日航機墜落事故『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』あらすじ・ネタバレ感想文|悲劇と憤り|山崎豊子|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

日航機墜落事故『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』あらすじ・ネタバレ感想文|悲劇と憤り|山崎豊子

ひだまりさん。
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この記事に書かれていること
  • 『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』あらすじと感想
  • 御巣鷹山 飛行機事故
  • 発見された遺書
  • 墜落の原因は修理ミス

少しだけネタバレあります。

レーダーから飛行機が消えた・・・。

山崎豊子さんの小説『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』です。「アフリカ篇」 に続き、「御巣鷹山篇」 のレビュー。

この物語は涙なしでは読めません。次から次へと涙がとまりませんでした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

もう号泣だったよ。

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『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』あらすじ

航空史上最大!?飛行機墜落事故

あらすじ

十年におよぶ海外左遷に耐え、本社へ復帰をはたしたものの、恩地への報復の手がゆるむことはなかった。逆境の日々のなか、ついに「その日」はおとずれる。航空史上最大のジャンボ機墜落事故、犠牲者は五百二十名―。凄絶な遺体の検視、事故原因の究明、非情な補償交渉。救援隊として現地に赴き、遺族係を命ぜられた恩地は、想像を絶する悲劇に直面し苦悩する。

『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』ネタバレ感想文

『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』は、日本航空(JAL)が起こした飛行機事故を背景にして描かれています。

日本航空123便墜落事故

1985年8月。東京発 大阪行のジャンボジェット機が群馬県に墜落した事故。520人もの尊い命が犠牲になった。

当時6歳だった私は あまり記憶にないんです。ちゃんとした原因はわかっていないようですね。

  • 修理ミスによる後部圧力隔壁の破損
  • 垂直尾翼と油圧操縦システムの喪失

・・・と推定されています。

御巣鷹山 飛行機事故

ネットで事故のことを調べました。すさまじい写真を前にして言葉を失ってしまいます。

この小説でもすさまじさは充分すぎるほど伝わってきました。遺族の悲しみと怒りも・・・。胸を打たれた言葉があります。

「残念だ―」

ひだまりさん。
ひだまりさん。

たったひとことの言葉なのに、こんなにも重さがあってハッとした。

涙がでてきました。子供の背中に残されていた歯・・・。墜落し炎上して、ほとんどが部分遺体ばかりでした。事故現場の凄まじい状況が描かれています。

ひつじ。
ひつじ。

言葉が出てこないほど衝撃だったよ。

発見された遺書

実際に発見された遺書があります。本書にも掲載されていて心を打たれました。当時52歳の河口博次さんの遺書です。

マリコ 津慶 知代子 どうか仲良く がんばって ママをたすけて下さい<br>パパは本当 に残念だ きっと助かるまい 原因は分からない 今5分たった<br>もう飛行機 には乗りたくない どうか神様 たすけて下さい<br>きのうみんなと 食事したのは 最后とは 何か機内で 爆発したような形で 煙が出て降下しだした どこえどうなるのか 津慶しっかり た(の)んだぞ<br>ママ こんな事 になるとは残念だ さようなら 子供達の事 をよろしくたのむ<br>今6時半だ 飛行機はまわりながら 急速に降下中だ 本当に今迄は幸せな 人生だった と感謝している

続けて読むことが出来ずにいったん本を置きました。墜落までの32分間。文字は上下左右にぶれながら書かれていたといいます。

墜落の原因は修理ミス

「アフリカ篇」で海外をたらい回しにされていたけど、ナイロビから東京に呼び戻された恩地。

でも国際旅客営業本部付とは名ばかりの閑離職に追いやられます。

事故後はご遺族のお世話係として動くことに・・・(モデルとされている小倉さんは お世話係をしていなかったようです。この部分は少し違いますね)。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

ここで描かれている事故当時の堂本社長がひどすぎる。読んでいて腹立たしかった。

国民航空は事故の調査を進めます。

日本航空115便しりもち事故

1978年6月。大阪の伊丹空港に着陸する時に 機体尾部を滑走路面に接触させた事故。

原因ははっきりしていなくて、どうやら過去に起こった「しりもち事故」の修理ミスという説が有力のようですね。

『沈まぬ太陽』で描かれている国民航空という会社の昔からの体質。恩地の左遷人事に始まり、事故を起こしてしまった杜撰な安全管理。・・・やり切れません。

『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』読むのが辛かったけど知れて良かった

私が読んだ山崎豊子全集22。こちらに「御巣鷹山篇」が収められています。

373ページの中には、最後にインタビューが掲載されていました。

正直、「御巣鷹山篇」は読むのが辛かったです。でもこの本を読まなかったら私は知らないままだったのかと思うと、読んでよかったとも思うのです。

ひつじ。
ひつじ。

河口さんの遺書にはグッときたよ。

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