
生活していくためにはお金が必要。でもそれだけだと楽しくありません。夢や目標があって楽しく仕事ができる。・・・どちらも大切なんです。
1日のうちの大半は職場にいるわけだから、楽しく自分も成長していけたら良いですよね。
『下町ロケット』を読んでると、私も情熱を持ち続けたくなる。
プライドを賭けた白熱戦
佃製作所vs帝国重工
特許を買取たいがために色んな画策を練る帝国重工。これは佃ブランドのプライドを賭けた戦いです。白熱するやり取りに読むのをやめられませんでした。
意見が真っ二つに割れていた佃製作所だけど、社員が一致団結する姿はカッコよく爽快!!
難癖をつけてくる帝国重工に殿村が言った一言がステキなんです。
青くなる帝国重工の社員を見ていると、スカっとしたよ。
『下町ロケット』感動の結末
佃の夢を背負った水素エンジン。果たして夢は叶うのか。
良い仲間たちに恵まれ、ラストも良かったです。夢を持ち続けることは大切ですね。ジーンとしました。
感動の結末だった。